File.21 破滅
魁戸視点
この学校は終わっているな…翔太が通っていた高校だったから、多少は譲歩してやろうと思っていたけど止めだ…絶対にここで潰さないとダメだ…
「そうですね…後日翔太君と一緒にまた来ると思いますので、その時には全員で謝罪してもらいましょう…それとこれは痴漢だとか痴漢冤罪だとかそういう問題以前の問題で、教師がこんな発言をして許されると思っていますか?ねぇ学年主任さん?」
「確かに俺も普段からアイツのことを見ているから言葉を選べばよかった…そこは申し訳ないと思っています…」
「私が言いたいのはそうじゃないんですよ…なんですか?痴漢野郎って?」
「それは…」
「今さっきも聞きましたけど菊池君の件についてしっかりと調査をされましたか?そもそもまずはそこが問題なんですけど、どうしてお答えいただけ無いんですか?」
「私はたしかにこの件について対応していましたが、我々一介の教員に対して調査の結果を詳しく説明されていません!!調査を依頼すると言ったのは教頭と校長です!!」
「その言葉に嘘偽りは有りませんね?それと調査報告書はまだ来ないんですか?校長と教頭はいつになったら私と話をする気になるんですか?」
「恐らくもう少ししたら来るかと…それまでもう少しお待ち下さい!!」
「そうですか…じゃあクラス担任である貴方に聞きます…今貴方のクラスで菊池君はどのように言われていますか?」
「えっ…」
「言ってください…場合によっては制裁の対象に出来ますから」
「私がそれを言う必要がありますか?」
「当たり前でしょう?だって貴方はもし自分にとって耐え難い苦痛を伴うような侮辱を受けたらどうしますか?そこの学年主任でも構いませんよ?そうですね…例えば貴方に面と向かって『ハゲ!!』とか『死ねよ!!』みたいに言われたら絶対にあなた達は怒りますよね?」
「まぁ…そうですね…そこまで言われることは今までありませんでしたが、もし言われたら流石に注意はするかと…」
「私もです…」
「そして、あなた達教師はこう思います…俺又は私のことを馬鹿にして許さない!!って…そうして貴方達がするのは教師が生徒に対して下せる処分です…具体的には今回のような退学などがあります」
「そんな事は!!」
「『しません!!』とでも言うつもりですか?我々は感情を優先して生きる人げですよ?自分の事を守るためなら友人も家族も全部切り捨ててでも生きようとする見にくい生き物ですよ?貴方達は分かっていないようですが、人を導く職業として調査を行い裏付けをしてから処分を下しているのではなく、ただ、『痴漢』というだけで処分を下しているのでしょう?貴方達にとって痴漢は侮蔑の対象になるわけです…そうして侮蔑の対象になった本人は傷つく…だからこそ私が来たわけですよ」
思わず長くしゃべってしまったが、ここまで言わないとわからない人も多いのがまた事実…そして…
「いつになったら来るんですか?貴方達と話すことが正直無くなってきたんですけど?」
「すみません…ちょっと様子を見てきます!!」
「ダメです…私も付いていきます…こんな学校の教師を信用することは出来ません…調査もろくにせずに退学処分を下せる学校なんてなおさらです」
「…」
「クラス担任の先生はどうなんですか実際?」
「?」
「彼のことをどう思っていたんです?それと今回の事件…貴方はどう思いますか?」
「私は…彼のことは正直優しくていい子だとは思っています…それに色々なことをそつなくこなせますし…」
「それで?今回の件についてはどうお考えで?」
「今回の事件は校長と教頭を含めて行われた協議で処罰について話されました…普通は調査をして何日もかけて判断しなくてはいけない事案だったのに、担当した人たちが、長引くのは嫌だと言って勝手にしめてしまったんです…本当に申し訳有りませんでした…ですが…」
「なにかありますか?」
「軽い調査は行っていました…しかし全ての調査をしているわけではなかったようで…」
「この事件は冤罪事件です…貴方達が直接関わっていなくて、知らなくてもすぐに証拠が出てきますよ?そうですね…私の感ですが、ここ数日はテレビを見たほうが良いと思いますよ?とくに痴漢の話になったら耳を傾けた方がいい…」
「なんでですか?」
「貴方達がどれだけこれから苦しまなくちゃいけないか分かるからだよ…さぁ校長先生と教頭先生…一緒に話し合おうじゃないか?」
「…」
「…こちらが調査資料です…」
「…こんな甘い調査をしただけで、退学処分を下せるなんてこの学校は本当にやばいんだな…」
調査内容は痴漢の事件が本当に発生していたかどうかだけ…これだけで判断するのは本当にこの学校が終わっている証拠にもなるだろう…それにさっきっからの会話もすべて録音済みだ…しかもこんな調査なんて甘すぎる…だってニュースとかを見れば発生していたかは分かるだろう?内容はともかく…それに処分を下す判断は別に良いとは思うが…もっと調査をするべきだ…
「さぁ校長先生と教頭先生?交渉と行きましょうか…」
「交渉…ですか?」
「えぇ…こちらから求めるのは、1つ目は菊池翔太に対して今後接近することは許さない。2つ目は…」
実際は交渉ではなく、裁判前の事前確認のような形になったが…まぁ大丈夫だろう
強要罪を初めとした様々な罰…それら全てをこいつらには償ってもらう…こんな学校なんていらない!!
そうして、学校側とこちら側で裁判をすることになり、お互いに呼び出され、何度も話し合い、結果的にこちらの要求が全て認められた…学校側に対して慰謝料を払わせることに成功したし、これ以上無い成果を得ることが出来た…翔太ともこのつらい状況を一つ一緒に切り抜けたことで、前よりも仲良く慣れた気がする…
だがこれで終わっていない…まだ制裁対象は依然として残っているのだ…俺は全員を潰すまで止まらない!!
そうして俺が次の制裁対象を考えているとニュースでは予想通りの展開がやってきた…
『速報ですっ!!以前紹介した痴漢事件でしたが、あの事件の真犯人が本日、警察署に出頭しました!!本日の…』
「これから更に面白いことになるな…そう言えばあいつがこの事件を担当してくれていると言っていたな…」
この事件を担当しているのは…俺の幼馴染だ…今でも連絡を取っているくらい仲は良いが、お互いに忙しかったため、1ヶ月くらい前までは連絡をあまり取っていなかった…しかし最近はこの事件でお互いが担当する事を知ったため、連絡を取りあっている…
「これで、翔太の無実が明るみに出たな…それに加えて痴漢冤罪に巻き込まれた被害者としても言われるだろう…これでどうなるかだな…」
俺の先輩はこういう事件を担当したことが有り、その時に一番怖かったのが、親だと言っていた…俺も気をつけるか…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
見てくれてありがとうございます!!
週間ランキング5位以内を維持することを目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!
さぁ次は家族を詰めます!!自称被害者さんには明日登場していただきます!!
本日昼に投稿する内容を変更してしまい、申し訳有りませんでした!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます