第14話 サイコさん最高です
訓練場でわたしは火の玉を全力で作り的に向かって投げる。投げる。投げる。わたしは高性能のバッティングマシーンなのだ。
次に水の玉を投げる。投げる。それから火の玉と水の玉を交互に続けて投げる。っと思いついた。
自分の投げた玉に次に投げた玉は追いつけるか?
なんと崇高な命題!!なんてアホな事を考えずに体を動かしましょう。
・・・・・体力が尽きた。魔力はまだあるけど・・・・・だが、いい事が閃いた。
「ねぇサイコさん、お願いがあるの」
「なんでしょうか?聖女様」
「あのね、異世界の聖女の存在を明らかにして欲しいの」
「それはいいですね」と答えると目で続きを促してくるので、たっぷりと溜めて
「だってせっかく費用をかけて召喚したのになかったことになんてさ、よくないでしょ?」
「お披露目しますか?」
「好きな時に」
「いいんですか?」
「もちろん」
「・・・・理由を」
「さっきも言った通りよ」
「それでは、さっそく宰相と国王に・・・・マリコさんはドレスの準備を」
「やだ、わたしは関係ないわ」
「・・・・理由を」とサイコさんが警戒しはじめた。
「サイコさんが顔を隠して聖女をやるの。どうそれだと問題ないでしょ。あの時、あの場所にいた人達は聖女の顔をあんまり覚えてないと思うのね。つまりわたしの顔と聖女が結びつくのはケイトさん、王様、宰相閣下とサイコさんそれでこの四人のなかで適任はサイコさん」
「お披露目の時に魔法をばんばんとさ。サイコさんにしか出来ないでしょ」
『サイコさんの魔法を見たら地元聖女も引っ込むよね』
「お披露目は皆さんで考えてやって下さればいいから、とりあえずは外来聖女としてお城をうろうろして欲しいですね。サイコさんは身の安全は完璧に守れるでしょ」といい気になってわたしは言いました。
その結果、中庭で聞く、噂話は外来聖女一色になりました。ベールで顔と髪を隠して無言で歩く聖女様、護衛も選りすぐりの見目麗しいのを連れて城内を歩き回る聖女様。
二人の地元聖女は、王子との面会を希望したり、後を追い回したり神殿も乗り出して、王子たちを神殿に招待したり城内はおもしろいことになっている。
そして、なにやら忙しくなった地元聖女は馬どころではは、なくなったみたい。よかったゆっくり馬と遊べる。
大事にしていてもおじいさん、おばあさんの馬はどこかが少し故障したりする。わたしはそれを回復させている。
光が漏れる事がなくなり、厩舎で堂々と回復魔法を使うと当然、うまくなってきた。
人にもやってみたいけど、それは面倒を呼びそうだし、地元聖女が二人もいるからわたしがやらなくてもいいからやらない。でもちょっとやってみたい。
どこかに転んで泣いている子供はいないかしら。
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