三省堂『全訳 漢辞海』
実況「三省堂の上級漢和辞典『漢辞海』ですね」
解説「発行が2000年で、上級漢和辞典の中ではもっとも新しい辞書です」
実況「辞書氷河期と言われる00年代に新たな上級漢和を出せるところがなんとも四天王ですね」
解説「2006年に第二版、2011年に第三版、そして2017年に第四版へ改訂しています」
実況「5,6年スパンで改訂する三省堂スタイルですね」
解説「ということは? 第五版は2023年に出ていてもおかしくないですね? 今年こそ来ますかね?」
実況「そんなこと聞かれても知りません」
解説「秋頃に期待しつつ待ちましょう。そんな『漢辞海』の最大の特徴はやはり例文の豊富さです」
実況「熟語も多かったですよね」
解説「さらに語法解説も豊富で、なりたち解説も古典引用。字義は明記した品詞ごとに解説するなど、漢籍を読むためというスタンスのはっきりした漢和辞典です」
実況「『新明解 現代漢和辞典』とはそういうところが違うんでしょうね」
解説「親字数は『新字源』に次ぐ多さです。ただ、その割にはナメク字レースではちょっとヘタレだったので、もしかすると掲載漢字もちょっと他とは変わってるのかなと思いますが、実際のところは分かりません」
実況「その辺はナメク字だけでは判断できないですね」
解説「あとですね、さすがは辞書の三省堂というべきか、ページの見やすいところに部首・部首内画数・ページ掲載漢字があって、非常に引きやすい漢和辞典です」
実況「インデックスも部首画数ですし、直接部首引きを想定して設計していることが分かりますよね」
解説「一般社会人で趣味で漢籍や漢詩を読むかたに是非ともおすすめしたい古典向け漢和辞典ですね」
実況「学生さんや専門研究者にはおすすめではないんでしょうか?」
解説「十分使っていただけるかと思いますが、他にもっとぴったりな辞書もありますし、一番にすすめるというほどではないかな、と思います」
実況「ちなみに、たかぱしさんは『漢辞海』は二冊持ってますね?」
解説「第二版と第三版ですね。最新の第四版は持ってないです(´・ω・`)」
実況「全部揃えようとしなくていいです。その二版と三版っていうのは大きく違うんですか?」
解説「解説なんかが増補されてるようですが、そこまで大きな違いは感じないですね。最終的にページ数も増えてないです」
実況「微妙な改訂ですね。やっぱり特に揃える必要なさそう」
解説「まあ、たかぱし的にも、たぶん『漢辞海』持ってることを忘れて古本屋で買っちゃって、帰ってみたらかろうじて版が違ってて良かった的なやつです」
実況「危ないなぁ。いやでもじゃあ、『新字源』改訂版が二冊あるのも……?」
解説「いえ、あれは使う用と保存用で意図的に買いました」
実況「保存用とか買うのやめろ」
解説「それはともかく」
実況「おいとくな」
解説「秋に第五版が出たら買いたいですね」
実況「三省堂さんは出すと言ってませんから。不確かな情報を垂れ流すのはやめてください」
解説「最後に三省堂『全訳 漢辞海』最大の謎を紹介しましょう」
実況「はい? 最大の謎、ですか?」
解説「はい。実は『漢辞海』第四版のキャッチコピーは『進化を続ける「小さな大漢和」!』なんです」
実況「えっと、それが?」
解説「『大漢和』と言えば、大修館の『大漢和辞典』」
実況「ええ、はい。大修館の」
解説「三省堂の『漢辞海』のキャッチコピーが『小さな大漢和』。……大丈夫なの、これ??」
実況「……大丈夫だから使ってるんだと思いますが……なぜそれにしたんでしょうね」
解説「そんな『進化を続ける「小さな大漢和」!』な『漢辞海』はきっと今年最新版を出してさらなる進化を見せつけてくれるでしょう!!」
実況「無理しないで三省堂さん!」
株式会社三省堂『全訳 漢辞海 』
漢字充実度★★★☆☆
解説充実度★★★★☆
読みやすさ★★★★☆
初心者おすすめ度★★★★☆
玄人おすすめ度★★★☆☆
引きやすさ★★★★☆
お値段★★★☆☆
トータル25点
【↑たかぱしの主観により評価しています】
漢字充実度:親字・熟語・ナメク字が多いものほど評価が高い
解説充実度:解説が丁寧・豊富なものほど評価が高い
読みやすさ:紙面デザイン・文字サイズ・簡潔さにより読みやすいものほど評価が高い
初心者おすすめ度:初心者でも使いやすい工夫の多いものほど評価が高い
玄人おすすめ度:専門知識や漢字オタクを満足させる情報が多いほど評価が高い
引きやすさ:たかぱしが引きやすい!と感じるもの
お値段:当時の販売価格でとにかく安ければ高い
トータル:★ひとつにつき1点
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