4話 家族

生まれて7年が経過した。

まず6歳の時に驚いた事は5歳は魔力を使うことが出来ない者が多いらしい。何故なら魔力が体に追いつかず上手く発動できないためのことだ。恐らく俺が使えたのは精神年齢が原因だろう。体の年齢と精神年齢が違うのだから。

そしてついでにその時に自然魔力の適性診断をしてもらった。

読み通り炎への適性があった。だがそれ以外の適性は無かったのこと…。

さて、本題に入ろう…今俺は野原の庭で父に組み手をしてもらっている。前にも話した通りベルフ家は代々炎を操る一族である。なので俺は少し前に炎を上手く扱えるようになりたいので父に稽古を頼んだら許可してもらえた。

父の名はタイガ・ベルフ。容姿は俺と同じ真っ黒な髪色をしていて赤の瞳色だ。髪型は短髪で顔立ちがとても凛々しい。そして熱血で優しくて…まぁ簡単に言えば親バカだ、だが間違った事は厳しく叱ってくれる。俺はそんな父を誇りに思う。


「どうした!炎をもっと上手く自分の物にしろ!」

「簡単に言うけど…それが難しいんだよ!」

右足で蹴りをいれたと思ったら、いきなりタイガが身の回りに炎を纏ったと同時に姿が消え…


「なっ!!??」

「後ろだ!」

俺は嫌な予感がし、周囲に円を描くように右手で炎を覆った。

「おおっと!!大したもんだ!」

あいにく嫌な予感は的中していたようだ。このまま炎を出さなかったら掴まれてただろう。

だが俺はこの時間が何よりも好きだ。すると…


「ご飯よー!そろそろ戻ってきてらっしゃーい!」


母が昼食の準備を済ませてた。

母の名はルイ・ベルフ…。容姿は美人で赤髪のロング、そして黄色の綺麗な目をしている。穏やかで優しい人だ…こんなに恵まれても良いのだろうかと思うほど両親はとても優しい存在だ。

俺は昼食に出てきた四角いサンドイッチのようなものを食べていると母が話しかけてきた。


「キュウキ〜最近調子はどう?」

「うん。順調だよ!最近は父さんと魔力の修行しているから!」

「まったく!キュウキはまだ7歳なのにしっかりしているなぁ!俺に似たのかな!ガハハ!」

「あなたはしっかりしていると言うより、暑苦しいだけよ!」

「暑苦しいとはなんだ!暑苦しいとは!」

「ところでキュウキ!学校は行きたい?」

「う〜ん…まだあんまりかな……」


学校か…正直言ってあまり良いイメージはないな


この世界にも学校がある。だが数学とか理科とか習う前世の世界とは違ってこの世界の学校は魔力について教わるらしい。


「ま!気が向いたらいつでも言ってくれ!キュウキはまだ7歳だ!今は楽しく生きよう!これからのことは考えれば良い!!」


父さんがそう言った。俺はそれが嬉しかった。


「…うん!ありがとう!」

俺は本当に恵まれているな…

「それに冒険者がある時代だ!学校に行かない人もそう少なくはない!」

「冒険者?」

「なんだキュウキ?冒険者を知らないのか?冒険者というのはな、まず町か村にあるギルドって所で簡単に登録する事ができる職業だ!冒険者はクエストを依頼してそれを達成する。んで報酬をもらう!基本何でも屋みたいなものだ!今じゃ冒険者は世の中沢山いるぞ!ただし冒険者になるには10歳以上じゃなきゃダメなんだ!」

「へぇ…そんなのがあるのか…」

いわばRPGと同じようなもんか…機会があったらなってみようかな…

そんな事を考えていながら食事を済ませると

「よし!それじゃあ少し休憩したら稽古するか!」

「おう!」


家族というのはこんなにも素晴らしかったのか


前世では両親はあまり相手にしてくれなくて優秀な弟だけを相手にしていた。

俺が学校でいじめられたことを知っても


「そんなくだらん事で泣くな。お前は兄だろ?」


と、いつもほったらかしにしてた。

俺が引きこもったらもう喋りかけてくる事さえしなくなった。

いつしか家族はずっとそういうものだと思ってしまっていた。


だが今の家族は違う…誰にでも優しく周りからの信頼も厚く悩みも真剣に聴いてくれる。

何度でも言おう…


俺はそんな両親が誇りだ!

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爆炎のレナトス キュウキ・ラミア @AKGAMI

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