【アワード番外編】『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』
実況「え、まだ番外編が続くんですか?」
解説「はい。ちょっとだけですが、これだけは紹介せねば、という漢和辞典がいましたので、あと一回だけお付き合いください」
実況「それならしょうがないですね。一回だけですよ。で、なんていう漢和辞典ですか?」
解説「サンルイ・ワードバンク出版の『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』です」
実況「漢ぺ??? え、なんて?」
解説「『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』ですね」
実況「とりあえず初めて聞く出版社と漢和辞典です。っていうか、漢ぺき君ってなんですか?」
解説「検字方法ですね」
実況「検字方法??」
解説「実はこの『漢ぺき君で引く(略)漢字辞典』は部首順でも五十音順でもない第三の勢力!」
実況「ここへきて新たな勢力が……? じゃあ、何順なんですか?」
解説「漢ぺき君順です」
実況「だから漢ぺき君ってナニ!?」
解説「だから、検字法ですね」
実況「そこのところを詳しく! 全然分かりません」
解説「漢ぺき君は、漢字それぞれに誰でも分かる、しかし読みでも部首でもない見出しをつけることで見出しから漢字を探すことができる、という独自の検字法です」
実況「見出しをつける? どういうことですか、それ」
解説「あれこれ説明するより例を見た方が早いですね。『強』という漢字で漢ぺき君をしてみましょう」
実況「はたして漢ぺき君とは」
解説「『強』という漢字は『
実況「んんん?」
解説「続いて『指』という漢字を漢ぺき君してみましょう。『指』は『
実況「え? え? え?」
解説「もういっちょいきましょう。『午』は特に分解はできないので、『午』の音読み「ご」と「うし」で『ご・うし』が見出しとなります」
実況「は? は? は?」
解説「とまあ、このように、漢字を分解して分かりやすい要素にし、その読みの文字を三文字の見出しにすることで漢字を探します」
実況「え。これ、めっちゃ特殊な技術では?」
解説「まあ。慣れないと戸惑いますが。説明を省いただけで、見出しをつけるルールがちゃんとあるので、なんとかなるようなならないようなぎりぎりなるかならない感じです」
実況「なんとかなってないですね」
解説「マスターするのは、ちょっと時間かかるかも、ですね」
実況「これは、なにかメリットがあるんですか?」
解説「えーと。とても面白いですね」
実況「面白いだけですか」
解説「一応、索引を使わないで引けるので簡単楽ちん、という目的で作られた漢和辞典です」
実況「五十音順の漢和辞典で散々やったやつ、それ。しかも、言うほど簡単楽ちんじゃなかったやつ」
解説「でも、こういう試行錯誤や新しい試みも必要ですからね」
実況「漢和辞典って進化してるんですね……」
解説「そうなんです。なにげに特許のデータベースで漢和辞典関連を検索すると、未知の検字法とか索引がヒットします」
実況「えぇー……」
解説「あんまり実用化されてる感じはありませんが、いろいろ研究開発されてるんですね」
実況「実用化されないと意味がないのでは」
解説「ともかく、そんななかで、漢ぺき君は実用化までされた有為な漢字検索法といえるでしょう」
実況「世の中にはいろんな漢和辞典があるんですね」
解説「ちなみに、オンラインにも漢ぺき君検索はありますよ。使い方の詳しい解説もあります。興味のある方はぜひご覧ください」
サンルイ超早引き漢字検索サイト
https://sanrui.co.jp/
実況「使いこなせたら便利……なんですかね」
解説「そうですねえ。使ってみても、やや不可解な部分があるので。どうでしょうねえ」
実況「不可解ですか」
解説「はい。漢ぺき君のルールに、見出し三文字のうち一文字目は部首の読み、二文字目三文字目は旁の読み、というのがあります」
実況「はあ」
解説「なので、例えば『翔』を漢ぺき君した場合、部首が『
実況「違うんですか?」
解説「『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』で引いてみると、見出しは『よ・う・は』なんですよね。『翔』は部首羊なんですか……?」
実況「うーん、細かい。でも、そういう微妙なズレが引きづらさになりますよね、漢ぺき君」
解説「というわけで、なんか面白い検字法と漢和辞典があるよという紹介でした」
実況「まあ、確かに面白かったです。が」
解説「……が?」
実況「いつの間に『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』を買ったんですか!!!」
解説「ひゃー(゚∀゚)」
☆『漢ぺき君で引くサンルイ・ワードバンク現代漢字辞典』山田博 他 編集[サンルイ・ワードバンク株式会社]2006/10
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