File.20 破滅直前

協議が終了したのは18:00頃だった…基本的に重い処分をする場合は色々な調査を重ねてから出ないといけないのだが、今回は調査を軽くしか出来ていない為、基本的には重い処分をすることは出来ないはずだが…


「なんでこんな処分を下せるの…詳しい調査を行えてないのに…」


全然調査をしていない…というか調査をしたということにしてさっさと処分しようという判断になったらしい…流石におかしいと思ったけど、私は私で校長と教頭に甘すぎるんじゃないですか?と注意されてしまった…その言葉が胸につっかえていろんなことをするのに手間取ってしまった…


協議が終わり、菊池くんに処分を下してから数日、校長や教頭が忙しくしていた…私のクラスでは菊池君が今後学校におそらく来ないことを告げるとやっぱり皆は探っていたみたいで、菊池くんのことを口々に批判した…


「あいつが痴漢をするなんてな…正直俺等を騙してた感があってむかつくよな」


「本当にそれな!!ていうかザマァ無いって感じじゃない?」


「確かに!!」


あれ?私のクラスの子達はこんな子たちだったの?人のことを内心では馬鹿にして、表面上だけで付き合う子たちばっかりだったの?


私は自分の担当しているクラスだが、正直もう一緒に居たくないと思うほどだった…そうしてその苦痛に耐えながら授業をしていると…


『校長先生、教頭先生、二年生の学年主任、2-1のクラスの担任は至急受付の方までいらしてください。繰り返します…』


「若菜先生呼ばれてますよ?」


「え?」


「だから呼ばれていますって!!大丈夫なんですか?」


「あぁ…ごめんね…でもここの所までやっておかないとテストが大変になるよ?」


「え〜それはやってもらわないと困るな〜」


私も本当はさっさと呼ばれているから行かないといけないんだけど、この授業をしっかりとしておかないと…テストで皆が困ってしまう…


「若菜先生!!早く着てください!!」


「え?富士山先生?」


「なんでこないんですか?呼ばれていますよ?」


「協議の時も呼びに来て…なんで私の教室に来るんですか?それに貴方も授業をしているはずでは?」


「教頭先生に2年制の教室に行くのめんどくさいから呼んできてくれと呼ばれてな…しょうがなくだ…」


「はぁ…それなら取り敢えず行きますか…皆さん自習をしておいてくださいね?」


私はまた富士山先生と一緒に教室を出た…なんで本当に私に粘着するんだろう?それに教頭先生と合流するならさっさと移動してくれないかな?


「富士山先生?そんなところで何をしているんですか?というかなんで呼ばれているのかわかりますか?」


「教頭先生いわく弁護士が来ているらしいです…しかもこの前の菊池君の件です」


「大丈夫なんですか?」


私達は急いで移動して校長先生と弁護士と思われる人と話した…そして私達が会話を始めて、調査をどのようにしたのか問われると、校長と教頭は逃げるようにして職員室に向かってしまった…話に微妙についていけていない私は困惑しながらも弁護士さんの話を待った…


そして弁護士さんはこちらに録音を流してきた…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

録音再生

『教頭先生、校長先生件の生徒をお連れしました。』


『ごくろう…下がってていいですよ』


『ありがとうございます…では主任も呼んできますね?』


『頼んだ…さてこちらにきたまえ…』


『此処に入りなさい…話をしよう…』


『お前が痴漢野郎か…お前のせいでこっちに大きな迷惑がかかってるのわからないか?』


『まぁまぁ富士山先生…今はそれよりも渡すものがあるでしょう?』


『そうでしたそうでした…これを受け取れ』


『…これは?』


『単刀直入に言うが、君には退学してもらいたい…最も君の意見は聞かないがな』


『私は今まで真面目にこの学校で過ごしてきましたが…』


『そうだね…君は我が校を全国に広げてくれた立役者でもある…成績優秀で高い運動能力を持ち、それで持って性格も良好…更にはどんな部活でも活躍できる…野球部が初めて甲子園に行けたのもひとえに君のおかげだと思っていた…だから君のことは我々も評価していたのだがね…でも分かるかい?君がやったことは犯罪だ…それも卑劣な痴漢じゃないか…たとえ君がどんなに優秀でも許されない事は分かっているよね?』


『それには誤りがあります…私は痴漢をしていませんし、何より冤罪です…現在それを証明するために様々なことに取り組んでいますが…』


『菊池君…君には呆れたよ…自分の罪を認めず、その上で冤罪だというのか!!被害者女性の気持ちを考えろ!!』


『ですから先程も言いましたよね?私は痴漢をしていません…気が動転していたところがあったため、強く否定できませんでしたし校長や教頭はあの時の状況を正確に知っているわけではないでしょう?でしたら…』


『…話を聞いていれば…菊池!!お前はどこまで嘘を重ねるつもりなんだ!!お前の父親と母親から連絡があったが、家を出てどこかに行っているそうじゃないか!!』


『そうですね…家をでてどこかに行っているというのは間違いでは有りませんね…』


『それにお前の父親と母親は膨大な和解金を支払ったそうだぞ?父親は社長らしいからな…自分の会社を潰さないためにもあまり世間を騒がせたくないのだろう…』


『…そうでしょうね…俺の父親は権力に固執し、金に頭を支配されているような人なんでしょう…金で解決しようとするのはそういうところがあるからなんでしょうね…』


『お前は申し訳ないという気持ちにはならないのか?』


『…えぇだって私は痴漢をしていませんから』


『…強情だな今週中には一度親と相談して決めてこい!!』

                              再生終了

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…」


「これに対してなにか申し開きはありますか?」


「何故我々の会話を録音している!?」


「翔太君と相談して証拠集めですよ…それにこの会話で大事なのは生徒に対してどんな言葉を放っているか分かっていますか?」


「…」


「なにか喋ったらどうなんですか?担任の方」


「…はい」


「はいではないんですよ!!分かっていますか?ここまで人のことを侮辱できる学校は初めてみましたよ!!」


私達への糾弾はまだ始まったばかりだった…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

見てくれてありがとうございます!!


週間ランキング5位以内を維持することを目標に頑張っていますので、星やフォローをしてくれると嬉しいです!!皆さんからの応援コメントも楽しみにしています!!


次の話で学校の奴らは全員破滅させます!!(予定の為変更の可能性あり)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る