第3話 情報は大事
お城暮らしはとても快適だ。美味しい食事ときちんと整えられた部屋。豪華な図書館。言葉も読み書きに不自由はない。
図書館にある聖女とか聖樹の本を読んでみた。そしていろいろ確認したい事があり、あの三人に連絡をとってもらった。
やってきたのは宰相だった。
「お久しぶりです。宰相閣下」
「ヤマモト様、お久しぶりです」
「「お元気なようでなによりです」」
ハモってしまったが、挨拶がすんだのでさっそく
「わたしは聖女だと確定していますか?」
「はい、異世界から来ていただいた聖女です」
「能力はなにも示していませんが聖女ですか?」
「はい、聖女です」
「聖女はわたし一人ですか?」
彼は迷っていたようだが
「実はこの世界に生まれた聖女様がいます。二人」
ピキっと怒りが沸いたが抑えた。だってそうでしょ。だったらわたしを呼ぶ必要ないじゃない。
「お二人共王太子妃、王子妃となると大抵の貴族、神殿もちろん本人もご家族も思っておりますが、王宮として何も発表しておりません。そして・・・その今回の召喚を行った第二王子は魔力、能力の高い異世界人を招く事で勢力を広げようとしました。神殿長もです。そしてその聖女と結婚すれば王太子になれると考えた」
「神殿長と神官長は別の役職ですよね」相手の反応をみて付け加えた「どっちが上ですか」
「役職的には同等。聖女二人を有する神官長の勢力が上です」
うへだ。ここまで聞いただけでうへっとなった。
高級リゾートだとへらへら喜んでる場合じゃなかった。情報を把握して身を守らねば・・・・
「王子三人は一応、フリーで聖女二人もフリーだけど、聖女は王室に入りたい。もっと言うと王太子妃になりたいで
「はい」
「わたしはフリーですね。王室の保障のあるフリーですね。わたしは公式に発表された聖女ではありませんね」
「・・・・はい」
「すべて、はいですね」
「作用です」
「教師の手配をお願いします。一般常識でいいのかな・・・それと魔法を習いたいと思います。他に乗馬・・・・」
「承知しました。魔法は明日からでも魔術師団の団長が教えます」
「えーーとインフェル・サイコって名前でした?」
「そうです、彼です」
「お願いします」
「あと、国王陛下は夫人が複数いるんですか?」
「はい、第二王子の母上は側室です。辺境伯のご令嬢です」
「第一王子と第三王子は同じお母様から?」
「いえ、第一王子は側室腹ですね、侯爵令嬢です。第三王子は王妃様の・・・・」
「王子は三人ですか?」
「はい、そうですね」
「一人の王子が聖女二人と結婚する可能性は?」
「それはありません」
「王太子に一番近いのは?」
「お答えできません」
わたしたちは話しはそこまでとし、その後はお茶とお菓子を楽しんだ。
その夜、サイコ様から伝言が届いた。
「明日、十時に魔術師団訓練場で」と簡単なメモだった。
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