第5話:「星空の語り部」
新たな一日が始まった。
学校に向かう途中で健太郎、さくら、直人は心の中で昨日までに浮かんだ新しい音楽のアイデアを再生し、それぞれの楽器が奏でる音色を想像していた。
彼らは部室で再び顔を合わせる。
いよいよ、それぞれが自身のパートを心得て、自分たちの音楽の結晶を形にする瞬間がやってくる。
早速、健太郎がギターを手にし、
「じゃあ始めようか」と言葉が部屋に響くと、空気がピリッと張り詰める。
「(言葉にすることは難しいけど、この気持ちをメロディーで伝えたい...!)」
健太郎のギターから湧き出るメロディは、夜空に浮かぶ星々のように明るく、かつ繊細だ。
一部はゆっくりとしたリズム、別の部分では速いテンポ。それらが絶妙に絡み合い、聴く者に旅をしているかのような感覚を与える。
次にさくらが歌詞を口にする。
風が木々を通り抜け、葉を揺らすさまを描く彼女の言葉は、健太郎のメロディと見事に対をなす。
「風が語り、葉が歌う」
その詩の一節が曲全体のテーマとなる。
そして、全体を包むのが直人のリズムだ。
彼のドラムは、一部で穏やかなビートを刻み、他の部分では激しいリズムで曲を盛り上げる。
そのリズムパターンは、自然のリズムと人間の感情の間を行き来し、曲全体を一つの感情の旅に変える。
「藤田さん、石川君、どうかな...?」
緊張した様子で健太郎が言うと、さくらと直人は力強くうなずいた。
「最高だと思います!」
「最高だと思う!」
「良かった...」
笑みを浮かべながら健太郎は言う。
こうして新たな曲「星空の語り部」が完成した。
その瞬間、彼らはただ音楽を奏でるだけのバンドではなく、一緒に作品を創り上げるアーティストになった。
「星空の語り部」
僕らの声、風に乗せて届けよう
星空へと語り、葉が歌う静かな夜
風が運ぶメッセージ、木々を揺らして
葉が歌うリズム、星々が輝くように
星空の語り部、風が語り葉が歌う
大きな夢を抱き、星空へと伝えよう
風が語り、葉が歌う、僕らの物語
希望を乗せた旋律、未来へと届け
僕らの歌、月明かりに揺れて響いてく
星空の下、希望が静かに輝く夜
風が運ぶメッセージ、木々を揺らして
葉が歌うリズム、星々が輝くように
星空の語り部、風が語り葉が歌う
大きな夢を抱き、星空へと伝えよう
風が語り、葉が歌う、僕らの物語
希望を乗せた旋律、未来へと届け
ギターが恋人の男子高生には現実の恋人なんてできない(と思っていた) エルんぐ @futaro510
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