File.24 破滅(続)

私が頼れる人はもうお母さんしか居ない…


『ねぇお母さん…その…』


『あんた最近ずっと私に電話して、お金を送ってもらってるけど…仕事は大丈夫なのかい?』


『うっ…うん…大丈夫だよ…』


『はぁ…あんたね…もうすぐ尽きるから電話してきて送ってって言っても渡せないからね?』


『後どれくらい残ってるの!?』


『…今回を除いて後一回分ってところかしらね…今回と次回で私に電話をして送ってもらうのは止めて頂戴…』


『うん…』


私はあれから退職して良い職につこうと必死に努力を重ねていた…しかし何故か大企業に行っても面接で落とされる…中小企業にシフトしてみても結局は面接で落とされてしまった…


「なんで私のことを誰も雇ってくれないのよ…私は別に悪いことをしたわけじゃないのに…」


私のせいであの男子高校生がつらい目にあったと言っている人が多い…お母さんは呆れながらも私と関係を持ってくれているが、大学や高校での友達は皆私から離れてしまった…皆私と離れていく前に、私のことを睨みつける…


『あんたは自分でやったことを把握していないの?』


『なによ?』


『あんたのせいで一人の男子高校生のこれからの人生全てを潰すところだったんだよ?聞けばあんたは謝罪もしていないらしいじゃない?それはおかしいよ』


『…』


『私はあんたのために言ってる…もしあんたがこの忠告を聞かないで過ごすなら私とあんたとの縁はここまで…』


『待ってよ!!そんな事を言わなくたって良いじゃない!!』


『甘いこと言わないで!!あんたは一人の人生をほぼ完全に潰したんだ…その事を謝って誠意を見せているならともかく、謝ってもいないのに普通に生きられると思わないで…あの男子高校生はあんたのことを間違いなく恨んでいるだろうよ…それと最後だけどもし弁護士来たら従っといたほうが良いよ?』


『うん…』


『あんたが謝罪をしっかりとして、あんたの罪が許されたら私はまたあんたと一緒に遊ぶよ…』


私は友人をほぼ全員失ってしまった…しかし、友人たちからはという思いしか伝わらなかった…


確かに友人たちとの縁は大切だが、それ以上に私は謝る気にならなかった…だって私が悪いなんて思ってないし…


「誰が高校生に謝罪するのよ…私は社会人よ?同年代のやつにするならともかく年下にするなんて私のプライドが許さないわ…」


私はそれからもゲームに課金をし続けた…しかし、ある時私の心を大きく削る出来事が起きた…


「えっ…そんな…」


それは先月使用したクレジットカードの決済情報だった…総額53万8000円…どうしよう…


私はどうするべきか悩みに悩んだ…私は罪悪感しかなかったが、友人の貯金を多少いただくことにした…


私は友人のお母さんと非常に仲が良かったため、電話をしてなんとか借りることにした…そして、友人のお母さんは現在65歳で高齢だ…ギリギリ騙せるだろう…


「ふぅ…なんとかなったな…」


私は友人のお母さんをなんとか説得し、送金してもらった…取引記録は残ってしまうが、今は金が必要なのだ…しょうがない…友人を裏切るのは申し訳ないが、このお金は使わせてもらう…


「ごめんなさい…涼子…」


私はそのお金を使って色々と払った…その後色々なところからお金を借りてなんとか誤魔化すことにしたのだが…


「すみませんね…ここで借りるのは申し訳ないけど…他のところに行ってくれないかな?」


「えっ…他のところからここがオススメと言われたので来たんですが…」


「すみませんね…どこからここを教えていただいたのですか?」


「向かいの銀行や他の銀行ですね…お金を貸してくれませんか?」


「正直に言うね…返す見込みがない人間に貸す金はないんだよ!!あんた前まで企業に勤めていたそうだな!!だが、あんたは今現在無職!!銀行でさっきおろしたあの金はどうしたんだ!!」


「えっと…返済に…」


「それに記録を見たが、あの金の出処について、どうなっているのか説明してもらってもいいか?」


「えっと…それはですね…」


「まさかとは思うが…犯罪行為はしていないだろうな?」


「大丈夫です!!」


「私達は簡単に記録を見ることができるが、一応君が不審な行動をしていたために見ることが出来たんだ…だが、それ以前に君はあの事件の者だろう?」


「…」


「まぁというわけだ…うちから借りるのは諦めてくれ…」


私は銀行から追い出された…私は闇金に借りることにした…


「なぁ…あんたあの冤罪事件のもんだろう?」


「…はい」


「和解金をたんまりもらったそうじゃないか?相場の10倍近い金額をもらったって俺らは知っているんだぜ?なのになんで俺等に借りに来るんだ?」


「…訳あって」


「まぁ俺等は別にいいんだけどさ…それで借りる金額は?」


「100万ほど…」


「ちっ…良いだろう…お前ら!!もってこい!!」


「うっす…でもこいつ返せるんすか?」


「知らんな…だが俺らは借りたまま逃げたやつは絶対に許さない…そこだけ理解しておいてくれよ?」


「分かっているわ…」


「ちなみに利息だけど100日ごとに元本の50%が増加って感じだから覚えとけよ…利息分もきっぱり払わせるからな…」


「はい…」




私はそのお金を使って海外に飛んだ…海外に逃げて色々なところに逃げたが、あいつらは追ってくる…


私は捕まり、色々な方法で金を稼がされた…私は更に、友人たちからも完全に縁を切られてしまったらしい…どうすれば…


『お母さん…助け…』


『ふざけたことを言うんじゃない!!これからは全て自分で解決しなさい!!』


お母さんはそう言って私からの電話を切った…もうどうしようもない…これからどうやって生きよう…





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次回からは主人公視点に戻します!!彼はこれから苦労しますね…


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題名:君のことを信じなければ良かった…『嘘告』なんてするはず無いって…

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