導入 染色世界
ちょっと用事が重なっちゃって暫くお休みをいただいていました。
事前にお知らせできなくて申し訳ありません。
今回は短めです。次回から一話辺り5000~10000字になるかと思います。
気に入って下さった方はこれからもどうぞよろしくお願いします。
本編↓
――――
とある、この世界とは違う分岐点を辿った世界で。
人類は緩やかな滅びへと向かっていた。
始まりは、ある男が保護した動物だという。
動物はある不可解な病を患っていた。しかし、その時代では病を発見することができず、動物はそのまま施設送りになった。
それがいけなかった。
動物は施設に送られた後、徐々に病魔を他の動物へと感染させ、同じような特殊個体を増やしていった。
やがて、その病魔は施設全体に行きわたり、最終的に人間にも感染した。
その病魔、最初はむしろ身体能力を増強させるだけの代物だった。この時代では病魔はまだ発見できない。だからこそ研究をしようとし、人間へと感染したのではないかと言われる。
この時点で終われば人類はさらなる発展を迎えていたのかもしれない。
しかし、身体能力の増強は病魔の第一フェーズ。第二フェーズで急に動物たちの凶暴性が増し、体が黒く染まった。
そして凶暴化した動物たちは施設内を抜け出し、人里へとおりていった。
これまた運悪く、第一フェーズの状態の動物ばかりだった。
人里へ紛れた病魔はその数を増やし、ある時を合図に、世界各地で第二フェーズへと進行した。当然人はもちろん、動物たちもだ。
この頃には、もう銃弾や爆薬は意味がなかった。向上された身体は筋力が増しているだけでなく、銃弾や爆薬をものともしない頑丈さまで得ていた。
そして人類が滅びを迎える決定打が現れた。
第三フェーズ―――刻色。
このフェーズを一言でいえば、共存。今までのフェーズではどちらかが体の主導権を握っていたが、このフェーズは双方が体の主導権を握っている。
当然、双方が主導権を握っていると言っても、やはり差は出てくる。
病魔の方が我が強いと人格に異常がでるのか、人類を滅ぼそうという思想になる。
第一フェーズは体の一部が黒く染まり、第二フェーズは全身が。そして、第三では手の甲に刻印が刻まれる。また、その時人格によって刻印が変色する。
黒は凶悪系。病魔が主導権を握っているか、病魔の意思を強く反映している場合の色。この色は様々な能力を発現させるため、詳しい事はよくわかっていない。
白は守護系。魔障壁と治癒系能力を宿す。
青は精神系。幻覚を見せたり催眠状態に陥らせる能力を宿す。
紫は断罪系。裏切り者に対して絶対的な優位を得る能力を宿す。黒との戦いに絶対的優位に立つため、一番の戦力として数えられる。
緑は探知系。対象を察知する能力、圧倒的な記憶能力を宿す。
黄は支援系。主に味方にバフ、敵にデバフをかける能力を宿す。
重火器が意味をなさない状態では、覚醒できなかったものは逃げ惑う事しかできない。
逃げ着く先は主に山間部。やはり人目につかないところが安全だと思うのだろう。
最初はもめごとがやや起こっていたが、協力してかないと生き残れないのも事実。最終的には疎開のような形となった。
やがて、黒と
黒は暴れたいだけだが組織の頭となる存在が複数誕生し、撤退を取り。
適合者は力はあるが数が圧倒的に少なく、撤退した黒を追っても物量で押し切られると判断したためだった。
戦いが一時的に膠着状態になると疎開を開いていた人々は街に降り、復興を始めた。
また、国土の周りを海に囲まれているから、と日本の方が安全だと判断する海外の生き残りが多数海を渡って日本に避難してきた。勿論日本としても戦力が不足しているため、外人を受け入れた。
その時に外人と子をなす者が少なからずいたので、日本人の名前は漢字からカタカナへと変わった。
危機にさらされた人類の生存本能は凄まじく、日本は一気に復興していった。
ただ、黒に大半の人類は殺されたりしているため、復興する町は限られた。限られた、というよりそれで充分だったというべきか。
結局復興されたのは埼玉、東京、広島、熊本の四か所だけとなった。
しかし大きく数を減らした代わりに、それぞれの防衛機能は格段に上がった。
「ハグレモノだ。迎撃準備」
「わかっタ。デモ、ナンデ能力使わナイ?」
「万が一に備えてだ。今は適合者の数が少ない。これ以上失うわけにはいかないだろう?」
「確かニ!」
かくして、人類の防衛戦は始まった。
染色世界のインパーフェクト 春猫うつつ @shineko0417
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