第15話 外来聖女のお披露目

サイコ聖女は二・三日に一度城内を練り歩く。一度馬場にも来た。


そのときはジャンプで遊んでいる時で、ベール越しに目が合って笑ってしまった。


その後、魔法の訓練を休んでジャンプを教える事になった。わたしが普段乗ってる馬は皆ジャンプができるからそれに乗ってもらい、馬丁さんがそれぞれのハードルのそばに立って、高さを変えてくれた。


ちなみにこのハードルは宰相さんを通して作ってもらったの。聖女としての恩恵をね、貰っているの・・・


サイコさんはコツをすぐ飲み込んで上手に乗りこなしている。落ちたらどうしよう・・・・地元聖女を呼ぼうと思っていたけど、余計な心配でした。


サイコさんはわたしが筋力をつけて馬に踏み台なしで乗っているのを見て、褒めてくれた。


よじ登ってるんだけどね。あと馬を乾かすのに使っている風魔法も操作が繊細だと褒めてくれた。


次回は訓練場で思い切り使ってみろと、けしかけられた。望む所なので了解した。



そのうち、サイコさんの馬にジャンプを教えて欲しいと言うので、馬を見てから決めると返事をした。





さて馬場は大変やかましい。サイコさんとの約束の前に軽く乗っておきましょうと並歩、速歩と楽しく乗っていたら、やって来ました。地元聖女御一行。


「邪魔だどけ」の一言が出ました。今日は軽く乗っているのでどってことない。それで一言いななかせると立ち上がらせた。それからどかどかとそいつらの前に行って上から見下ろした。埓があるからこれ以上は行けないが・・・・


「邪魔だと言ってるだろう!!!」の声と共に横っ飛びをさせ、制御不能の振りをして埓を飛び越えた。


それからそいつの前で立ち上がらせた。がんばれ、あと二秒・・・と元に戻りロデオで頑張る。


そこに馬丁さんが出てきて押さえてもらって止まる。そこでじーーーと見下ろしてにやっと笑うと騎乗したまま洗い場にはいった。



「いやぁ見事でした」と囁かれた。



今日の聖女さんのお相手が横に立っている。おとなしいいい子が選ばれている。可哀想に・・・・


そこにサイコさんが変装してやってきた。女装じゃなかった。


「今日はやめましょう」と言うとうなづいた。


二人でサイコさんの馬の方に行った。前に遠乗りで一緒だったから顔見知りだし、ワイロも渡しているから機嫌よくさわらせてくれる。


乗って見ないとわからないけど、行けそう。彼にはまだ言わないけど・・・・・


「所で、聖女のお披露目の夜会を開くことになった。マリコも出てもらう」


「えーー?いやだ」


「王の遠縁で行儀見習いだろ。結婚相手を見つけに来てるに決まってる」


「えーーーー」


「もう、ドレスも作り始めてるが、正確な寸法が欲しいそうだ。いつ部屋に行っていいか問い合わせが来るからちゃんとしてくれ」


「いいわよ。サイコさんのドレス素敵でしょうね」


「あぁ見事なドレスを作る」


「た・の・し・み」


「聖女様にはかないません」


私たちが厩舎で話している間も馬場はうるさかった。馬が心配だ。

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