短編賞に「特別審査員賞」がない理由を推測する

 よそさまの創作論のコメント欄にて↑の疑問を見かけたので、今日はこちらの話を。


「今回から長編部門に設けられた『特別審査員賞』、短編賞にはなぜないのか?」


 まずは長編部門の特別審査員賞について、公式の要項( https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_web_novel_009/detail )から概要を引用します。


> 各部門の特別審査員が推したい作品を選出します。

> 受賞作品は最終選考にノミネートされ、特別審査員による推薦コメントとともに最終審査で選考委員に審査されます。

> 特別審査員は、カクヨム公式レビュワー(特集ページでレビューを執筆いただいているライターの皆さま)、運営が指名する作品の発掘力の高いプロ作家ユーザーがつとめます。読者の皆さまに近い視点を持つ、Web小説の目利きがどの作品を選ぶのか、注目です。


 つまるところ読者選考に漏れても、ここで復活通過がありえる、ということですね。

 公式の特集記事( https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon9_strategy )にも以下のように書かれています。


> 「読者選考では惜しくも見逃されてしまっていた良作と出会いたい」

> そんな想いで今回、特別審査員賞を設けました。



 で。

 敗者復活の機会として設けられた特別審査員賞、短編部門にはなぜないのか。

 真相は運営側のみぞ知る、ですが、筆者は以下のように推測しています。


「短編賞は拾い上げが元からあるから、特別枠をわざわざ設ける必要がないんじゃなかろうか」


 短編賞の中間は、従来から★の少ない作品もいくらかの数が通ってるんですよね……

 例によって「別館・カクヨムコンデータ(柴田 恭太朗様) https://kakuyomu.jp/works/16817330650806209826 」をもとに、カクヨムコン8で「明らかに10%ラインを下回る★数(ここでは★20以下とします)で中間通過した作品数」を数えてみます。


 ・ファンタジー部門 5作

 ・恋愛・ラブコメ部門 6作

 ・現代ドラマ・ホラー部門 4作

 ・エンタメ総合部門 2作

 ・令和の私小説部門 11作


 合計28作。そこそこ通ってるんですよ。


 そもそも短編賞に関しては、募集要項に「応募された作品の中から、読者選考によるランキングを、カクヨム編集部による一次選考を行います」とあるので、読者人気だけが中間通過の指標ではないと明記されています。


 なので「★数の少ない作品の拾い上げルートが元々ある=特別枠をあえて設ける必要がない」、ということなのかと思います。



 ……ただ。

 これを書くために要項をあらためて確認してみたところ、長編の特別審査員賞って必ずしも「敗者復活」だけがメリットではないようで。

 要項( https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_web_novel_009/detail )より引用します。


> 特別審査員賞(異世界ファンタジー部門・現代ファンタジー部門・恋愛部門・ラブコメ部門・ライト文芸部門・ホラー部門・エンタメ総合部門より各部門3作品) 正賞:記念品  副賞:Amazonギフトカード5000円


 これ、選ばれた時点で記念品とアマギフ5000円がついてくるんですね……。

 そう考えると、やっぱり特別審査員賞あるのいいなあ、と思ってしまったりします。

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