第3話:「新たなる響き」

翌日の部室。健太郎とさくらは石川直人を迎える準備を整えていた。

すると、直人がドアを軽くノックして入ってきた。


「おはよう、石川くん。待ってたよ」


彼はちょっと緊張した顔を緩めて、微笑んでこっちを見た。

そして微笑みながら、


「おはよう!藤田さん、澤村くん、改めて今日からよろしくね」


健太郎は直人に近づき、

「こちらこそ。昨日はメッセージありがとう。本当に嬉しいよ」


さくらも微笑みながら言った。


「おはようございます!これから一緒に楽しくやりましょうね!」


だいぶ緊張が解けた様子の直人は自信を持って応えた。

「もちろん!最高のバンドになるよう頑張ろう!」



直人の様子に、健太郎とさくらも安心して笑顔を返した。




「さっそくなんだけど、良かったらみんなでセッションしてみない?」

と健太郎が提案した。


「いいね!すごく楽しそう!」

そう言いながら直人はバックからドラムスティックを手に取り、ドラムセットの前に座った。


彼の爽やかな声に、健太郎とさくらもほほ笑みました。





健太郎とさくらも準備を整え、いよいよ演奏が始まった。


静寂の部室に心地よい音楽が広がる。

健太郎の指がギターの弦を巧みにかき鳴らし、さくらの歌声が室内に響き渡る。そこに直人がドラムをリズミカルに叩き、新たな音が加わっていく。


「(澤村くん、前に体験入部でギターの演奏をたまたま聞いたことがあったけど、やっぱり上手い...!一緒のバンドに参加したのは間違いじゃなかった)」


健太郎の繊細な指使いと卓越したテクニックに、直人は改めて驚きと感嘆の眼差しを向けた。

実は彼はバンドに誘われる前から健太郎のギターの才能に深く感銘を受けていたのだ。



三人の音楽の融合によって、部室は一体となり、魅力的なサウンドが満ち溢れる。

それぞれが持つ個性や才能が一つの音楽に昇華されていく様子に、三人は演奏しながら喜びと感動を共有した。





演奏が終わった後、三人は汗を拭きながら息を整えてた。

部室には演奏の余韻がまだ残っており、心地よい沈黙が広がっていた。



健太郎が疲れた表情を浮かべながら、深呼吸をすると、

「本当にいいセッションだったね。バンドってやっぱり良いな」



さくらは微笑みながら頷きました。

「そうですね。演奏すると気持ちがすっきりして、楽しさが溢れてきます!」


新たに加わった直人も満足そうに頷きながら言った。

「確かに、二人の演奏にすごく引き込まれた。自分もますます頑張ろうと思ったよ」




三人の間には演奏を通じた特別な絆が生まれた。

そしてお互いの音楽に対する思いや技術への尊敬が、ますます深まっていく。




再び部室に静寂が広がるも、その静けさの中にも彼らの心は躍動していた。

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