第8話 乗馬

さて、今日は乗馬の日だ。見習いのお嬢さんが気まぐれで馬に乗りに来る、ちょっと迷惑って思ってそうだから、一応手土産を持って早めにやって来た。


やはり、冷たい目で見られているが、馬の可愛さですべて帳消しだ。今日わたしが乗るのは、半分引退したおじいさん馬。こちらの馬は軍馬だからか、世紀末の馬に見える。踏み台でもちょっと難しいので、埓にあがってからよじ登った。


基本ほったらかしだから、いつもクラブでやっているように御してみる。するとベテラン馬だ。ちょっとした体重移動と言葉で・・・・先生は馬は言葉がわかりませんってすまして言ってるけど、馬はわかるのよね。


並歩もすごく綺麗で円も綺麗に描けた。速歩も軽速歩もばっちり。駈歩も安定。ゆっくり駈けてくれる。


フライングチェンジはむずかしい。もしかしたらこちらではやらない技術?まぁわたしも習っただけだったし。


終わる頃にはしっかりハミを受けてくれた。泡を吹くまでは行かなかったが、ダウンでゆっくり歩かせて止まってから、また埓を利用してもたもたカッコ悪く降りた。


終わって洗おうとしたら止められた。信用できないって事ね。見学させてもらった。


最後に拭くのを手伝ってあっ風魔法があればいいと思った。次は風魔法をみてもらおう。



翌日は筋肉痛でおかしな歩き方で笑われたが、むさくるしい男に笑われたくらいどうってことない。


馬場で安心できるようになったので、外で乗りたいと希望を出したら、護衛と一緒ならと許可が出た。護衛は誰だろうと思っていたら、団長のサイコさんでした。


飲み物をそれぞれ持って、おおまかに道を教えてもらって出発した。行きは道がわからないのでサイコさんの先導で飛ばした。


最初から飛ばしてるけど、おじいさん馬は力強く駈ける。ちょっと面倒なのが乗せてもらわないとひとりで乗れないことだ。


少し筋トレして自力でよじ登るか、飛び上がれるようになりたい。


途中、休憩した所で、サイコさんに相談したら魔法とやはり体術が必要だろうと言うことで、そちらも習うことになった。サイコさんに・・・・・


そして目的地の湖についた。湖のまわりをぐるりと一周する道は迷いようがないから、わたしが先導で飛ばした。


思い切りとはいかないが、速く走ったり、速度を落としたり目をつぶってみたり・・・・すごく楽しかった。


走っているとテントが見えた。お城の人たちがお昼の用意をしてた。


馬から下ろして貰って地面に足をつけるときすごく気をつけた。まえに何の気なしに降りて、地面にへたりこんだことがあるのだ。腰が抜けたって事らしい。


すぐに立ち上がれたけど、心なしか馬が馬鹿にして見下ろしているようで凄く腹が立った。


ってことで降りるときは注意して降りるようにしている。



でもさすが、お城だ。食器も食事も素敵だった。サイコさんも護衛の騎士もそれぞれイケメンで、一番素敵なのはお馬さん。




帰りはひとりで乗ってる気分を味わいたいので、わたしが先頭をひとりで行った。


護衛の一人が前にいるのは知ってるけど、気分は一人よ。道連れは風だけさ・・・・・


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る