第68話「第八章登場人物」
第八章の主な登場人物です。読み飛ばしていただいても問題ありません。
【王国関係者】
マティアス・フォン・ラウシェンバッハ(1184年3月3日生まれ)
本作の主人公。ラウシェンバッハ子爵家の嫡男。
ゾルダート帝国の皇帝から謀略を仕掛けられたが、それを逆手に取り、皇国救出のための策を実行する。帝国軍第三軍団を情報操作によって王国内に引き込み、二個師団二万の兵力を無力化した。
イリス・フォン・ラウシェンバッハ(1184年6月6日生まれ)
本作品のヒロイン。マティアスの妻、ラザファムの双子の妹。
マティアスと共に第二騎士団の作戦参謀として招聘され、参謀としても頭角を現す。また、黒獣猟兵団を率いて斥候狩りをするなど、前線でも活躍した。
ラザファム・フォン・エッフェンベルク(1184年6月6日生まれ)
マティアスの親友。容姿端麗・文武両道・冷静沈着の完璧超人。
エッフェンベルク伯爵家の長男でイリスの双子の兄。第二騎士団第一連隊第二大隊長。
フェアラートからの撤退戦で帝国軍を引き付けることに成功する。
ハルトムート・イスターツ(1184年9月9日生まれ)
マティアスの親友。双剣使い。第二騎士団第一連隊第三大隊長。
フェアラートからの撤退戦において、部下と絶妙な演技を行い、帝国軍を王国側に引き込んだ。
リヒャルト・フォン・ラウシェンバッハ(1159年11月30日生まれ)
ラウシェンバッハ子爵家の当主。マティアスの父親。
妻ヘーデ(1162年8月22日生まれ:バーゼルト子爵家出身)、長女エリザベート(1182年10月11日生まれ)、次男ヘルマン(1186年5月15日生まれ)
ヘルマン・フォン・ラウシェンバッハ(1186年5月15日生まれ)
マティアスの弟。マティアスとは異なり健康的で、体格もいい。
マティアスと比較されるため努力し、1204年12月に高等部を席次五位で卒業。第二騎士団に入団した。ヴェヒターミュンデの戦いに参加。
クリストフ・フォン・グレーフェンベルク(1165年2月12日生まれ)
グレーフェンベルク伯爵家当主。第二騎士団団長で、実質的な王国軍のトップ。
見た目は線が細い文官タイプだが、豪胆な性格。
マティアスが彼の名声を利用した策を連発するため、王国の守護神とまで言われるようになった。本人はそのことに困惑している。
カルステン・フォン・エッフェンベルク(1166年2月1日生まれ)
エッフェンベルク伯爵。ラザファムとイリスの父親。
ユリウス・フェルゲンハウアー(1184年10月10日生まれ)
王立学院高等部兵学部のマティアスたちの同期。第二騎士団第三連隊第二大隊長。
フェアラートからの撤退戦では、殿として活躍。
フォルクマーク十世(1172年8月25日生まれ)
グライフトゥルム王国国王。第二王妃アラベラにより、最愛の妻マルグリットを失ってから以前よりも更に覇気がなくなる。
テーオバルト・フォン・クラース(1142年5月17日生まれ)
宰相。マルクトホーフェン侯爵派に属する侯爵。
マティアスの策に乗せられ、いいように使われているが、本人は宰相として王国を切り盛りしていると勘違いしている。
オットー・フォン・メンゲヴァイン(1166年8月21日生まれ)
宮廷書記官長。反マルクトホーフェン侯爵派の侯爵。
マティアスの策ではよく当て馬にされる。
ミヒャエル・フォン・マルクトホーフェン(1181年10月15日生まれ)
マルクトホーフェン侯爵家当主。
姉アラベラと父ルドルフに反感を持つが、侯爵家を守るため、王都で派閥の引き締めに尽力する。
彼の知らないところで、帝国との交渉団の団長候補にされた。
カスパル・フォン・ノルトハウゼン(1157年9月7日生まれ)
ノルトハウゼン伯爵家当主。ノルトハウゼン騎士団団長。
ベルトホルト・フォン・シャイデマン(1161年2月11日生まれ)
第二騎士団参謀長。ノルトハウゼン伯爵家に属する男爵。
参謀長を辞し、ノルトハウゼン騎士団に復帰した。
マンフレート・フォン・ホイジンガー(1165年11月2日生まれ)
王国騎士団第三騎士団長。ホイジンガー伯爵。オレンジ色に近い赤毛で中肉中背。
ヴェヒターミュンデの戦いでは、第三騎士団を指揮し、防衛に尽力する。
コンラート・フォン・アウデンリート(1167年10月15日生まれ)
アウデンリート子爵。先代のレベンスブルク侯爵の次男でマルグリットの兄。王国第四騎士団長。
ヴェヒターミュンデの戦いでは、第四騎士団を指揮し、防衛に尽力する。
シュタッフス・フォン・シェルケ(1150年3月15日生まれ)
宰相府の秘書官。男爵。カイゼル髭が特徴的。
クラース侯爵家の寄子でマルクトホーフェン侯爵家のアイスナー男爵と旧知の仲。
マティアスを帝国士官学校に招聘する親書が届いた際に対応したが、グレーフェンベルク伯爵らの迫力に負けた。
オイゲン・フォン・グライリッヒ(1162年8月3日生まれ)
リッタートゥルム城城代。男爵。細身の美男子。貴族にしてはフランクな態度。中立派の貴族で、王家に忠誠を誓っている。第一騎士団に所属していたが、指揮官としての能力は高い。
エルヴィン・フォン・メルテザッカー(1167年12月1日生まれ)
第二騎士団参謀長(1205~1209)。男爵。ケッセルシュラガー侯爵家の家臣。金髪碧眼の美男子で、洗練された仕草から宮廷では女性に常に囲まれるほど。シャイデマンがノルトハウゼン騎士団に復帰した後の後任。
アルミン・フォン・リッケン(1185年2月9日生まれ)
第二騎士団第一連隊第三大隊の歩兵小隊長。リッケン伯爵家の嫡男。陰険そうな細い目が特徴的。
マティアスが騎士団本部を歩いていた際に絡んだ。1205年8月の出陣時に徒歩で行軍するも、小隊軍曹の助言を聞かず途中で歩けなくなり更迭された。
ディトマール・フォン・リッケル(1182年5月3日生まれ)
第三騎士団の中隊長。マルクトホーフェン侯爵家に属するリッケル子爵家の嫡男。兵学部を平凡な成績で卒業。
フェアラート攻略戦で突出し、兵たちを無駄に消耗したことから、ホイジンガー伯爵によって解任され、最下級兵士となり、敵前逃亡の罪で告発される。
【
デニス・ヴォルフ(1160年3月1日生まれ)
狼人族の族長。獣人入植地の責任者。
マティアスに絶対の忠誠を誓っており、
エレン・ヴォルフ(1186年8月11日生まれ)
デニスの息子。精悍な顔つきと引き締まった身体。
ゲルティ・ベーア(1160年2月10日生まれ)
熊獣人族の長。身長二メートルを超える体格を持ち、膂力も強い。
黒獣猟兵団の熊獣人族のリーダー。
クルト・ヴォルフ(1186年3月21日生まれ)
ヴォルフ族の戦士。片手剣と小型の盾を使う。黒獣猟兵団の戦士。痩せ型で目つきが鋭い。
剣術士としての才能があり、リオらの特訓で村でも有数の剣術士になった。エレンのライバル。同い年ということでエレンとはライバル関係にあるが、親友でもある。
ルーカス・ヴォルフ(1184年1月31日生まれ)
ヴォルフ族の戦士。槍使い。黒獣猟兵団の戦士。狼人族にしては長身で、身長百八十センチを超えている。二メートルほどの短槍を巧みに使い、体術も優れていることから接近戦で無類の強さを誇る。
レーネ・ヴォルフ(1185年6月1日生まれ)
ヴォルフ族の女戦士。双剣使い。黒獣猟兵団の戦士。勝気そうな雰囲気を持つ美女。
刃渡り四十センチほどの湾曲した剣を使う。スピードに優れ、撹乱が得意。
サラ・ヴォルフ(1186年10月15日生まれ)
ヴォルフ族の女戦士。弓使い。黒獣猟兵団の戦士。ふわっとした優しい雰囲気の女性戦士。短弓を使うが、その雰囲気からは想像できないような速射を見せる。
ミーツェ・ハーゼ(1184年5月15日生まれ)
兎人族の女戦士でリーダー。黒獣猟兵団の戦士。真っ白な兎耳が特徴的でかわいい感じの美女。スタイルがいい。
短剣を使うが、戦士というより斥候としての能力を評価され、黒獣猟兵団に採用された。
ヴィルギル・ベーア(1180年2月5日生まれ)
熊人族の戦士。マティアス護衛隊の一人。身長二メートルを超える大柄の戦士。髭面で三十歳くらいに見えるが、目は優しい感じ。
大型のカイトシールドと両手剣と見紛うほどの剣を使うが、リオらの特訓により、敏捷性もある。
ヴェラ・ヴァイスティーガー(1185年1月21日生まれ)
白虎族の女戦士でリーダー。黒獣猟兵団の戦士。真っ白な髪と虎耳、虎模様の尾が特徴的。身長190cmを超える美女。
両手剣を使い、攻撃力は獅子族のヘクトールと一二を争う。
ヘクトール・シーレ(1185年4月1日生まれ)
獅子族の戦士でリーダー。黒獣猟兵団の戦士。鬣に似た金髪と房の付いた尾が特徴的。身長190cmを超える偉丈夫。
両手剣を使い、攻撃力は白虎族のヴェラと一二を争う。
ミリィ・ヴァイスカッツェ(1184年12月31日生まれ)
白猫族の女戦士でリーダー。黒獣猟兵団の戦士。真っ白な髪と猫耳、白い尾が特徴的。身長160cmと比較的小柄で、大きなブルーの瞳が特徴的な美女。
短剣と短弓を使い、スピードで撹乱するスタイル。
ジャコモ・シュティーア(1183年2月23日生まれ)
猛牛族の戦士でリーダー。黒獣猟兵団の戦士。頭の側面から出ている角が特徴的。身長2mを超える筋骨隆々の巨漢。
2mほどのハルバードと大型の盾を使い、防御力は熊人族のヴィルギルと一二を争う。
【
マグダ(2000歳くらい)
カルラ・シュヴァルツ(700歳くらい)
マティアス付きのメイドとして護衛を務める。“
ユーダ・カーン(600歳くらい)
マティアスの直属として情報収集を担当。普段は三十歳くらいの執事姿で、ラウシェンバッハ子爵家に雇われたことになっている。
リオ(500歳くらい)←New
アルノー・レーマー(500歳くらい)
【商人組合関係】
ライナルト・モーリス(1172年12月12日生まれ)
帝国での情報操作、皇国への情報提供などで活躍。
マレーン・モーリス(1173年4月10日生まれ)
ライナルト・モーリスの妻。ややふくよかな体形で、金色の髪とグレーの瞳でやさしげな雰囲気を持つ。見た目とは異なり、剛毅さを持ち、世界中を飛び回る夫に代わり、マティアスの依頼を実行する。
【ゾルダート帝国関係者】
コルネリウス二世(1157年2月3日生まれ)
ゾルダート帝国第十一代皇帝。1192年に若干35歳で即位。リヒトロット皇国との戦いで功績を上げた軍事の天才。
一二〇四年十一月に
ヴァルデマール・シュテヒェルト(1159年4月10日生まれ)
内務尚書。金色の長髪を後ろで括った派手な見た目。
コルネリウスの腹心として、内政と情報収集を担当。マクシミリアンの才能を買っている。
シルヴィオ・バルツァー(1154年4月7日生まれ)
軍務尚書。細身で三白眼、モノクルを掛けている。
コルネリウスの腹心として、軍事を担当。マクシミリアン、ゴットフリート双方の才能を評価している。
マクシミリアン・クルーガー(1180年8月3日生まれ)
コルネリウス二世の次男。元帥。
若いが冷徹な戦略家であり政治家。マティアスの仕掛けた情報操作により、第二軍団長を罷免される。コルネリウスらと枢密院対策を検討し、元老たちを罠に嵌めるため、ノルトフェルス砦に幽閉されているが、マティアスが黒幕であると気づいた。
ゴットフリート・クルーガー(1175年7月23日生まれ)
コルネリウス二世の長男。元帥。
第三軍団長に昇進後、マクシミリアンの失脚により、第二軍団長に就任。エーデルシュタインにある帝国軍六万の総司令官として、リヒトロット皇国攻略作戦を実行。皇国軍に大きな損害を与えたが、情報戦で後れを取り、第三軍団を切り離された。
ザムエル・テーリヒェン(1153年5月30日生まれ)
ゾルダート帝国軍の将。第三軍団長。頬に傷がある強面の武人。
ゴットフリートの元上官であったが、彼の才能に魅了され崇拝するようになる。豪放磊落な猛将として兵士からの人気は高いが、その一方で将としての才はない。マティアスの偽情報に乗せられ、ヴェヒターミュンデ城で敗北を期す。
ウーヴェ・ケプラー(1163年4月12日生まれ)
ゾルダート帝国軍の将軍。第三軍団第一師団長。髭面でゴツイ体格、頑丈な鎧を身に纏い、騎槍を手にする、いかにも猛将という見た目。
ヴェヒターミュンデの戦いでは、罠に嵌まる。兵士たちを諦めさせるため、鼓舞するかのような芝居を打ち、その後戦死した。
カール・ハインツ・ガリアード(1155年8月12日生まれ)
ゾルダート帝国の将軍。第二軍団第一師団長。細面の官僚のような容姿。
長くマウラーの部下として戦術を学び、攻守にバランスが取れた堅実な指揮を執る。
ゴットフリートの直属となり、グリューン河沿いの攻略作戦で活躍。
ホラント・エルレバッハ(1160年5月30日生まれ)
ゾルダート帝国の将軍。第三軍団第二師団長。
ゴットフリート派の将。戦術的な能力的は攻守のバランスの取れ、沈着冷静な知将タイプ。視野がやや狭く、戦略や政略の面でマティアスに後れを取った。
オラフ・リップマン(1157年2月10日生まれ)
ゾルダート帝国軍の将軍。第三軍団第三師団長。長身痩躯。
能力的には多彩な戦術を駆使する万能タイプ。ゴットフリート派だが、自分より若いケプラーが第一師団長になったことから不満を持つ。
橋頭保を得た後、渡河したが、浮橋を焼かれてケプラーと共に孤立。ケプラーの戦死後、王国軍に降伏した。
イェフ・ハイドラ―(1184年1月20日生まれ)
ゾルダート帝国の小隊長。第二軍団第三師団第三連隊所属の偵察小隊指揮官。そばかすが目立つ童顔。リッタートゥルム城周辺の地形調査を行っていた際に黒獣猟兵団によって捕虜となる。その後、マティアスの策で帝国軍内に偽情報をばら撒き、皇都攻略作戦を遅らせる原因となった。
デニス・ロッツ(1166年11月12日生まれ)
ゴットフリートの護衛兵。身長二メートルほどの偉丈夫。騎兵としても歩兵としても優秀で、師団長に昇進後から常に傍らに置く。
ヘニング・ロス(1183年11月6日生まれ)
ゾルダート帝国の兵士。第三軍団第一師団師団長直属偵察中隊所属。帝国軍に志願して七年で精鋭部隊に配属された優秀な兵士。偵察隊では一番若く、目がいい。
シュヴァーン河渡河作戦前の偵察時に黒獣猟兵団に殺された。
【リヒトロット皇国】
テオドール九世(1158年2月3日生まれ)
リヒトロット皇国の皇王。優柔不断な性格で、帝国の侵攻に対し、貴族や軍人の言葉に惑わされている。
エマニュエル・マイヘルベック(1144年2月10日生まれ)
リヒトロット皇国軍の将軍。近衛騎士団長兼皇都防衛総司令官。白髪白髭の老将。リヒトロット皇国の名門マイヘルベック公爵家の前当主であり、家柄で総司令官になった。
マルコルフ・ナイツェル(1155年10月13日生まれ)
リヒトロット皇国軍の将軍。皇都騎士団の団長。身長190cmで横幅もあるが、筋肉質ではなく肥満体型。前線での経験はなく、無謀な作戦を実行し、ゼンフート村殲滅戦で戦死。
イルミン・パルマー(1167年4月3日生まれ)
リヒトロット皇国水軍の提督。日に焼けた顔と銅鑼声でいかにも水兵という感じ。
戦略的な視点はないが、戦術家としては優秀で、皇都の守りの要となっている。水軍であるため、皇都の守備に専念すべきと考えている。
ヴェルナー・レーヴェンガルト(1180年3月4日生まれ)
皇都騎士団の騎士長。レーヴェンガルト伯爵の次男。中肉中背で顔は平凡だが、親しみやすい雰囲気を持つ。兵学を学び、18歳で騎士団に入った。東方系武術の使い手。
ゼンフート村殲滅戦後、帝国軍の情報遮断作戦に従事し、帝国軍敗北の要因を作った。
ホレス・マイヤー(1174年6月12日生まれ)
ヴェルナーの副官。騎士には見えない温厚な顔立ち。
剣の使い手として戦いも得意だが、その他の細々としたこともでき、交渉なども得意とする。
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