第9話 聖女の事情
わたしが馬と魔法の国で過ごしている間に、この国生まれの聖女さん。
一人はローズ・オリエント伯爵令嬢。もう一人も伯爵令嬢でドロシー・ハヌマン
この二人が王宮に住むことになり、使用人を引き連れてやってきた。
異世界からの聖女召喚は否定されているけれど、なかなか消えないから、その聖女に王太子妃の座を奪われては大変と、乗り込んで来たと侍女さんたちがうわさしている。
その異世界の聖女さんがここにいるとは思わないよね。わたしはちょろい主人と思われたようで・・・・誰かの遠縁で田舎から出てきた世間知らずだから・・・・その誰かが国王だけど、公じゃないのかな?
ちょろい主人のいる所に、他の部署の侍女さんがやって来てはお茶を飲み、お菓子を食べながらうわさに興じる。
うわさレベルだけど、情報が集まるようになった。
王子三人のうちの一人、ジュリアスさんは僻地勤務になったから、残った二人のどちらが王太子になるが、どちらがなるか、まだわからないらしく地元聖女さんは的を絞れないみたい。
だけど #獲物__王子__#と 競争相手の近くにいれば、お互いの動向がわかって邪魔もできるって事だと想像できる。
まぁわたしには関係ない話しだから、どうでもいいけど・・・
さて、今日も馬場でお馬さんと戯れる。馬はいつも同じ馬って事はないけど、年寄り馬ばかり。一応配慮してくれているようだ。
それにいつも埓に乗ってからよじ登るわたしの為に、馬丁さんたちが踏み台を作ってくれたのだ。
踏み台はもうひとつ合って、これはお手入れ用で馬の背中にブラシをかける時に使っている。
魔法の練習も続けている。訓練場は相変わらず貸切で、いつも全力で魔法を飛ばしている。
狙いもよくなってきた。これは自分の部屋で練習したのだ。布でいろいろな大きさのボールを作って的に当てるって方法。的も最初はベッドの枕。今は壁紙の模様の小さな葉っぱとか花びらの端っこ。
重さのない物を魔法を使わずに投げているけど、急にスピードがでるようになって・・・・それで庭で敷石を投げて、それからこのボールを投げたら、ボールが敷石を投げた状態で飛んで行って、うへって・・・・・多分、無意識に魔法を使っていると思うけど・・・・これはサイコさんに内緒で鍛える事にした。
だってね。身を守るってこう言うことよね。
はっきり言ってわたしはお城を出たくない。だって快適ですもの。最初に生活の保障をして貰ってるし、お小遣いと言うかお金も毎月貰っている。それを使わないで生活できているし・・・・手放したくない。
でも #無料__ただ__#より高い物はない。なにかを要求される日が来るかも知れない。その時はがんばってお仕事して飼っててよかったと思われて、引き続きここで安穏と暮らし続けたい。
多分、要求されるのは世界樹のお世話だよね。庭いじりに興味はないけど、体力と魔力が要りそうだから準備だけはね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます