第11話 最終話

「お父さんもういいのよ。話は全て佐竹さんから全て聞いたわ。再就職の話も決まったから安心して労ってやってくれって言っていたよ」

「そうか。もう知っていたのか。本当に皆には心配掛けた。もうひと踏ん張りするよ。本当に佐竹先輩には足を向けて寝られないほど世話になった。だから何も心配ない。さあ食べようか。俺はもう大丈夫。心機一転頑張るよ」

 真田は家族の笑顔を見てホッとした。戦場からの生還、まさに此処は天国であった。

 それから一ヵ月後、十五%増の退職金を貰って退社。数日後、新しい会社に就職した。給料は一割ほど下がったが贅沢は言えない。退職金でローンを全額返済したら殆ど残らなかったが、それでもローンは完済し心配はなくなった。

 真田が定年を迎える頃は、長男もきっと立派な社会人になっていると期待を込めていた。そして自分と同じ哲を踏ませない為に今のうちに、色んな資格を取る事を薦めた。

 万が一解雇されても資格が役に立つはず。

 真田は今回のリストラで沢山の事を学んだ。

 良き友人を作る事。理解ある家族を作る事。常に最悪の事態を想定して備える事。真田は地獄からの生還は、多くの生きる為の知識を得た。


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リストラ 西山鷹志 @xacu1822

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