わたしたちは無機物の悲鳴を知らない

蒼キるり

わたしたちは無機物の悲鳴を知らない

自分のために泣くあなたは人間、それでいいの声は届かない


宝石溶かした水の色をなんと呼びますかすいつけると綺麗


きれいだと言われた日もあったはずだ ぜんぶ忘れた全部がちがう


大切な人の声は知ってた顔はもう知らないきみは変わった


海のような瞳ですねと無遠慮に見つめる森の色の瞳


救われることを夢見るのはやめただからきみも救ってあげない


いっせーので走るのが平等とずっと教えられた嘘しかない


拾った貝に色重ねて元の色忘れて初めて永遠となる


ただそこにいたいだけと言えないだって愛も欲しい欲しくて割れる


そのままを愛せなんて言ってないよ、みててほらだれより輝くから


桜煮詰めて瓶に入れようと夢想した昔の私の愛しさ


綺麗なら愛されると思ってた飾りにされて微笑まれるのね


灰を侮ってはいけないそこにあるのは夢幻の色合いの空


走ってこい抱きしめてやるそう言えどついぞこなかった夜明けの星


泣けるだけ得な方だと囁いた夜もあったね遠くて泣ける


本を読みわたしわたしと喜んだ君はもう私とすら言えず


飾られた姿を見て息を吐いて綺麗だなんて一生言わない


愛が肯定なんて嘘だ愛などなくても生涯お前だけだ


それが愛?違ったはずもう忘れた、自分の形も覚えてない


まだ愛してくれますかあなただけは優しい笑みは否定 ひどいなぁ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしたちは無機物の悲鳴を知らない 蒼キるり @ruri-aoki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ