二話 津田藤次郎さん、心をひらく
だからといって現状が変わる訳では無いが、津田藤次郎にとって、女の見方が変わったのは確かだった。
掠れた絵の具のような枠の窓を真新しい、表面だけが灰色になった雑巾で右へ左へ拭く姿や、使われていないカビの生えていた筈の、清潔な台所で料理を作る様を眺めるようになったのは、確かに津田藤次郎の心境の変化だった。
日が昇って間もない。だからこその明るい暗さは低い明度洗われたカーテンを突き抜けて表していた。開けられた窓から通り抜けようとする風は水色だ。まだ涼やか。ここから昼頃にかけて湿度は上がり風のジメリケも増していく。
あと少しで、ひと月になる。
女が津田藤次郎の目の前に現れ、家に住み着いてからもう少しで一ヶ月になるのだ。
ひと月とは長い物だと津田藤次郎は思っていた。津田藤次郎にとって日々とは無用な物であったからだ。
だが今、蓋を開けてみれば、あっという間だったと言えるだろう。
何故かと言えば、それは全て女へと帰結する。
男は丹精込めて物語を作っていた。
一日の大半を創作へ費やしている。昼も夜も朝と呼ばれる深い夜も、思考し紙に整えて書き出す。そしてそれを女に見せる。それを繰り返していた。
たかが鉛筆の炭如きに躍らされる消極的であり躍動的で生産性のある行為は、須らく、津田藤次郎のナカを消費させる。
腕に作られた傷のように、エンケファリンとエンドルフィンのキスのように、脳が優しく穏やかになり、そして嘔吐のように焼け付く痛みを感じ続ける。それはきっと津田藤次郎にとっての自傷であった。
だがしかし、津田藤次郎の傷は浅い。
それは又しても女の存在によるものだ。女が目を紙に滑らした後の時間が、津田藤次郎にオキシトシンの甘さを舌に擦り付ける。嚥下した後は兎に角美しい世界を感じるのだ。
「先生」
女の声だ。机に鉛筆を置いて振り返った。
女が穏やかな笑みを浮かべているように感じながら、津田藤次郎は女の手元に目を向けた。差し出された手には長方形の青い便箋が握られている。
津田藤次郎は息を呑む。
喉笛に空気が溜まってから下っていき、二酸化炭素に変わる。その息苦しさと空気の生ぬるさが劣化のようだった。
その便箋には大変な見覚えがある。
「お母様からのようです。今朝届いたようですよ。」
「…ああ」
津田藤次郎の母は定期的に手紙を送る。そしてその手紙は常に青色だ。青は清潔であり誠実さを見せる色という言葉が脳に巡る。
そういった様々な母の言葉は、津田藤次郎の中に巡っている。そして事ある事にその言葉は体を縛るのだ。蜘蛛の糸のようにべたつき、ずっと命の危機を感じさせる。
女が持ち場に戻ったのを見て、津田藤次郎は封筒をもう一度見た後に机に向き直った。
何度か瞬きをして気持ちを落ち着かせると封を切った。ペーパーナイフはザリザリと音を立てながら簡単に紙を切り裂いていく。中から手紙を取り出した。
滑らかな肌触りの、これまた青い紙だった。
二つ折りのそれを、真っ直ぐに直して、上から読み進めた。
典型的な手紙だ。
まず挨拶を記し、季節を述べる。そして読み手を気遣ってから本題を述べるのだ。
ただの挨拶だから世辞だった。心配でなく理性的で優しくそれらしい人間を見せる為の言葉だ。
だがしかし、津田藤次郎は胸中穏やかにそれを読み進めることは出来なかった。
少し読み進めた辺りで、津田藤次郎の目が止まった。本当に止まったのだ。
また少ししてから、また動き出す。
まだ小説なんぞを書いておられるのでしょうか。もしそうならば、私はとても残念に思います。昔から貴方は私を困らせてきましたね。母の顔を潰すおつもりですか。子供の頃から貴方は不真面目でノロマでぼうっとしているから、いつも私を困らせてきましたね。ここを、故郷を出ると言った時点で貴方はもう津田を名乗れないのです。先ず、貴方はいつも言葉の要領を得ず、自分勝手で我儘でした。うんと若い子の方が余程覚えも、優しさもあります。貴方に都会など無理に決まっているでしょう。きっと今にでも騙されて泣きを見る目になるのです。いえ、もう騙されている事にすら気づいていないのです。早くこちらに戻ってらっしゃい。
内容が二転三転する、雑草だらけの庭のようにグチャグチャな内容を読んでしまった所為で津田藤次郎はすっかり疲れてしまって、読み終わった頃には手紙を机の上に置いて寝転がってしまった。
肺を膨らませて、酸素が満ちる。
使い慣れていないからか、さして大きくもならなかった。吐き出す。その時一緒に津田藤次郎は己の中の嫌な何かが泥として口から流れ出たような気がする。そう思ってしまえば、その泥はまだ己の中にあると思えてしまって、不快な心地であった。
喜ばしい気持ちが失せて、津田藤次郎は何かをやる気力がすっかり無くなってしまった。
ただ前だけを見る。壁と床の間の隙間を覗くようにして、ぼうっと何も考えず、本当にただ前だけを見る。
すると少しづつその光景に慣れてしまって、今度は思考する。過去を思い出す。思い出される過去は津田藤次郎にとって有害だ。
でもいつもの事だった。
いつもの事である事は津田藤次郎にとって慰めになる。慰められる。
そしていつもの事だから、津田藤次郎はそれが毒だと気がつけないまま、常にその有害性を浴び、心はすっかり弱っていた。
「あら、先生。何を為さっているのですか?眠ってらっしゃるの?」
頭上から声が降ってくる。
津田藤次郎は見上げる事もしなかった。けれども次の言葉を待った。
「眠るのでしたら、お布団をご用意致します。…それとも、少しご休憩なさっているだけでしょうか。」
そう問いかけても黙っているのは、語る気力が無いのと、女にただ喋っていて欲しかったからだ。
だけども女は黙って、そして傍を離れた。
女が離れたのを感じ取って、特段何も感じなかったと思いながら津田藤次郎は目を閉じた。
目を閉じると音は鮮明になる。
それは脳が目という偉大なる機関から手放される事によって発生するやる気のような物で、所謂感覚が研ぎ澄まされるというものだった。
真っ暗ではなかった。
いつも想像する瞼の裏は暗いのに、実際の閉じた目はいつも少しばかり明るい。灰というには白く、色と言うには大雑把だ。
畳を擦る音がして、耳をそばだてた。それは津田藤次郎の真後ろで止まる。
止まって、布擦れの音がする。
「先生、頭を上げてくださいまし」
津田藤次郎が頭を上げると、手が頭を包み込む感触がする。
柔らかでふわふわとした肌は生花の花びらのように吸い付いてきて、人とは思えぬほど冷たかったから驚いてしまって肩を跳ねさせると、女は楽しげに謝った。
冷たさ以上に触られた事にも驚いた事を言わず、津田藤次郎は黙る。
言い様によっては気遣いだった。
頭を上げられて、何かに乗せられる。
それが何か理解した途端、津田藤次郎は激しく動揺した。柔らかい肉の感触、頭上真上から女の笑い声が聞こえてきた。
「膝枕というのをされると、人は落ち着くのですよね。」
頭を撫でられて、少し落ち着く。
津田藤次郎は恥ずかしさを感じながらこれに甘んじる事にした。大人であるという自尊心は傷つくが、それ以上に傷ついている心が、これを望んでいた。
「良い作品を作るには、たまには休まねばならないと聞きます。しっかり休んでくださいまし。」
頬が熱くなると赤くなる。血管が広がり血がより多く流れ巡ると、感情まで荒れるものだ。だがしかし、心というのは起伏が激しい。
先程とは打って変わって冷静な心持ちを取り戻した津田藤次郎は、ため息をひとつ着いて、目を閉じた。
目を閉じて気がついたのは痛みだった。
使い込まれた眼球の奥の方の痛みが不快だった。
「……母さんからの手紙が来た。」
「存じております。」
津田藤次郎は驚いた。ほぼほぼ無意識といっていい行動だった。
女に自ら、己のことを話したのだ。
止めようとは思う。
だけども口は止まらず、喉は揺れて音の乗った空気を吐き出す。
「書くことを、やめろと。恥ずかしいらしい。……俺に才能があったら、母さんは俺を、誇りに思ってくれたと…思うか……?」
津田藤次郎は自分で言葉を吐いて起きながら、恥ずかしくて、情けなくて堪らなかった。なんて弱気な話だ。
これではまるで、親に褒められず拗ねた子どものようではないか。
そして自分の都合的に話すなど正しく子どもだ。もっと、より、対話的に会話をしなくてはならないというのに。
女はその話を聞いて、頷いた。
見えなかったが恐らくきっと頷いて、そしてクスクスと笑いだした。
耳に鈴の鳴るような笑い声が届く。微かなそれに怒ることはしなかった。
寧ろ落ち着きすら感じて、津田藤次郎は漸く肩の力を抜いた。
「いいえ、先生。それは間違っています。」
「……なに?」
津田藤次郎が頭を上げて女の顔を見ようとした時、同時に、女の手が津田藤次郎の頭を包んだ。包んで、頭を上に向ける。女の顔が見えた。
何時見たってぼやけた顔だ。目鼻立ちを感じることは出来ても、正確には分からない。
だが女は津田藤次郎の目をまっすぐ見て、微笑んでいた。
「先生は元から才気あふるる方ですわ。」
離れようとして、離れられなかった。
指一本すら動かず、足が痺れ走ったように疼く。無理やり向いた首の痛みが鈍くなり遠くなっていくのを感じても、津田藤次郎は目の前に集中していた。
笑うな。俺を慰めるな。
心の声ばかりはそう言っても、感情は胸を占め尽くす熱さに浮かれていた。
ライターに触れた。銀色の薄い鉄に重ねた指が熱に溶かされる。形がハッキリする程の熱さが中まで侵食する。いずれ現れるミミズ腫れの予感を感じさせるように。そんな風に、心が。
「そうか。」
焦げる。津田藤次郎は焦げる感触がした。
津田藤次郎は偶に外出する。
干からびた骨のような体に薄い布を被せ隠す。その隠すことを人は着ると言い、その中でも、より華やかだったり淑やかだったり、決めた種類によって飾ることを着飾るという。
人は好んで服を着る。理性的な、賢い動物は己を着飾る。それは往々にして自己表現と呼ばれる。
だから、津田藤次郎は服に頓着はしなかった。
いつも適当に見繕った古いよれたシャツに、毛玉だらけの柔らかいスウェットを被さって、ノロノロと歩くのだ。それで良い。津田藤次郎にとっては、衣服など下手な飾りでしかない。
「あ、先生!こっちです!」
声をかけられた方を向く。津田藤次郎は大きな歩道の端っこから声の主を見た。
喫茶店の玄関口に男が居る。
藍色のスーツを着こなした男だ。真っ黒な髪をワックスで止めている。その格好が、立派で、津田藤次郎は苦手だった。
津田藤次郎は大きな歩道から降りて、それより大きな道路を渡って、向こうの歩道に立った。
男に近づけば、男は人好きのする笑みを浮かべて見てくるので、ゆるく会釈を返す。目尻の皺が寄せ集まって皮の集まりができる。まるで嘲笑っているように感じられた。
「いやぁ、今日は暑いですね。一番熱い時期は過ぎたはずなんですけど、やっぱり、9月くらいにならないと過ごしにくい。あいや最近は九月だろうと暑いですよね。さ、入りましょう。」
男が金色で長いノブを引くと、爽やかな、涼しい空調が飛んできて、津田藤次郎の衣服の隙間から鞣すように入り込んできた。
男の言う事に共感出来なかった津田藤次郎は、この時初めて、外が暑い事に気がついた。気にしてみれば、汗がそこかしこに垂れている。
店員の問いかけに男が「出来れば窓際が良いんですけど」と答えて、連れられていく。
窓際の二人席に着いて、男は上着を脱いで座った。
「いやぁ、毎回こんな遠くまで来てくださってありがとうございます。」
「いえ…そちらこそ。」
「電話で読み上げてもらってもいいんですけど、それだとまた違いますからね。あと先生の字かっこよくて好きなんですよ。何飲みます?」
「……いや俺は特に…」
「僕奢りますからコーヒーにしましょうよ。すみませーん!アイスコーヒー二つ!」
津田藤次郎はこの男が苦手であった。
己を担当する編集者である時点で感謝の念は湧き上がる。
だがどうにも、この強引な感じが、後ろに下がっている津田藤次郎の手を引こうとするようで苦手だった。
なにより、己を担当しているというのが何とも物悲しく感じさせる。申し訳ない気持ちだ。
汗ばんだ肌をハンカチで拭っているのを見ながら、早く終わって欲しいと思っていた。
「早速ですが、原稿見せてもらっても?」
津田藤次郎は、薄塗りの汚れがこびり付いて、皮の剥がれた鞄を広げて、中から紙の塊を掻き出した。
中心に向かって圧縮された紙束は皺だらけで、それがゴロゴロと紙ゴミの音をたてながら、クッション作りの長椅子に放り出された。束を漁る。束を漁って見つけ出したホチキスの芯を頼りに真っ直ぐに治していく。
そして漸く長方形になった原稿用紙を編集に手渡した。それを編集が受け取る。手が熱くなる。紙伝いに体温が伝わったように熱くなった。
この男にも熱さを感じさせてはいないか。
それが異常なまでに不安に感じられ怖くなった。大丈夫だろうか。気持ち悪がられてはいまいか。心拍ばかりが上がって息が減る。
「じゃ、読ませてもらいますね。」
紙を捲る手をぼんやり見つめる。視界が不良だ。雲がかかったように、レンズのズレたカメラのように、なる。
無意識に手を重ね、握った。
渾身の力で書いたという訳では無い。
心を込め、己を微かに削っただけの、愛する作品だ。
一番思い入れがあるのは主人公だった。津田藤次郎からしたら性格の悪い、そして良い輩であった。
紙を捲る音は長くは続かない。
せいぜい10ページ程度の1:√2だ。400字毎に詰められた物語は確かに長い時を消費して存在しているが、所詮は紙上の言葉なのである。風と共に流されていくに過ぎない、儚い現実存在だった。
最後の一枚を捲り、編集は物語を閉じた。まっさらな白を表にし、津田藤次郎の方を向く。
「先生って、なんでプロットの時点で持ってこないんですか?」
その時、津田藤次郎は、ダメだった事を悟った。
まっさらな顔だった。純粋な疑問を持っていると伝える為の愛嬌を込めた表情である。紙から感じとったことがあれば、そんな顔はしない。
そう思って、津田藤次郎は溜息をついた。心臓が抉れるような感覚がする。上昇して、繋がっている太い肺動脈が伸びて引きちぎれようとしている。
「あ、いや、責めてるわけじゃないんですよ。」
「……筋書きはあります。それ以外が書ける気がしないので毎回、短編として書いて、見せています。」
「ですよね。」
編集の男はそれを知っている筈なのに、何故これを聞いたか。
その答えを津田藤次郎は知らないが、なんとなく感じ取ることだけはできた。
津田藤次郎は毎回、短編を持っていく。
そのストーリーの大まかな流れとか、書くべきことなんかを記して、それを見せながらこの物語を説明するのだ。
「正直、これだとダメですね。主人公が怖すぎます。別に怖いのは良いんですけど、ストーリーの内容と主人公とで乖離が起きてて感情移入しにくい所為で、良さが活かしきれてないです。でも先生らしさは結構出てると思います。暗い所とか。」
返された紙を見て、津田藤次郎は瞬きをした後に鞄の中に突っ込んだ。潰れるような音がする。
津田藤次郎は編集の言葉を脳に書き留めながら、腹の中のとぐろを巻いている何かを磨り潰した。
右を向く。
茶色い木枠の向こう側、硝子から色が透けて形がよく見えた。熱気を含んだ光が揺れて、人々に照り返して、木の葉が滲む。つい先程まで立っていた通りに人が少し増えているのに気がついた。
昼時に入ったのだ。見れば店の中も心做しか繁盛しているように思える。
「それなんです?」
編集を見た。
丸っこい爪の太い指が緩やかに指さしていて、今度はその指さす先に目を向ける。
津田藤次郎の隣に転がる原稿用紙があった。丸められたそれが何故原稿用紙だと分かったのかと言うと、割れ目の間に文字が見えたからだ。
「……趣味で書いてる物です。」
「へ〜前は書いてませんでしたよね。意外です。」
「まぁ……」
女に見てもらう為の物を、ついうっかり持ってきてしまった。
津田藤次郎は隠すようにそれを持ち上げ、鞄の中に入れようとした。
入れようとしただけで、入れる事は出来なかった。
待ったをかけられたのだ。
「読ませていただけませんか?先生が好きに書いた小説、読みたいです。」
津田藤次郎は気の抜けた声を返して、じっと目を見つめた。楽しげな目だ。
津田藤次郎は目が嫌いだ。
目は雄弁に語るのに、その語る内容は受け取り手によって変わる。自由さが憎らしい。特に楽しげな物は心を揺らすから嫌いだ。
だが己の小説だとか、そういった物で楽しげなのは良い。好ましく感じる。心底好ましい。
「……好きに書いたという訳では…」
「どちらにせよ読みたいです。」
分かりやすく破顔した編集に絆された訳では無い。勿論、読みたいと言われた事が嬉しかった訳でも。
津田藤次郎はそう思いながら、クシャクシャの紙を丁寧に伸ばして皺を取った後、順番に並べて渡した。
束にはなっておらず、だからこそ捲る音はしなかった。
紙を掴んだ時に現れるかさついた音が、物語を読んでいる事を感じさせた。
編集の眼球が下へ滑り一気に上に上がる様を眺める他に、津田藤次郎はやる事が無かった。興味がそこに注がれて、窓の外を見ない。柔らかな閃光のような日差しがテーブルに乗り上げて、少しづつ、編集に被さろうとしている。
「これめちゃくちゃ良いですね。」
「えっ?」
紙の縁を整える為に机に打ち付けている編集の言った言葉は、津田藤次郎を動揺させるには十分であった。
「先生の良いところ全部詰めてて気持ち良い世界観なのに、癖強くないから読みやすい。すごい良いですよこれ。こっちでいきません?」
「い、いきます。」
あ、これ預かっても?どうぞ…ありがとうございます。また電話しますね。あ、もうこんな時間だ。今日はありがとございました。あそうだったお土産いります?ちんすこう
目の前にはもう誰もいない。
編集は三十分前に、津田藤次郎が女の為に書き上げた物語をファイルに入れて鞄にしまって出ていった。
津田藤次郎はぬるくなった珈琲を飲んで、グラスを置いて、もう一度飲んだ。
苦味が舌に残り嚥下すると香りだけが残る。
褒められた事が無い訳では無い。
編集の男はよく、津田藤次郎の可能性を信じていると言うし、さっきだって、良さを生かしきれていないと言っていた。良さがあるということだ。
女のお陰だろうか。認められたのは。
津田藤次郎は鞄の中を整理して、立ち上がった。
二話もありがとう 水面
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