第2話 召喚先は高級リゾート
落ち着いた気持ちいい部屋で彼女とわたしは向かい会って席についた。
「びっくりされたでしょう?いきなりこの世界に召喚されてしまって。わたしは女官長のケイトと申します」
「えぇまぁ、冗談ではなくここはどこですか?今は何年ですか?」
「そうですね。リンバロスト王国といいます。何年っていうのは神殿の暦では今は、888年国の建国は300年位神殿はそれより古くから存在してますね。この国ができる前は小さな国がいくつかあったようですが・・・・正式な歴史は存じません・・・・」
「そうなんですね・・・・神殿ってさっきのじじいのところですか?」
「えぇそうですね・・・・お茶をもう一杯いかがですか?」
「いただきます。お菓子はどれも美味しいですね」
「なんだか私のことを聖女様って呼んでましたけど・・・それはなんですか?私、そのへんの子ですし、なにか能力とかないですよ」
「そのことはわたくしの口からの説明はむずかしいですね。異世界からいらしたのは確かですが、異世界からいらした方はとても能力がお有りですので・・・・・あっお名前も伺いませんで・・・」
「そうでしたね。ヤマモト・マリコと言います。ヤマモトが家名です。こちらの言い方はマリコ・ヤマモトですか?」
「そうですね、マリコ・ヤマモトがこちら風ですね、ヤマモト様、大切に致します。そのお力を貸してくださいませ」
「・・・だからなにも能力はないって・・・」
「そうでしょうか?」
と話をしているとノックの音がした。
入ってきたのはメイドさんだ。服が可愛い。彼女も綺麗にわたしに礼をとるとメモを女官長に渡した。
「ヤマモト様お部屋の準備ができたようです。一晩お部屋でおやすみになって明日、皆様とお話になってください。着替えなども準備できております。それと窮屈かと思いますが護衛の騎士もきておりますので一緒にお部屋に・・・」
「わかりました。わたしのことはマリコと呼んでください」
「ありがとうございます。マリコ様」
「様はなくても・・・・」
「いえ、マリコ様で・・・・」
「・・はい」
部屋にはすでに侍女が二人いた。必要ないと断ったが、女官長に説得されて侍女を部屋に置くことを承知した。いやぁ疲れてどうでもよくなったし。
そしてちょっとベッドに横になると、そのまま寝てしまい、見知らぬ天井を見たのは翌日の昼近くだった。
身支度をして朝昼兼用の食事をすませた頃、客が来ると連絡があった。
やってきたのは国王と宰相と魔術師団団長だった。おぉいきなり責任者が来るとは。
まぁ話が早いからいいけど。
そこで確認したことは
わたしがが帰る手段はない。魔王を倒そうが、瘴気を払おうが帰れないってことね。
召喚の儀式は神殿と第二王子がこっそりとやったことでここにいる者は知らなかったこと。知らなかったとはいえ責任は取る、それは生活と安全は守ると言う事・・・・不満はないかな。
マリコに聖女の義務はないが手助けして欲しいらしい。なんでも聖樹を守って欲しいらしい。この国の何箇所に聖樹があるので、見回ってくれると嬉しいとか助かるとか・・・・
聖女召喚は一応秘密だが、うわさにはなるだろうが、誰が聖女かはわからないから、安心していいらしい。
黒い髪、黒い目は聖女の特徴ではないらしい。わたしは国王の遠縁の親戚で社会見学で城に来ているお嬢さんとして扱うそうだ。
まぁ好きに過ごしていいと言うことらしい。図書館にも行けるし街にも行っていいそうだ。
高級リゾートホテルにお泊りしてると思えばいいね。ってことでわたしはにこにこして客を送り出した。
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