第14話 学校

 はぁ、これほどまでに新年のクラス替えが嫌になったことがあっただろうか?

 いや、無い!!


 なんでだ、なんでなんだ。なんで、あのクソどもと同じクラスなんだ。


 まぁ、急遽外国からかどこかからか編入生が来るかもしれないからな。

 もしそれが俺の思ったとおりだったら俺は何もない陰キャから解放されるだろうな。


 そんなことは置いといて、新しい教室に行き自分の席に座る、どうやら教室には一番乗りだったみたいだ、フハハハハハ、奴らが来た時の驚愕に染まった顔が待ち遠しい。


 さて、あとの時間は大人しく知識班のサブマスターが執筆した馬鹿みたいに分厚い資料でも読みますか、全部英語だけど。


 いやぁ、難しいことばっかり書いてるなこれって絶対日本語訳すると意味が分からなくなるでしょ、と感想を言いたくなるようなことばっかり書いてあった。


 いや、これお願いすればきちんと日本語訳してくれるのでは?まぁ、必要ないけど。


 そんなことを資料を読んでいると、ついに奴らが来た。


「おはよう、ってなんでお前が居やがるんだ。」


 そう、俺に向かって奴は言ってきた、その間に奴は俺との距離を縮めてきている、そして俺が持っているのは六法全書ほどの分厚さ資料か。いや、盾にも鈍器にも使えるからいいのか。


「脱出してきたからに決まっているじゃないか。」


 そう少し煽っているような口調で答えると奴は少し怒った様な口調で


「どうやって脱出したんだ?」


 と聞いてきた。

 それに俺はさらに煽り口調にしながら。


「何処の探索者が自分の手の内を見せるんだ?俺だってお前らに一度も本気を見せてないぞ。あと、そもそも階級も偽装で中級以上だし。」


「はっ、噓もいいところだぜお前みたいな奴が中級以上なわけないじゃねぇか、あと偽装ってなんだ頭いかれてんのか?」


「すまんがそのことは君たちには知る権利ずらないんでね。」


「んだとゴラァ。」


 そこまで煽るとさすがに奴も怒ったようで俺に殴りかかってきた、が俺はそれを避ける、ちょうどその時。


 キーンコーンカーンコーン


 と鐘が鳴り先生が入って来た。


「さて、始業式だ並んでくれ。」


 と言ってすぐに並んで始業式に行き、校長先生のつまらない話を聞いて教室に戻った。


 教室に戻り席に着いて、俺は再び資料を読み始めたうん、やっぱりこれは持っているだけでもトレーニングになる代物だ。


 ちょうど10ページ読み進めた時に先生が入って来た、いかにも覇気がなく教師の闇が見えるような先生だった。


「君たちの担任をする御影徹だ。」


こうして、クソみたいな一年が始まった。


 なぜ、『クソみたいか』だって?簡単な話じゃないか裏切り者と同じクラスになりたい奴なんていない、特に被害者ならその感情も大きい。もしあの時置いていかれたのが俺じゃないやつだったらおそらく死んでいただろう。あの人のように。


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第1章完

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同級生のパーティを初心者用ダンジョンのクリア後の部屋に置いていかれた錬金術師兼回復術師の俺、自称史上最強の吸血鬼の魔王の少女を拾う。 haryu @haryuinariyama

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