第2話
//SE ティーカップを運ぶ音
//SE 食器がテーブルに置かれる音
//SE ヒロインの猫耳がピクピクと動く音
「……ありがとうございますにゃん」
「にゃにをにゃにゃしているんですにゃんっ?」
//SE ふるふると猫の尻尾が揺れる音
「あ、また笑ったですにゃん」
「もう!さっきからにゃんで笑っているんですにゃん」
「それににゃぜ、きみがありがとうって言うのですかにゃん」
「全然感謝されるようなことしてにゃかったですにゃん!」
「はあ……」
「ふん、もういいですにゃん」
//SE お茶をすする音
「あ、あっついですにゃん」
「きみ!また笑ったですにゃん!」
「むう……」
「猫族に体質が変化したことで熱いものに敏感ににゃっているんですにゃん」
「だから仕方にゃいんですにゃん」
//SE 扉が数回ノックされる音
//SE ピクッと身体が反応する音
「……誰か来たんですかにゃん?」
「え、ちょっと見てくるんですかにゃん?」
「でもわたしが王宮を抜け出していることがバレたらどうするんですかにゃん」
「大丈夫ですかにゃん?」
「あっ!きみ、待ってくださいにゃんっ」
「まだ話は終わっていにゃいですにゃん」
「だから——」
//SE バタバタと主人公の足音が遠ざかる音
「——って、もういにゃいですにゃん」
//SE 遠くで扉が開く音
//SE かすかに聞こえるくぐもった話し声
「はあ……」
「どうしてこうにゃってしまったんでしょうかにゃん」
「わたしはただ認められたくて——」
//SE ふるふると首を振る音
「ダメですにゃん」
「こんにゃ弱気ににゃっている場合ではにゃいですにゃん」
「王女として堂々とした立ち振る舞いが必要にゃんですにゃん」
「これ以上、王宮にゃいでバカにされてたまるもんですかにゃん!」
//SE 部屋の中をキョロキョロと見る音
「それにしても——」
「意外と片付いていますにゃん」
「孤児院にいた時の彼は……」
「片付けるのが苦手だったはずだったですにゃん」
「やっぱり彼も変わってしまったんですにゃん」
「そういえばこの部屋….」
「魔法書が多いですにゃん」
「でもまさかまた彼から声をかけてくれるにゃんて」//少し感傷に浸ったような声で
「ちょっとだけ……」
「ほんの少しだけ嬉しかったにゃん」
「もうわたしのことにゃんて忘れていると思っていたにゃん」
「それに今のわたしにゃんて近づきたくにゃいと思うはずにゃのに——」
//SE バタバタと足音が遠くから近づいてくる音
//SE 咄嗟にティーカップに手を伸ばす音
// 開き直ったように、冷静を装った声で
「こほん、誰だったんですかにゃん?」
「きみ、どうしたんですかにゃん?」
「にゃんだか青ざめた顔をしていますにゃん」
「お友だちだったんですかにゃん?」
「ふう、安心したですにゃん」
「わたしがきみの部屋にいることはバレていないようですにゃん」
「てっきり王宮に戻らないわたしを探している近衛騎士かと思ったですにゃん」
「ところで……」
「きみが手に持っているのは——」
//SE ぴくんと身体が反応する音
//SE そわそわしたような雰囲気
「お魚ですにゃん!?」
//SE 椅子から立ち上げる音
//SE バタバタと駆け足で近づく音
「それにそのお魚はルビーフィッシュですにゃん!」
「すごく貴重なお魚ですにゃん」
「そして何よりも——」
「世界一美味しいと言われる食べ物ですにゃん」
//SE くんくんと匂いを嗅ぐ音
「にゃんだか….…」
「とてつもなく魅力的に見えますにゃん」
「ごくり……美味しそうにゃん」
//SE 空腹のため、お腹が鳴る音
「た、食べたいですにゃん」
「……ダメですかにゃん?」
「うん、待ちますにゃん」
//SE 魚が焼ける音
//SE もぐもぐとする音
「ん……」
「美味しいにゃん」
//SE カリカリとするかじる音
「きみは相変わらず料理が上手ですにゃん……」
「変わっていないところもあったですにゃん」// 懐かしむような声で
//SE 驚きでピクッと身体が反応する音
// 少し焦ったような声で
「にゃんでもないですにゃん!」
「ち、近いですにゃん!」
「少し離れて欲しいにゃん」
「あれ……」
「にゃんだかきみ離れたくにゃいんですにゃん」
「胸の奥がギュッと締め付けられる気がするんですにゃん」
「おかしいですにゃん」
「それに——」
「まぶたが重いですにゃん」
「……ん」
「にゃんだかすごく眠いですにゃん」
「ほんの少しだけ」
「ちょっとだけでも横になっていいですかにゃん?」
「ん……」
「ありがとにゃん」
//SE 身体が主人公に寄りかかり服がもそもそと擦れる音
「……」// すやすやと眠る声
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