ストロベリーピンクの妖精

片瀬智子

第1話 


 はじめまして。

 十三歳の理菜りな

 僕ら家族にとって、今日は忘れることの出来ない特別な出逢い。

 家族が笑うだけで世界が一瞬にして華やぐことを知った特別な一日だった。


 垂れた眉じり、笑うときに見せるウィンク……紛れもなく、うちの家系を継いでると母は喜んでいた。 

 まさか僕の家系に歌の上手な子が現れるなんてね。ビックリしたよ。そんな親戚はまわりにいないから突然変異なのかな。


 動画サイトの中では、『森の妖精・LINA』『歌姫・LINA』って呼ばれて人気があると聞いた。

 キミの歌声は透明で瑞々みずみずしい。

 普段はおとなしいのに、歌い出すと眩しい木漏れ日のような煌めきを感じる。

 久しぶりに心が踊った。


 でも本当は、寂しさと隣り合わせでずっと生きてきたんだよね。

 大丈夫、ここにはキミのほしいものが揃っている。

 探し求めていた愛が無限にある。間違いなく、キミは愛されるために生まれてきた。




 

 ことの始まりは自由奔放な僕の妹が、移住先のイギリスから娘を連れて帰国するという一通のメールだった。

 妹の優花ゆうかは二十歳でアメリカ人ハーフの男と熱愛後、両親の反対を押し切り、駆け落ち同然の結婚をして海外へ飛び出した。

 両親、特に母親が娘に過保護だったのは否めないが、優花は子どもの頃から根っからの無鉄砲で枠にはまらない性格だった。


 例えば小学生時代、雨上がりの水たまりには必ず元気に入っていくスタイル。

 高校時代に撮りまくっていた写真は全力の変顔しかなかったし、常に身体からエネルギーがほとばしっていた。

 結婚して家を出るまで、家族はそんな妹に振り回されっぱなし。しかも突然海を渡って出て行くなんて……。

 僕らは向こう見ずな優花を心配しながら、海外に行ったまま連絡をよこさないことにずっと腹を立てていたんだ。

 妹ときたら両親の心配をよそにマイペース極まりなく、忘れた頃に僕にメールを送ってくるだけだった。


 駆け落ちして一年後、優花は娘を授かったと僕に伝えてきた。

 名前はミア。

 猫の鳴き声みたいで可愛いなと思った記憶がある。

 当時、両親が孫に会いたいとしつこく言ってたけれど、妹からの返信はなかった。それからも数えるほどしか連絡をよこさない。

 写真や画像などは一切ない。

 優花に対するがっかりには正直もう慣れていた。僕ら家族は妹に対し、いつしか自然と冷めたものになっていった。


 月日が経つのが早いと思ったのは、ミアが十三歳になると知った時だ。

 その日はいつになく寝苦しい熱帯夜。真夜中、スマホを手に取ると画面にあったのは優花からのタイトルなしのメールだった。

 要約すると……。

 実は彼とは別居して十年が経とうとしている。ミアは十三歳になった。離婚して、これからは娘と日本で暮らそうと思う。

 出来れば、お兄ちゃんからお父さんたちにこのことを話してくれないか……というものだった。


 なんて身勝手な妹なんだろう。

 驚きとともに、多少なりとも怒りが湧く。

 十数年もほとんど音信不通に近い状態でいたのに、日本でまた暮らしたくなったから帰りたい。お兄ちゃんあとはよろしくね……みたいな。

 

「ふぅ」

 ベッドに寝転がったまま、僕はため息をついた。

 でもまあ元来、妹と違い穏やかな性格なのですぐに気持ちを切り換える。

 突然のこの状況が悪いことに繋がるなんて決まっていないんだから。状況の変化は進んで受け入れるべきだ。

 現状維持に安心感を覚えるのは人間の特性なだけで、楽天的な僕に未来はきっとつらくない。


 僕のことより大事なのは優花とミアだろ。

 両親はこのことを知ったらどう思うか。

 それより僕と両親、優花、まだ見ぬミアとの失った時間を取り戻すことは出来るのだろうか。


 

 月が綺麗な秋の夜、妹たちの乗った飛行機が成田へ着いた。

 二日後、僕のセッティングした食事会が行われる。場所は都内近郊のホテル。日本食レストランの個室だ。

 彼女たちの好物は知らないが、妹は和食が恋しいんじゃないかと勝手に判断した。

 当日、まず緊張した僕がだいぶ早くに着き、両親は渋滞に巻き込まれたため少し遅れると連絡があった。

 僕はあごにそっと手をやる。ヒゲの剃り残しはなさそうだ。

 妹たちが時間通りに現れた。


 優花は以前と比べ少し痩せて、メイクもファッションも海外を意識した仕様になっていた。

 ミアを自然な英語でうながし、僕に日に焼けた笑顔を向ける。

 気の強そうな見た目は変わってないが、英語を使えることで多少知性が増したようには見えた。


「……お兄ちゃん、ホント全く変わんないね」

 優花の第一声だった。どういう意味だ?

 実家暮らしの独り身、元カノには二年前にフラれた。今は会社と家の往復にこの身を捧げている。人生のタイミングは人それぞれなんだ、ほっといてくれ。

 なにもドラマティックな兄妹の涙を期待してた訳じゃないが、まあ、現実とはきっとこんなものだろう。

 妹は優秀な星から来た宇宙人といった感じで好奇心を研ぎ澄まし、僕と和室を眺め回していた。


「こんばんは。私はミアといいます」

 優花の後ろに隠れるように立っていた娘が流暢な日本語で挨拶してきた。肌が雪のように白く、少し寂しげな黒い瞳を持つ綺麗な少女だった。

 海外で育った子はおませなのか化粧をしていたが、控えめな性格は一目でわかる。早くから大人にならなければいけなかった子ども特有の落ち着きがあった。

 僕たちは日本語で少し話をした。東京は人やビルがとても多い。夜もずっと明るくて時間の流れが早いそうだ。振り返って妹に聞く。


「ミアちゃんはクォーターになるの?」

「まあそうでしょうね。父親がハーフなんだから」

 すでに僕に興味を失った優花が、スマホ片手に平坦な声で答えた。

「日本語は日常会話なら普通に出来るわよ。語学が得意みたい。私としか日本語しゃべらないのに発音も上手でしょ。きっと耳がいいのね……」

 妹が母親の声になった。

「この子、歌もうまいんだから」

 自慢げに言うと娘の長い髪をなでた。


「小さな頃から歌ってばかりいたのよ。……ずっとイギリスの片田舎に住んでてね。私が在宅勤務だったから、本当にふたりきりで生きてきたの。ミアは近所に友達もいなくて、ぬいぐるみを抱いて育った。私も若かったし精神的にもいっぱいいっぱいだったから、寂しい思いや我慢をさせたと思う。あんまり遊びにも連れていってあげられなかったし。でもね……森にお散歩に行くでしょ。この子が歌うと野ウサギや小鳥たちがそばに寄ってくるのよ。それがまるでおとぎの国で歌ってるみたいに可愛くて、可愛くて……。以前から動画サイトにミアが歌ってる姿を投稿してる。動物が歌を聞きにくる動画はいつもバズるの! ねえ、お兄ちゃん、『森の妖精・LINA』で検索してみてよ」


「森の妖精・リナ?」

「うん、本名は非公開。ずっとLINAっていう名前でやってるの。リナはね、世界中にネットの友達がいっぱいいるんだから」

 娘の肩を抱きしめながら微笑んだ。

 その言葉に僕は胸がつまった。

 楽しげに話してるけど、早くに別居して決して恵まれてない生活を垣間見た気がしたからだ。知り合いもいない異国で、母子家庭が大変でないはずがない。

 良いときも悪いときも勝ち気な妹がどんな思いでひとり、娘を育てていたのかと今まで想像したこともなかった。


「……優花、言ってくれれば」

 やっと出た僕の言葉を笑顔でさえぎる。

「やだ、お兄ちゃん。幸せなこともたくさんあったから向こうにいたのよ」

 妹は昔みたいに無邪気に笑った。

「そうだ。お兄ちゃんに聞きたいことがあったんだ。あのね、子守唄なんだけど、お母さんに歌ってもらったの覚えてる? 私は記憶にないの。でもミアが小さい頃から教えてもないのにいつも歌ってて……」


 子守唄?

「あーそうだな。あれは確か」

 僕も歌ってもらった記憶はほとんどない。

 母さんが子守唄を歌ってたのは今は亡き、別の妹へだ。

 実は僕と優花の間に、もうひとり女の子がいた。だが、この世に生を受けることは出来なかった。死産だった。

 当時の僕はまだ小さかったがぼんやりと覚えている。妹が生まれるのを心待ちにしてたから。

 妊娠中に母は、お腹の子によく子守唄を歌っていたのだ。


「もしかして、『ゆりかごの歌』とか『ねんねんころりよ』かな?」

 優花は瞳を大きくした。

「そう! ゆーりかごのうーたをカナリアはうたうよ~♪ ねーんねんころりよ、おこーろりよ~♪ っていう歌だよね。実は……」

 いきなり歌い出してテンションの上がったところで、急に和室の扉が開いた。


「ちょっとあなたたち、どうしてこんなところで歌ってるの! 部屋の外まで声が響いてるわよ、恥ずかしい。ああ……優花、本当に、ひさしぶりね」

 父と母がそこにいた。

 まさかのタイミングに僕らは笑うしかなかった。

 結局おごそかな再会ではなく、子どもみたいに母親に叱られるという感じで一瞬にして幸せなあの頃へ戻ってしまう。

 まるで、失われた時間などなかったように。

 それからは懐石料理を堪能しつつ、やがて話はミアのことになった。


「そうそう、お母さんにも聞きたいことがあるの。さっき歌ってた子守唄なんだけど……」

 優花が子守唄の話を持ち出すと、母は少し顔を曇らせる。そして神経質な仕草を見せた。

 人には普段、忘れていなければ生きていけない悲しい傷跡があるのだ。

 理由は僕にはわかった。亡くなったもうひとりの娘を思い出してしまうから。

「ごめんなさいね。あなたにはほとんど子守唄を歌わなかったと思う」

 母が言うと、妹が箸を置いた。


「ううん、全然いいの。気になることがあっただけ。ミアが子どもの頃、教えてもないのによくひとりでその子守唄を歌ってたのよ。日本の歌をなぜこの子が知ってるのかと思って。当時は、ネイティブの英語を覚えてほしくて日本語のテレビとかも観せてなかったから。……あと『ねんねんころりよ』の 坊や っていう部分を、なぜか っていう名前に勝手に替えて歌うの。どうしてだか分かる? それで、『LINA』をミアのハンドルネームにしちゃったんだけど」



 僕はこの時をことをきっと一生忘れない。

 そうだ、確かリナという名前は……。

 母も信じられないといった顔で父を見た。

「……ねーんねんころりよ、おこーろりよ。リナはよい子だ、ねんねしな」

 震える声で母は小さく口ずさんだ。


「リナってね、あなたのお姉さんの名前なの。理由の『理』に菜の花の『菜』って書くのよ。この歌は、お母さんのお腹に理菜がいる時に歌ってあげてた。だから優花は知らないし、ましてやミアちゃんが知ってるはずない」

 戸惑い気味の母の声がうつろだ。

 僕は当時の記憶の断片がよみがえってきた。


 母が妊娠したとわかった時、父と一緒に母にプレゼントを買うことにしたのだ。

 父がリップクリームにすると言って、僕に色を選んでいいと言った。

 僕は新色の中から『ストロベリーピンク』という唯一フルーツの名前が入った色を選んだ。

 そしてふたりで母に贈った。


「リナって、お姉ちゃんの名前だったんだ。うちでは触れちゃいけない話題だったから、よく知らなかった。お母さん……もしかして、理菜お姉ちゃんがひとりぼっちのミアが寂しくないように歌を教えてくれたのかな」

 妹の愛ある言葉に母の瞳がうるんだ。


「そうだったらいいわね。……でも優花、そんな状況だったらすぐに連絡をくれたらよかったでしょ。変な意地張らないで。ミアちゃんの子守をお母さんに手伝ってもらおうとかは思わなかったわけ? それにまだ子どもなんだから娘にお化粧なんてさせないで。そのままで可愛いの。ねえ、ミアちゃん」

 母の言葉に、優花が唇を噛む。

 このふたりは似たもの同士なのだ。イラッとする沸点まで似ている。


「だってお母さん、私はみんなの反対を押し切って、結婚して外国に行ったのよ。普通に考えてそんな簡単に戻れるわけないじゃん。だから結婚生活ダメになっても、ひとりでずっと頑張ってきたんだから! それにミアのメイクはお洒落でしてるんじゃない。……この子の頬には生まれつき、赤いアザがあるの。女の子なのに顔にアザがあって……私のせいだ、どうしようって思った。だから何度催促されても……写真送ったり出来なくて、ずっと苦しかった。でも今は見て。ファンデとチーク塗ったらもう全然わからないでしょ。赤ちゃんの頃よりだいぶ薄くなってるの。成長したら、ほとんどわからなくなるってお医者さんも言ってる」


 妹は涙をこらえながら、長い間抱えてきたつらい思いを家族にぶつけた。

 気の強い妹が守ってきたのは、なけなしのプライド。弱い心の内はきっと誰にもさらけ出せなかったはずだ。

「ママ、私、大丈夫……」

 ミアが優花に寄り添う。

 そっか、ふたりはそうやってずっと支え合って強く生きてきたのか。そう思ったら、いじらしくて仕方がなかった。


「頬に、赤いアザ?」

 母親が急に強い口調で、父の顔を見て言った。

 空気が変わる。こういう時の母は融通が利かなくなる。

「ねえ、ミアちゃん。よかったら……どんなアザか見せてもらってもいい?」

 妹が一瞬不思議そうな顔をした。

「お母さん、アザはメイクすると本当にわからないのよ。でも、ありがとう。心配してくれる気持ちは嬉しい」


「違うの。優花、お願い……」

 なぜか母は自分にとって切実な問題であるかのように迫った。そして普段おとなしい父さえもそれに同調する。

 そこまで言うならと言って、結局優花が娘の頬をウェットティッシュで拭った。現れたのはハート型に似た赤みだった。

「この子、肌が白いから昔は目立ってたけど、だいぶ薄れてもうファンデーションつけるだけでわからない程度よ」

 優花は軽く言った。その言葉は本当だ。


「気にするほどじゃないね」

 そう言って僕は両親を見る。

「……一体どうしたの」

 両親は、なぜか泣いていた。

 父も母もとめどなく流れる涙を隠すこともしなかった。僕の知ってる父の涙はあの日以来だ。お腹の子が亡くなった日以来。

 僕はショックで、今まで意図して感情の起伏を抑えてたのかもしれないと父を疑った程だった。


「……理菜」

 母が声を震わせ、ミアに手を伸ばした。

「理菜?」

 僕と妹が視線を合わせる。

 どういう意味だ。

「まさか……こんなことが、起こるなんて」

 絶句する父の言葉を母がつなぐ。


「ミアちゃんのそのアザね、……私が付けたのよ」

「え?」

 予想外の言葉が母の口からこぼれた。

「あの日……私が付けたの。いつか天国で、何としても理菜を見つけようと思って。目印なのよ。その、頬のアザは……」

 あとの言葉はもう涙で続かない。今度は父が話を代わる。


「理菜が亡くなって産まれた時、看護師さんが数分間だけ赤ちゃんを抱かせに来てくれたんだ。病院の個室で、お父さんとお母さんと理菜の三人にしてくれて。確か、お兄ちゃんはお祖母ちゃんと外で待っていた。寒い日だったよ。僕らはみんな、理菜を手離したくなかった。……でも、すぐに看護師さんが赤ちゃんを連れに来るとわかっていた。その時、お母さんが理菜を抱きしめて何か目印を付けたいと言ったんだ。時間はない。目印といってもペンも何もなくてな……。とっさにお母さんは、ベッドサイドの棚にあった口紅を取り出して、自分の唇に塗って、理菜に……眠ってるみたいな赤ちゃんの頬にキスをした……」


 僕は、父と一緒に母に贈ったリップクリームだとピンときた。

 ストロベリーピンク。

 母がいつの日か、天国で理菜を見つけるための目印。愛のしるし。

 その『愛のしるし』を持って生まれた子が今、目の前にいた。 

 僕は見えない世界に詳しくないし、特別信じてもいない。

 だけどもし今世、理菜の魂がミアの体で生まれてきたとしたら……。

 そうしたら。

 ミアが理菜の記憶を持っていたとしてもおかしくはなかった。

 お腹の中の理菜が覚えていたのは子守唄。



 ──ねんねんころりよ おころりよ

   理菜はよい子だ ねんねしな



 遠い昔に母が我が子に歌った子守唄を、ミアが今、LINAとして思い出して歌っている。


「優花。元気な子どもを産んでくれて……ありがとう。ミアちゃん、あなたに会えて本当に良かった。理菜なんて言って、ごめんなさいね」

 母は言った。頬をつたう涙は乾かない。あの日失った娘の体温を確かめるように、何度も孫の手をにぎっている。

 妹も母親の想いをくみ取った。

「お母さん、よかったら理菜って言ってもいいのよ。みんな、そう呼ぶの。この子をリナって呼ぶフォロワーさんが世界中に何十万人もいるの……」


 この日、僕ら家族に小さな奇跡が舞い降りた。

 愛に満ちあふれた空間で、理菜と呼ばれた少女が子どもらしい笑顔を咲かせている。

 両親はかなり舞い上がって、父など「家をリフォームして二人の部屋を造らなきゃいけないな」なんて大きなことを言い出した。


「あの子は家族と一緒にいられなかったけど、ミアちゃんが来てくれてお母さん本当に幸せ。ねえ優花、これって夢なの? ずっと願ってたのよ、理菜が一緒にいるみたい……今日叶ったのかな。お願い、夢なら覚めないでほしい」

 子どもの幸せをあきらめなかった母が何度も夢のようだと言って、悲しみが帳消しになるような泣き笑いをした。


「ねえ、お母さん。理菜お姉ちゃんは、お腹の中で十ヶ月間も一緒にいたんでしょ。そのことを忘れないでいて。……確かにここにいたのよ。すぐに天国へ帰っちゃったけど、覚えた歌を持って……また家族の元へ戻って来てくれた」

 照れ隠しなのか最後「しらんけど」とつぶやくと、優花は横にいた涙目の僕をはたいた。


 また笑いが起こる。

 夢にしては痛いし、あたたかい手だった。

 人はみな、誰かの生まれ変わりなのかもしれないと柄にもなく思えた。

 それならいい。

 時を超え、縁は巡り、愛の待つ居場所へいつか辿り着けるから。

 たまには不思議を信じるのも悪くない。

 ミアの不安げだった黒い瞳が輝いてるのを見て、ただ純粋に嬉しいと僕は思った。


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