File.22 破滅(家族)

私達家族はお兄ちゃんがいなくなってから更に大変なことになっていた…お兄ちゃんは元々家事をしていて、お母さんのことを手伝っていたためお母さんの負担が大きく増えてしまった…そのせいか最近お母さんもイライラしていることが多い…


「…なんでよ!!もう少し家事を手伝ってくれてもいいじゃない!!」


「俺が家事を手伝っても余計にすることが増えるだけだと言ったのは君だろう?だから俺は君の手伝いをして余計な手間をかけさせないように君に言われたことだけを最低限しているんじゃないか!!」


「あんたは社長でしょ?だったらさっさと金を持ってきて色々な返済に当てたり、色々なものを購入したほうが良いでしょ?」


「お前は会社のことを何も分かっていない!!それにお前は知らなかったかもしれないが、アイツのせいで俺の会社はめちゃくちゃだよ!!」


「ふざけないで頂戴!!もういい!!家事を手伝ってくれないなら私の視界にはいらないようにして頂戴!!」


「俺はもとよりそのつもりだ!!全く…こんな風になったのも…全部あいつが痴漢なんてしたからだ…」


「…」


私はどうすることも出来なかった…お母さんとお父さんの喧嘩を止めることは出来ないし、結局私は学校に行けてはいるけど正直周囲の視線がつらい…


『犯罪者の妹』


みたいな感じの視線がするのと、


『犯罪に巻き込まれそうになった人』


みたいな感じの憐れみの視線を感じてすごく複雑な気持ちだった…勉強をしようにもここ最近は全く集中することが出来ない…そのせいか成績も徐々に下がってきている…どうしよう…


私はお兄ちゃんが家を出ていく時にあった…お兄ちゃんの眼は私達家族に『なんで信じてくれないんだ!!』とでも言っているようだった…けれど私はお兄ちゃんに向かって『痴漢なんて…最低』と言ってしまった…


私は恐らくもう許されることはないのかもしれない…『あのときの言葉は本心じゃない!!』とか言っても絶対に信じてはくれないだろうし…恐らくお兄ちゃんの希望は私達家族と一生関わらないことなんじゃないかな…?


もしそうならつらいけど我慢しないといけない…それが私の罰だから…


私は不意にスマホが気になり、ニュースを見ていた…ニュースでは芸能人のスキャンダルやら薬物だと騒いでいるがそんな事は別に今はきにしていない…


「なんだ?急にスマホなんて取り出して」


「スマホをいじっている暇があったら手伝って頂戴!!これからやらなくちゃいけないことが沢山残っているのよ!!」


「お母さんとお父さんは少し黙ってて!!」


「お前…お父さんに向って何を言っているんだ!!」


「私に向かって何を言っているのよ!!」


「…」


私はとある記事を見つけて呆然とした…私はテレビの電源をつけて地面に座り込んだ…


「なんでテレビなんか…つけて…」


「そうよ!!なんで…テレビ…」


そこに写っていたのは連日報道されていたお兄ちゃんが痴漢だという報道ではなく、真犯人が出頭したとの情報だった…


真犯人は体を掻きむしったのかわからないけど服がところどころ血で染まっているのが分かる…そしてテレビのリポーターが警察署を映す…


『連日報道されていた事件の真犯人が本日、午後6時に出頭しました。真犯人は「俺が悪かった…高校生の子に謝罪したい」と言っており、反省しているようです。そして現在取り調べが行われており、終了予定時刻は3分後らしいです…』


「…」


「…」


「…貴方どうするの?」


「…あぁ」


家のリビングは静寂に包まれた…そしてテレビの音だけがこの部屋に響く…


『追加情報をお伝えします。犯人が出頭した理由は、本人に対して罪悪感が絶えずつらいという物が一つと、寝るたびに百年以上母親に地獄のような責めを受けさせられたと供述しており、現在精神に何らかの異常をきたしているとして、調査が続けられています。』


『リポーターの麻美さんありがとうございました…続けてこの事件について専門家の方たちに見解を述べていただきます。それではよろしくお願いします!!…』


そこからは専門家たちが色々な自論を展開していった…しかしそれらは正しいのかもしれないが、私には『前に大きく批判してしまったから、その子に対して謝罪しよう』というものではないように聞こえた…この人たちは前回登場した際にはお兄ちゃんのことを散々批判して、馬鹿にしていたが冤罪になってしまったため、訴えられる可能性が出てきているのに…それを理解していないのかな?


「私達は…どうするの?」


「決まっている!!翔太に謝りに行くんだ!!」


「何を言っているのよ!!子供に謝る親なんていないわよ!!」


「何を言っているのかは貴様だ!!こうして冤罪として晴れたなら私は翔太に対して真摯に謝罪しなければいけない!!こんなこともわからないのか!!」


「私達は親なのよ?」


「親だからなんだ…私は子供に対して確かに物のように扱ってきた人間だが、謝らなければいけないことくらいは理解している…そんなこともわからないのか!!」


口論しているだけで収集がつかなさそうだ…私はどうすれば…いいのかな…


そんな時インターホンが鳴った…


私が出るとそこにいたのは…


「こんにちは…私は弁護士の東雲魁戸です…貴方のお父さんとお母さんに話があってきました…失礼します」


「どうぞ…」


私には止める権利がないのが分かっていた…この後どんな展開になったのかは想像がしやすいだろう…


弁護士さんと長く話をして色々難しい話をされて契約書みたいなものにサインみたいのをして終わり…私達が弁護士さんと話した時間は今日だけで4時間近くにも及んだ…




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見てくれてありがとうございます!!


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現在4位!!順位をもっと上げたいですね〜


明日には自称被害者ちゃんも破滅…するかも?

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