神様なんて大嫌いと少女たちは叫ぶ――七瀬真理愛の“復讐”――
ダイ大佐 / 人類解放救済戦線創立者
帰ってきた真理愛
「アンタ、ちょっと調子に乗ってんじゃないの」私立澄川女学院中等部の体育館裏、見事な金髪の少女を取り囲む人影の中心に立っていた黒髪ショートヘアの背の高い女子が言った。
囲まれた少女――七瀬真理愛は落ち着いた様子でそう言った女子、中等部の女ボス、中島直美を見据えた。
真理愛はショートボブの金髪に碧緑の瞳――一目で日本人ではないと分かる美少女だ。
「愛しの静香様と駆け落ちして二週間も学校を休んだんだ。アタシ達がどんなに迷
惑したか知ってんの?」
それでも真理愛は無言だった。
周りの女子達は今迄の真理愛と違う様子に目配せを交わし合った。
七瀬真理愛と理事長の孫娘澄川静香が学校の帰りに行方不明になったのは全国ニュースにもなったちょっとした騒ぎだった。
警察が学園や近くの山を捜索するなど女学院にとってはちょっとどころか大騒ぎになった。
「悪いと思ってんなら誠意を見せなよ。誠意をさ」直美は真理愛が首から下げたイコンに手を伸ばそうとする。
真理愛が前にイコンを取られた時の絶望に歪んだ顔を思い出して思わず身を震わせた――またこの女の泣き顔が見れる。
それは快感と呼んでも差し支えの無い感覚だった。
真理愛は伸びてきた手を左手で掴んだ。
それから真理愛が手を上に振った――直美にはそうとしか見えなかった――直後に自分が空を仰いでいるのを見た。
何の衝撃も感じずいきなり真理愛が自分を見下ろしている――その光景の奇妙さに怒りも疑問さえもわかなかった。
「まだ、やりますか」落ち着き払った真理愛の声が響く。
女生徒たちの間に動揺が走った――直美はフルコンタクト空手の有段者だ。
その彼女があっさりと倒された。
直美は女生徒たちの表情を見て自分がどうなっているかを認識した。
「なめるな――混血女!」起き様に地面すれすれの蹴りを真理愛に放った。
真理愛は軽く踏み込んで攻撃の打点を外す。
出鼻を挫かれる格好で直美の蹴りは止められた。
直美には信じられなかった。
「お前――何が有った――」たった二週間でこんなに真理愛が変わるとは。
「話す必要はありません」
直美は身を起こすと改めて真理愛を見た。
左半身になって腕は自然体――信じがたいが隙が全く無い無構えだった。
予鈴がなる。
「直美さま――」取り巻きの生徒がためらいがちに声をかけた。
「ちッ――」舌打ちすると直美は胸を反らして歩き出した。
合気道に似てるが、感じが違う――直美は教室に帰りながら真理愛の技を思い出す。
何処で身に付けたか知らないが所詮付け焼き刃だろう、不意さえつかれなければ――。
直美には真理愛が異世界に行って二年以上の間実戦の中に身を置いていた等想像もつかない事だった。
* * *
真理愛は去っていく直美たちを見てほっと息を吐いた。
実力は上回っても修羅場になれば誰でも緊張する。
その緊張が無くなった時がまずいのだと異世界での師匠ホークウィンド――彼女は
魔法を使えば全員倒せるだろうが、“効きすぎる”可能性が有った。
現実世界は真理愛達の飛ばされていた異世界より
追い詰められたら昏睡魔法を使わないといけないかも――真理愛は教室に帰りながら考えていた。
直美は別のクラスだった――放課後までは安心だろう。
実力差が圧倒的だと悟れば直美といえど手出しは出来ない――真理愛はその見通しは甘かった事を後で知った――相手は想像以上に執念深かったのだ。
* * *
四日後――真理愛は澄川女学院の廃校舎に転がされていた。
後ろ手に縛られ、猿ぐつわまで噛まされている。
夕食に睡眠薬を盛られて、保健室で拉致されたのだ――真理愛は記憶を探ってその事を思い出す。
無詠唱で解毒の魔法を唱えた。
眠気が嘘のようになくなる。
自分をさらったのは学院に通う生徒では無かった――男だ、それも四、五人の――恐らく半グレかヤクザだろう。
保健室の担当教員が居なくなる隙をついたか、それとも脅したのか。
隣で呻き声がした――保険医の女教師が同じ様に猿ぐつわを噛まされ転がされていた。
「お目覚めのようだね、真理愛姫」直美の声が響いた。
両隣に近隣でも名を知られた不良達の姿が有った。
「直美ぃ、いつまでお預けさせんだよ」リーダー格の少年が言った。
「もう少しよ――。少しは我慢って事を覚えたらどうなの」直美の叱責にリーダーは不満気に口を鳴らす。
直美の家は代々続く代議士の一家だ、彼女の機嫌を損ねれば自分たち不良くらいあっさりと潰される――それを分かっていたリーダーは敢えてそれ以上逆らう事はしなかった。
どの道美味しい所は頂く――女子中学生と妙齢の女だ――その女達をモノに出来るのだから文句はない。
真理愛は身体が持ち上げられるのを感じた――猿ぐつわが外される。
視界に直美の顔が大きく映った。
直美は真理愛の唇を奪う――周りの男たちが口笛を鳴らした。
真理愛は何も感じなかった。
直美に髪を引っ張られ、制服にナイフを突き立てられても恐怖は無かった。
たっぷりと真理愛の口腔を凌辱すると直美は満足気に息を漏らす。
ナイフを突き立てたまま直美は制服に手を突っ込むと荒々しく真理愛の胸を揉みしだく。
「気持ちいいんだろ――素直に悦びなよ」直美は真理愛が感じるかどうかも考えずに自分がしたい事をするだけだった。
気の毒な人――真理愛はむしろ同情心さえ感じていた。
こんな愛し方で人に愛されると思ってるなんて、この人は親からもそんな愛され方しかされなかったのだろうか。
胸をまさぐる手はそのままに直美は再び真理愛の口を犯し始めた。
いつの間にかナイフも落として両手で胸を揉む。
直美は真理愛の身体を犯す事に夢中になっていた。
男たちがいつの間にか床に倒れ伏している事にも気付かない。
真理愛は精霊を呼び出して男達を気絶させていたのだ。
最後に見張りを務めてた使い走りの二人を昏倒させると真理愛は直美の目を見た。
欲情に濡れた女の目だ。
直美の右手が真理愛の女性の部分に触れた。
暴風の様に真理愛の大切な部分を嬲る。
指がもう少しで秘所に入りそうになった。
真理愛を自分のものに出来る――それしか頭になかった直美は真理愛を縛る結束バンドが切断されていた事も気に留めていなかった。
真理愛を汚そうとしていた右手が止められる。
興奮しきっていた直美はそれもおかしいとは思わない。
「そこまでです。直美さん」声には同情と哀れみが有った。
「何が――気持ちいいんだろ。もっとエロい声出しなよ」
「――仕方ないですね」真理愛は直美を逆に押し倒した。
あっという間に主客転倒する。
直美は目を剥いた。
「人の愛し方も知らない、貴女は可哀想な人」
直美は身体に力を入れようとしたが、真理愛にがっしりと抑え込まれていた。
「岳人――助けろ」リーダーの名前を呼ぶが、岳人は意識を失って倒れていた。
膝の先が冷えるような感覚に、あくまでも優しい真理愛の瞳に直美は恐怖した。
「誰か――助けて!」大声を上げようとするその口を真理愛が唇で塞いだ。
「んッ――」口を外そうと必死にもがいた。
その間にも真理愛は服のボタンを外すと優しく胸をさすり出した。
直美の身体を電流の様な快感が走る。
真理愛は恋人を愛するかの様に情愛を込めて直美を愛した。
直美は自分でも知らなかった深い感覚を呼び覚まされてあっという間に達してしまう。
それでも真理愛は容赦しなかった。
一度頂点に上り詰めたのにその波が終わらない内にまたしても上り詰めてしまう。
異世界で真理愛がホークウィンドから教わったのは戦闘技能だけでなく性技もだった。
直美は最初の内こそ抵抗していたが、すぐに真理愛に与えられる快楽を貪る以外の事は忘れた。
それほどまでに真理愛は相手の感じる所を見分ける力と相手の快感を支配する事に卓越していた。
「もっと――お願い!」直美は真理愛の手を招いて自分の秘所に押し付ける。
真理愛は弱い所をわざと焦らすように攻めた。
もどかしさと快感で直美はついに泣き出す。
「貴女、本当は男が大嫌いなんでしょ」真理愛の指摘に直美は息を呑んだ。
「どうして――分かるのさ」
「答える必要はありません」真理愛は直美の胸の突起を軽く摘まんだ――直美が身を反らせる。
首筋を舌でなぞる。
真理愛は身体の内側には決して入らなかった。
「嫌――もう」直美は快楽に身を焦がしながら、本当なら自分が真理愛にこの感覚を味合わせるつもりだった事を思い返した。
行方不明になる前に真理愛を嬲った事が脳裏に蘇る。
あの時確かに真理愛は女性を濡らしていた。
* * *
「止めて下さい――嫌!」真理愛は大声を出そうとして直美達に更に脅された。
「そんな声出すと周りに聞こえちゃうよ――こんな姿を見られたら愛しの静香様にも嫌われちゃうかも」
「股濡らして嫌々言っても説得力無いわ――こいつ下の毛も金髪なのね」
「イコンを取らないでって言うなら身体で払ってもらうしかないじゃん」
「もう処女じゃないんでしょ。それなら何されても一緒じゃない、孕むわけでもないんだし」
真理愛は浴びせかけられる侮辱とおぞましい快楽に必死に耐えていた。
「舐めて欲しいの?それとも指で責められたい?じっくりとイキたい?それとも一気に?」同性愛者だと噂の立っていた女生徒が酷く優しい口調で聞いた。
目をぎらつかせて真理愛を嬲り始める。
逃げようにも左右の手と脚はがっちりと抑え込まれている。
快楽を感じる余裕など無かった。
「ンあッ――!」無理矢理絶頂させられ真理愛は奥歯を食いしばった――白い光が脳裏で弾ける。
「もう止めて――」真理愛の目からボロボロと涙が溢れ出した。
「私達の性奴隷になって静香と縁を切りな。そうすれば考えてやるよ」直美は冷酷に宣言した。
永劫に続くと思われた苦痛からようやく真理愛は解放された――自分がどの位凌辱されていたのかも分からなかった。
* * *
しかし、真理愛が帰ってきてから一週後――現実には直美が真理愛に慰み者にされていた。
身も心も真理愛に屈服した事を認めざるを得なかった。
「ああ、お願い。アタシを貴女の物にして――お願いだから。ねえ、良いでしょう真理愛」
真理愛は答えずに直美の秘部を舐め上げる。
「ンッ、あっ、ひッ」もう少しで頂点に達する――その手前で真理愛は直美を攻めるのを止めた。
「嫌――止めないで」直美は必死に真理愛を責めた。
男を含めて今迄相手をしてきた中で真理愛ほど自分を深い感覚に導いてくれる人はいなかった。
離れたくない――もっと愛してほしい――もっと滅茶苦茶にして――頭の中をそんな考えが渦巻く。
真理愛はそんな直美の様子をどこか愛し気に見ていた。
自分を苛めていた相手が性感で屈服した――歪んでいるとは思ったがそれが嬉しかった。
愛する時は全力を尽くして相手を愛する――それが真理愛が異世界での師、
「ねえ、キス、して――」欲望に潤んだ瞳で真理愛にせがんでくる。
最初の内、真理愛は直美を恋人にするつもりは無かった。
しかし、直美を弄んでるうちに情が移ってきた。
「ものにしてって話――静香先輩が許すなら考えなくもないです」
「静香も、アンタと、同じ位なの?」再び攻められ始め、快感に息を切らせながら直美は言葉を紡ぐ。
真理愛は無言だった。
「それで、いいなら、アタシ、静香と、仲良くなるから――あ」限界が近づいた直美は必死に懇願する。
高みに上らされ、そして奈落の底に突き落とされた。
身体は引きつり、言葉も出ない。
「私が強く言えば静香先輩も嫌とは言わない筈です。でも、私を虐めた事は――忘れません」
「何でもするから――謝るし、もう二度としないから、だから――」息も絶え絶えに言葉を継いだ。
真理愛は溜息をつく――私の負けだ。
「分かりました――貴女を恋人にしてあげる。中島直美」
最初直美は自分が赦された事が理解できない――数拍おいて念願叶った喜びに真理愛に抱きついた。
「よろしく、真理愛」
この日初めて人に愛される事を知った中島直美――誰よりも愛を望んだいじめっ子――は一生かけて探していたものを見つけたのだった。
神様なんて大嫌いと少女たちは叫ぶ――七瀬真理愛の“復讐”―― ダイ大佐 / 人類解放救済戦線創立者 @Colonel_INOUE
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