三省堂『明解』『新明解』『新明解現代』
実況「次は新明解シリーズですね」
解説「はい。三省堂の『明解漢和辞典』『新明解漢和辞典』『新明解現代漢和辞典』という、実は全然シリーズにはなっていない新明解シリーズです」
実況「その辺りの話は部首のところで聞きました」
解説「というわけで、それ以外の話ですね。エントリーしている『明解 漢和辞典 新版』は実はA6サイズ、ハンディより一回りコンパクトなポケットサイズです」
実況「発行は昭和34年、つまり1959年ということですから、これまた古い漢和辞典ですね」
解説「そうですね。文字が小さくて詰まっていて一色刷りというスタイルは、現代人にはなかなか厳しいですし、敢えてこの古い漢和辞典を買いたいと思う人はいないでしょうかね」
実況「まあ、いないと思います」
解説「でも、実は中身はシンプルに読みと字義と日常熟語が載っていて小さくコンパクトで軽い、というこの明解漢和辞典は、ちょっとカバンにいれておいて、ささっと意味を調べるのには最適です」
実況「ポケットサイズの面目躍如ですね」
解説「そして『新明解漢和辞典』が出たのが1974年。第二版が1981年、第三版が1986年、最後の第四版が1990年に出ています」
実況「小刻みに改訂してますね」
解説「そうですねえ、やや多いですが、三省堂はこんなもんです」
実況「角川が少なすぎでしたね」
解説「『新明解漢和辞典』は以前紹介した通り、部首立てが非常にユニークで、部首の知識がなくても形の見た目から引くことができる辞書です」
実況「部首がたくさんあるんですよね」
解説「そのためご家庭向けに、とお勧めしてきましたが」
実況「え、はい?」
解説「実は中身はハードな上級者向けな感じです☆」
実況「おおっと」
解説「結局、誰に使ってほしい漢和辞典だったんでしょうね」
実況「新明解シリーズが『新明解現代漢和辞典』へシフトしたのも自然な流れだったのかもですね」
解説「その『新明解現代』は2012年の発行です。中身は『新明解』とはまったく違い、むしろ例解シリーズの上位版になっています」
実況「その中身の微妙な違いがよく分かりません」
解説「まあ、特に気にしなくていいんですが。問題は三省堂漢和辞典の中での『新明解現代』の立ち位置がよく分からないことですね」
実況「立ち位置が?」
解説「三省堂として上級漢和辞典は『漢辞海』があり、標準漢和辞典は『三省堂漢和辞典』があり、初級漢和辞典に『例解新漢和辞典』が、小学生向けに『例解小学漢字辞典』が、そして五十音引きなどのユニーク漢和が多数ある。で、『新明解現代』はどこに入れたい漢和辞典なのか……」
実況「まさかの『誰向けか分からない』新明解の性質はばっちり受け継いでいる……?」
解説「標準である『三省堂漢和辞典』が絶版っぽいので、その辺りへ入れたいんですかね、とも思いますが、中身的にもちょっと謎です」
実況「さすが四天王。きっともうそういう次元で辞書を作ってないんでしょうね」
解説「そんな新明解シリーズ最大の特徴は、実はスリムで軽いことです」
実況「まさかそんなところに特徴が?」
解説「さらに無駄な配色もなく、『新明解現代』は非常に読みやすい紙面です。学生さんが社会人になってからも手元に置き続ける一冊におすすめです」
実況「長く漢和辞典を使いたいと思っている新高校生のみなさん、ご検討ください」
株式会社三省堂『明解漢和辞典』
漢字充実度★★★☆☆
解説充実度★★☆☆☆
読みやすさ★☆☆☆☆
初心者おすすめ度★★☆☆☆
玄人おすすめ度★★★☆☆
引きやすさ★★☆☆☆
お値段★★★★★
トータル18点
株式会社三省堂『新明解 漢和辞典』
漢字充実度★★★★☆
解説充実度★★☆☆☆
読みやすさ★★☆☆☆
初心者おすすめ度★★★☆☆
玄人おすすめ度★★★☆☆
引きやすさ★★★☆☆
お値段★★★★☆
トータル21点
株式会社三省堂『新明解 現代漢和辞典』
漢字充実度★★★☆☆
解説充実度★★★★☆
読みやすさ★★★★☆
初心者おすすめ度★★★★★
玄人おすすめ度★★★☆☆
引きやすさ★★★☆☆
お値段★★★★★
トータル27点
【↑たかぱしの主観により評価しています】
漢字充実度:親字・熟語・ナメク字が多いものほど評価が高い
解説充実度:解説が丁寧・豊富なものほど評価が高い
読みやすさ:紙面デザイン・文字サイズ・簡潔さにより読みやすいものほど評価が高い
初心者おすすめ度:初心者でも使いやすい工夫の多いものほど評価が高い
玄人おすすめ度:専門知識や漢字オタクを満足させる情報が多いほど評価が高い
引きやすさ:たかぱしが引きやすい!と感じるもの
お値段:当時の販売価格でとにかく安ければ高い
トータル:★ひとつにつき1点
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます