白桔梗 🌼
上月くるを
白桔梗 🌼
た走れる水にも影や春立ちぬ
山麓の無人の駅舎花あやめ
はなみずき咲くや動物診療所
青い鳥びつしり咲かせ青紫陽花
手のひらに水の真珠や夏の朝
星涼し心裏に棲めるわが少女
不仕合せ仕合せどつち水中花
置物の猫ほんものの猫ラムネ玉
往年のイタリア映画サングラス
雑念の入りやすき日あつぱつぱ
世にをとこおほしとおもふ凌霄花
けうだいのやうな恋人アマリリス
麻衣を人のかたちに着くずして
世人みなわれをそしりぬ泡立草
白桔梗こころに風の吹く日なり
秋澄むや書店の棚の文字あまた
さんづけで呼ばるる妻や花木槿
詩の生まる時ふひに来る鳳仙花
数へ日の暮れて家電の音ばかり
銀漢や宇宙も不滅ならずして
白桔梗 🌼 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます