陸上記録会

ゆっくんがあらわれた

短歌連作 陸上記録会

テント建てシート広げて荷物置く記録会でのいつもの流れ


ストレッチしっかりやってスタジアム内の空気をぐっと吸い込む


いつもより今日は出番が早いから試合モードのスイッチをON


ぺちゃんこのムカデ見つけたきっとこれ誰か気づかず踏んだんだろな


召集の放送がありここからはいつもの笑顔忘れてキリリ


少しだけ緊張してる息の音しか聞こえないスタートライン


スタートだほぼ集団の真ん中だあれなんとなくペース早くね?


応援が聞こえるけれど僕じゃない応援の声もっと聞こえる


ゴールまであと一周だペース上げ前二人ほど抜いてやろうか


すぐ後ろ走ってたやつ急加速ごぼう抜かれる残り半周


肩で息するってこういうことだよねレース終わってすぐの感想


汗かいて胸のあたりに水たまりできたみたいになんか湿って


あとはもう今日は応援だけだからテントの中でほっこりするか


ポツポツがパラパラになりシトシトに変わってきたしトイレは我慢


芝生席一番前に乗り出して大声を出す走れ!行け行け!


ストレッチ友の背を押す手が止まる遥か遠くで踏切の音


ねぇどこ中?なんの競技に出る選手?いろいろと聞く知らん中学


幅跳びの競技見ながら友人とゲームの話しばかりしている


弁当の昨日の晩の小松菜のたまご炒めがなんか切ない


記録会終わってテント片付けて学校戻るまでが遠くて


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