こぶたが3びき
ある所にお母さんぶたとこぶたが3びき住んでいました。
ある日、お母さんが言いました。
「あなたたちはもう大きくなったのだから、家を建てて一人で暮らしなさい」と、3びきを追い出しました。
さて、追い出された3びきは三々五々家を建てるため歩き出しました。
一番兄のぶたは考えました。
めんどくさい。家を建てるなんて。
どうにか建てずに住める方法は……
そうだ。洞穴に住めば建てなくていいんじゃね?
そうと決まれば洞窟的なのを探そう!と旅に出ました。
その頃二番目の兄ぶたも考えていました。
めんどくさい。家を建てるなんて。
どうにか建てずに住める方法は……
そうだ。実家の屋根裏にこっそり住めばいいんじゃね?
こっそりと屋根裏に登り、ばれないように荷物を運びいれ住めるように改造しようと計画をしました。
その後、お母さんぶたは、「息子たちがいなくなったのに、存在を感じるわ。子離れしなきゃいけないと思ってるのに……だめねぇ」と、思ったとか思わなかったとか。
その頃末っ子ぶたは考えていました。
めんどくさい。家を建てるなんて。
基本的に周りがなんでも助けてくれて生きてきたのに最初の課題が家を建てるなんて、ハードルが高すぎる……
そんなことを考えていると一軒の家が見えてきました。近づいて見るとぶたのおじさんが薪割りをしていました。
「こんにちは~」
取り敢えず挨拶をしてみます。
「おっ、坊主、挨拶出来てえらいなぁ、こんにちは」
「なにやってるの?」
「見ての通り、薪割りだ。坊主は?」
そう聞かれて、いまの状況を説明しました。勿論、末っ子スキルをふんだんに発揮しました。
すると、
「そりゃ、大変だな。うーん仕方がない。手伝ってやるよ」
なんとトントン拍子におじさんの向かい側に家を建てることが決定しました。
無邪気に喜んでいるとおじさんは知り合いに声を掛け、結構な人数が集まり、立派な家を建てることができました。
勿論おじさんの奥さんが差し入れをしてくれるので食べるものにも困りません。
末っ子ぶたは幸せに暮らせそうです。
その頃、狼はというと。
働き方改革で長時間労働の見直しをされたため、有給休暇を取得していました。やられる仕事ばかり舞い込んできて辟易していた所に休んでよいと言われたのです。
毎回ひどいやられっぷりを披露しているのに危険手当てが付いたことがないのも見直しされるという噂もあります。
るんるん気分で旅行に出ることにしました。
行き先は勿論、極東の島国です。
なんとその国では「狼」は「大神」とよばれ、神様として崇められていると聞いたのです。
狼も幸せそうですね。
めでたし、めでたし。
昔々あるところに 羽入 満月 @saika12
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。昔々あるところにの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます