File.110 ため息(教育委員会視点)
数日前、私達教育委員会にとある電話がかかってきた。その電話を担当したのは私で同僚や先輩は先に食堂にご飯を食べに行っていたタイミングでの対応だったため正直気だるかった。
いつも通り、何かしらの苦情が来たのか…それとも発注のお願いなのか分からなかったがとりあえず出ることにしたのだ。
『もしもし…そちらは教育委員会の職員の方であっていますでしょうか?』
「はい…そうですね」
『ひとつ教育委員会に言いたいことがありまして…お昼時ですみません』
「いえいえ大丈夫ですよ!!それで言いたいこととは?」
『最近転校したばかりの学生なんですけど、どうやら転校前の学校は相当まずいことをしているようで…調査をしていただけませんか?』
「え〜っと…とりあえず何処に転校したのかと、転校前の学校名を教えていただけませんか?」
『転校したのは永明ですね…転校前の学校名は言わなくても分かると思いますよ』
「えっと…転校先の学校さんは把握したんですけど、転校前の学校も言っていただけないと対応するにも困るんですけど…」
『最近悪い意味で有名になってる学校ですよ…一時期はとある人のお陰で有名になった高校なんですけどね?』
「あ〜!!もしかしてあの高校ですか?」
『おそらく想像しているところで大丈夫かと…それで具体的な説明に移りたいんですが大丈夫ですか?』
「よろしくお願いします。それとお名前を伺ってもよろしいですか?」
『名前ですか?名前は菊池です。』
「すべての高校を把握しているわけじゃないから下の名前を知っているわけじゃないんだけど…もしかして菊池翔太くん?」
『知ってくれてるんですね!!嬉しいです!!』
「甲子園に出てたじゃないですか!!格好良かったですよ!!」
『それは過去の栄光ですよ…少し前までは犯罪者なんて言われてましたから』
「その事件については本当にお悔やみ申し上げます…最近の生活は大丈夫ですか?いじめられたりしてませんよね?」
『永明は学力などの成績じゃなく性格なんかで判断しているだけあって、イジメはゼロです。そこの所は安心してます。』
「そうですか…万が一にもいじめられたりしたら、連絡してください。すぐにでも対応しますので」
『そうですね…イジメなんて起きないのが一番なんですけど、もし仮にいじめられたらこちらを頼らせていただきます。』
「どうぞ頼ってください!!すみません話を遮っちゃて…」
『良いんですよ!!それじゃあ本題に入りますね?まずはこちらの録音を聞いてください…』
録音された音声が流れてくる…内容は正直、本当に学校でこんな内容の話をするのかと言えるほどだった。
その会話を整理してワードなどに文字を起こしてみると、何故か無性にイライラした。
『お前が痴漢野郎か…お前のせいでこっちに大きな迷惑がかかってるのわからないか?』
『単刀直入に言うが、君には退学してもらいたい…最も君の意見は聞かないがな』
『菊池君…君には呆れたよ…自分の罪を認めず、その上で冤罪だというのか!!被害者女性の気持ちを考えろ!!』
「なんですか!!これは!!」
『俺が校長と教頭を含めた教師数人から問い詰められた時の録音ですね…録音している時はバレてしまうかもと思ってましたよ』
「録音していただいたのは非常にありがたいです。これらの録音があればおそらく動くことも可能だと思います。」
『そうですか!!本当にありがとうございます!!それと、あるタイミングで電話をかけるのでなるべく多くの人と一緒に聞いてください。』
「いつくらいにかけてきますか?」
『そうですね…1週間位でしょうか?電話をする当日になったらメールを送りますのでメールの方を確認しておいてください』
「分かりました。なるべく多くの人と一緒にその電話を聞けば良いんですね?」
『そうです。よろしくお願いします』
菊池君か〜痴漢冤罪の事件に巻き込まれてからずっと大変だったって聞いてたけど最近は多少改善されたみたいで良かった〜
それにしても転校先が永明とは…もしかしたら永明も野球で有名になっちゃうかもな〜元々有名な永明が更に有名になったらどんな倍率になるんだろう…
私はそんな事を思いながら、一週間後に向けて先輩や同僚に話しかけた。食事中に仕事の話をするのはちょっと申し訳ないと思ったが、この対応を必要としている子がいるのだ。電話の内容はまだ想像もつかないが、仕事をする時間が増える気がする…
今日も見てくれてありがとうございます!!
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こちらが新しい小説の方になります!!
作名:『君のことを信じなければ良かった…嘘告なんてするはず無いって…』
https://kakuyomu.jp/works/16817330661985584762/episodes/16817330662204272620
新作は現在、週間恋愛ランキング4位に居ます!!まだ4話しか投稿していないのに順位が高くてびっくりしてます!!
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