File.23 破滅(被害者)
私はゲームに課金を繰り返ししていた…
「なんでここを攻略できないのよ!!おかしいんじゃないの?私が一体いくらこのゲームにつぎ込んでいるか分かっているの?」
私がこのゲームに課金した金額はゆうに数百万はいったのかもしれない…でも後悔はしていない…最近は仕事の休憩中にもゲームをするようになって上司に叱られてしまった…しかも私のやっているゲームのことを馬鹿にしてきたのだ!!
「何なのよあいつ!!私が愛するゲームを馬鹿にして!!」
私が好きなゲームはファンタジー系のゲームで、基本的には殺しや横取り等何もしていいというゲームだ…
色々なアイテムはモンスターを殺すことで獲得することができるが、私はモンスターと戦闘しても負けることが多かった…そのため、戦闘をせずにアイテムを得る方法…課金に手を出したのだ…
でも私は気づいてしまった…和解金としてもらった500万円がもうすぐ尽きてしまうことに…
「どうしよう…どうすれば…」
私は悩みに悩んだ…思いついたのは友人や後輩に頼んで借りることだった…
『もしもし涼子?』
『なに?沙羅?』
『今お金がピンチでさ…ちょっと貸してくれない?』
『…あんたさ…この前たんまり金をもらったって言ってたけど…それどうしたん?』
『奨学金や色々な物の返済に当てたんだけど、その時にぎりぎり足りなくて…それで一括で払うって言っちゃってたから給料とかで払っちゃったんだ…それで今食料がなくて…』
『確かにあんた奨学金を借りてたもんね…どんだけ必要なの?』
『今月は厳しいけど、来月はなんとかなりそうだから…3万くらい大丈夫かな?』
『3万…まぁあんたと私は友達だからしょうがないな…でも返さなかったらいくら私でも怒るからね?』
『そこは安心して!!私返すから!!』
『じゃあどうすれば良い?口座に送る?それとも直接現金で渡す?』
『口座番号教えるからそこに入れといてくれない?ついでに涼子の方も教えてくれない?私も口座で送っちゃいたいから』
『え〜私は直接現金でほしいからごめんね…それじゃあ今から入れてくるね〜』
『…うんありがとう』
『良いってことよ…入れておくから確認しておいてね?大切に使ってね?』
『うん…ありがとう』
私はそれから自分の口座を確認すると3万円が入ってきていた…会社での休憩時間中にゲームをするのは控えて、なるべく会社では真面目を装うようにした…自分の場所でやるのではなく、トイレでゲームをするようになった…
給料から涼子に3万円を返すことは出来た…安心してまた課金をしていたら、また足りなくなってしまった…
そこで私は電話をかけた…
『どうしたの沙羅?』
『お母さん!!ちょっとお金送ってくれない?』
『あんたがお金送って欲しいなんて…なにか事件にでも巻き込まれたのかい?』
『ううん…事件には巻き込まれたわけじゃないんだけどさ…借金の返済とかに当てたら和解金とかも全部なくなっちゃって…今ピンチなの…』
『あんたは私の可愛い娘だからね…それに仕送りをしてくれていたし、そこの部分を返せば問題ないと思うが…どうかな?』
『いくらぐらい仕送りしてたっけ?』
『私の感覚が正しければ…恐らく200万くらいは送ってきてたんじゃないか?』
『全額送れない?』
『それは…全部を送ったら金遣いが昔から荒いあんたはすぐに使っちまうだろう?』
『そんなに金遣いは荒くないもん!!』
『嘘おっしゃい!!あんた会社に勤める前の大学生時代にホストにハマって大変なことになったのを覚えていないのかい?』
『うっ…』
『というわけだ…取り敢えず10万もあれば足りるだろう…もしまた厳しくなったら言いなさい?この200万が尽きるまでは返してやるから…』
『ありがとう…お母さん』
『それじゃあ元気でな?また電話をかけるんじゃぞ?』
私はすぐに口座を確認した…すると10万円が入金されていた…
私はまた課金をする生活を始めた…そしてある時ふとテレビを見ると驚きの光景が目に入ってきた…
「えっ…この事件私の…」
私が犯人だと思っていた男子高校生は実は犯人ではなかったのだ…そしてこの男が真犯人だった…
「私…どうすれば…和解金の請求とかされないかな?大丈夫かな?だって全部使っちゃったんだよ?どうしよう…」
私は不安を抱えながらも会社に出向いた…しかし直ぐに止められ、社長室に呼ばれた…
「失礼します…」
「入りたまえ…」
私が椅子に座ると、社長は私に厳しい目を向けた…
「唐突だけど…自主退職してくれないかい?」
「えっ…どうしてですか?」
「昨日…真犯人が逮捕されただろう?」
「はい…」
「君がしたのはれっきとした犯罪だ…痴漢冤罪…君みたいな子はドラマなんかを見ていれば知っていると思うけど、あんな簡単に裁判で逆転することは出来ない…君は一歩間違えていたら彼の人生を…いや既にめちゃくちゃにしているだろうね…君のせいで彼は大損害を被ったそうだ…君は知らないかもしれないが、彼は甲子園選手だ…損害は計り知れない…私は君が痴漢被害にあったと言ったから、少しだが、調査をしたんだ…」
「そんな…」
「もしあのまま裁判になっていたら…彼はほぼ確実に有罪となり、彼の人生はめちゃくちゃだ…社会に出る際にも『性犯罪』をしたものとして考えられてしまうだろう…君は彼の人生を滅茶苦茶にしようとしたんだ…君は報いを受けるべきだ…」
「このご時世で解雇されたら私は…どうすれば良いんですか?」
「そんなものは知らないよ…せめて君の勤務態度が良ければまだ話は別だったんだがな…君の最近の態度は知っているよ?」
「…」
「ゲームを休憩時間中にするのは悪いことじゃない…むしろ我が社では休憩としてするのは別に構わない…だがな、休憩時間以外でもゲームをしているのは社会人としておかしいだろう?それにトイレ休憩をするなとは言っていないがな、30分、50分近くトイレに居るのはおかしいだろう?」
「私はお腹が痛かっただけです!!」
「君の同僚の子が私に直接言ってくれてね…トイレでゲームをしているって…」
「…」
「そんなわけで勤務態度が悪く、他人を故意ではなくても陥れかけてゲームをしているような人間を我が社に置くことは出来ない…それと調査費用は払ってもらう…」
私は人生のどん底に沈んでいった…お母さんや友達に頼るのは限界だし…どうすれば良かったんだろう…あれから友達も誰一人として関わってくれないし…
調査費用などを払い終えた頃には私は絶望していた…
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見てくれてありがとうございます!!
週間ランキング5位以内を維持することを目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!
現在4位!!順位をもっと上げたいですね〜
さてさて…次は誰が破滅するかな?
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