File.89 身に潜む狂気

俺はあれから学校から帰ってきた後、家で休んでいた…しかし休んでいても一向に疲れが取れる気がしなかった…


「はぁ…疲れが取れる気がしないな…どうしようか…」


俺は疲れを取るためにもベッドに寝ていたが、一つ旅行前に言われていたことを思い出していた…


ように…』


この事が頭を離れない…気を抜いてもいいけど、ずっと気を抜いているのはダメだということなのだろうか…


「気を抜きすぎないように気をつけよう…でも気を抜きすぎないようにって結局どれくらいなんだろうな…」


どれくらいなのかは分からないけど、今は休もう…明日も学校があるし、今日の内に片付けないといけない課題もあるんだ…課題を終わらせる以前に疲れていたら効率が悪いよな…




俺はそうしてベッドの上で横になった…そして、俺は夢を見た


『なぁ…お前はいつになったら自覚するんだ?』


何をだ?自覚ってどういう事だ?


『お前が胸の中に抱えているその怒りの業火を…つい最近、その怒りも収まってきているようだがその程度では収まるわけがないんだ』


どういう事だ?俺は怒りを抱えてなんかないぞ!!


『いや違うね!!お前は分かってなんかない…お前は違和感を感じなかったのか?今この現状を!!』


…理解できない結局何が言いたいのか簡潔に言ってみろ!!


『じゃあ簡潔に言ってやるよ!!お前の心はな、限界なんだよ!!このことは前にも言ったかもしれないが、お前は今までに受けてきたあの辛く長い日々や、現状をまだ受け入れていないんだよ!!』


……


『さっきの説明じゃ分かりづらかったか?もっと簡単に言ってやるよ!!あの辛かった日々がまだお前の心に突き刺さって抜けないんだよ!!お前の心をえぐり続けてるんだよ…これを解決する方法はたった一つ…』


…それは?


『俺に体のコントロールを一時的に渡せ…そうすれば、お前を苦痛から開放してやるよ!!安心しろ…お前の回りの人間を傷つけることは絶対にないと約束してやるよ…』


…君はそもそも誰だい?知らない人に体のコントロールを渡すほど俺は馬鹿じゃない


『っち!!説明がまだ足んないのか?お前の今の状況は、あの事件によって負った心の傷は未だ治っちゃいないんだよ!!周囲の人間は改善してきていると思っているかも知れないが、お前の中にいる俺等は誰よりもお前の中を知っている…お前が昔からどんな性格なのかも、全てを知り尽くしてるんだ悪いようにはしないさ…安心しな?』


…体のコントロールを渡すと言っても今まで、自分から渡したことはないんだ…ずっと他の人格たちが勝手にコントロールを取るからさ…わからないんだけど


『それなら安心しろ…俺がそこは調整してやるからお前は目を閉じて心の奥に迫っていく感じでいろ…色んなことをすると同時に並行して治療もしてやる…お前のことを救いたいんだよ…分かってくれるか?』


わかった…でも最期に君が俺の体のコントロールを得て何をするのかだけ言ってくれ…それを聞いたら俺はお前にコントロールを渡す…説明がない場合は絶対に渡さないからな?


『説明はしっかりとするさ…下手にコントロールをとった所で、治療するには不向きだ…一つ一つ説明していくからよく聞けよ?まずはお前の体をつかって食事を取らせる…それと課題だったか?それも全部終わらせてやる…そしたらお前のことを起こしてやるから、それからはコントロールをお前と共同にする…これで大丈夫か?』


説明してくれてありがとう…それじゃあ一度頼むね?


『安心しろ…俺はお前のことを守るために居るんだ…お前のことを害そうとするやつもいるかも知れないが、俺は味方だ…覚えておいてくれ』


俺はその言葉を最後に眠りについた…俺と会話した人格がを信じて…






今日も見てくれてありがとうございます!!


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