第7話 中富(こうして彼女は人を探し始める)

>>というわけで今から和泉(イズミ)へのメッセージを考えておいてほしい。明日の告別式で親御さんに渡したいから、午前中には仕上げないといけない

>>おっけい

>>了解です

>>いまだに信じられないよな。和泉が自殺するなんて

>>『赤い封筒』のせいだって

>>誰かが『赤い封筒』で和泉を呪ったんだよ。殺してくれって

>>何だそれ。ただのおまじないだろ、バカみてー(笑)

>>でもそれなら納得できるかも

>>うん、ちょっと安心できるっていうか。このクラスみんな仲良いじゃん。いじめとかなかったし。それなのになんで自殺?て疑問なんだよね。

>>なにしろアイツ、マリーゴールドだしな

>>いやありえねーだろ。だったら俺、部活の顧問消してくれ〜って頼むわ

>>おい、友達が死んでんだぞ

>>冗談だって

>>そう信じれるほど、みんなの中で和泉君の自殺が不思議ってことね

>>でも『赤い封筒』はマジで叶うって友達言ってたよ。それで彼氏ができたって

>>私たちは彼のこと、何も知らないんだ




 最後のメッセージは中富マヒロ自身が送ったもの。

 この時の中富は無性に腹が立っていた。もっと苛烈な言葉を送りたかった。


 勝手なことを言うな、と。

 

 しかし自分にその資格があるのか?

 そこで中富は決心した。

 どんな手段をとってでも踏み込んでやろうと。

 しかし自分ひとりでできるだろうか。


(周りが見えないところ、あるからなぁ)


 どこかにいい人材はいないものか。

 今度新聞部で相談してみよう、と中富は思いついた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る