第3話
//SE 時計の秒針が刻む音
//SE ベッドの上でゴソゴソ、もそもそと動く音
「ううう……」
//SE ふとんがめくれる音
「さむいですにゃん」//寝ぼけたような声で
//SE すぐにめくれたふとんを戻そうと手を伸ばす
//SE モゾモゾとする音
「……すりすり」
「ん……固いですにゃん」
「でも暖かいですにゃん」
//SE くんくんと匂いを嗅ぐ音
「にゃんか彼の匂いがする気がしますにゃん」
「にゃつかしい匂いですにゃん」
「ん……」
「好きな香りですにゃん」
「うん……」
「大好きなですにゃん」
「柔らかくて、心地が良い匂いですにゃん」
「すんすん……」
「ずっと嗅いでいたい匂いですにゃん」
//SE すりすりと頬をこすりつける音
//SE サラサラと髪を触る音
「それに気持ち良い感触ですにゃん」
「ん……」
「でも少しふさふさしていますにゃん」
「まるで彼の髪のような感じですにゃん……」
「なんだか……」
「おかしくなっちゃいそうですにゃん」
「まるで彼に包まれているような——」
//SE 隣でモゾモゾと動く音
「……?」
「……にゃっ!?」
//SE ばさっと布団をめくる音
「にゃ、にゃんできみと一緒のベッドの上にいるんですかにゃん!」
「ち、近いですにゃん!」
「退いてくださいにゃん」
「こんにゃところを誰かに見られてしまったら」
「まずいですにゃん」
「誰にも見つからにゃい保証にゃんてにゃいですにゃん」
「たとえ、きみの部屋であってでもですにゃん」
「だから、退いてくださいにゃん」
//SE 身体を押し退ける音
「にゃんで、残念そうな雰囲気にゃんですかにゃん」
「まるでわたしが悪者みたいじゃにゃいですかにゃん」
「はあ、仕方にゃいですにゃん」//呆れるような口調で
「その……」
「少しだけですにゃん」
「わたしにふれにゃいって約束できるですかにゃん」
「それにゃらば許可しますにゃん」
「そばにいていいですにゃん」
「もう……」
「わがままにゃところもちっとも」
「昔と変わっていにゃいですにゃん」
「にゃんでもないですにゃん!」
「きこえにゃくていいことですにゃん」
「それにしても、わたしの方こそ申し訳ございませんにゃん」
「にゃにがですかにゃん?」
「決まっていますにゃん」
「おさにゃにゃじみとはいえ、殿方の部屋で眠ってしまったことですにゃん」
「きみの好きにゃ人がいたら申し訳にゃいですにゃん」
「だから、ごめんにゃさいですにゃん」
「へ、へえ」
「今は、誰も好きにゃ人はいにゃいですにゃん?」
「それはよかったですにゃん」//少し安心したような声で
「え?」
「気ににゃっている人はいるんですかにゃん!?」
「こほん」
「べ、別に深い意味にゃんてにゃいんですからにゃん」
「ただ意外だにゃって思っただけですにゃん」
「でも……」
「気ににゃる人はいるんですかにゃん」
「どんにゃ人にゃんだろ」
「べ、別ににゃにも言っていませんにゃん!」
「気にしにゃいでくださいにゃん」
「だ・か・ら」
「聞こえにゃくて良いことですにゃん」
「それに近いですにゃん」// 恥ずかしげな声で
「もっとはにゃれてくだいにゃん」
//SE 秒針の刻む音
「そ、そういえば」
「わたしはどのくらい眠ってしまっていたんですかにゃん」
「今にゃん時ですかにゃん」
「深夜の12時ですかにゃん?」
「寝顔が可愛かったですにゃん!?」
「そんにゃ感想は聞いていにゃいですにゃん」
「照れてにゃいですにゃん」
「もう!」
「きみのことにゃんて知らにゃいですにゃん」
//SE もぞもぞと寝返りをする音
「あ」
「今日は満月ですにゃん」
「綺麗ですにゃん」
「……え?」
//SE パッと振り返る音
「そろそろ魔法が解けるかもしれにゃいんですかにゃん!?」
「それを先に教えてくださいにゃん!」
「え…..?」
「これから言うことを繰り返せば」
「さらに魔法の解ける時間が早まるんですかにゃん?」
「そんにゃ方法で魔法を解けるにゃんて……」
「聞いたことがにゃいですにゃん」
「わかりましたにゃん」
「にゃにをいえばいいんですかにゃん?」
「はあ!?」
「にゃ、にゃんでそんにゃ言葉を言わにゃければにゃらにゃいのですかにゃん!」
「きみ、絶対にわたしのことをからかっていますにゃん!!」
「……本当に効果があるんですかにゃん?
「言霊ですかにゃん?」
「はあ、わかりましたにゃん」
「試してみますにゃん」
「きみのことが大好きにゃん」//恥ずかしげに小さな声で
「なっ!?」
「聞こえにゃかったですかにゃん!?」
「も、もう一度ですかにゃん!?」
「もう!」
「わかりましたにゃん」
「……」//深呼吸する
「きみのことが大好きにゃん」
//SE ポンと魔法が解ける音
「あ……」
「解けました!!」
「ほんとだったんですね」
「も、もちろん信じていましたよ!」
「そ、そんなことよりも」
「わたしは急ぎ王宮に戻りますっ!」
//SE ベッドから降りる音
「流石に今頃、王宮内は騒然としていそうですから」
「だから、お別れです」
「……そんな悲しそうな顔をしないでください」
「また明日、学園で会えるんですから」
「もしかしたら軟禁されてしまうかもしれませんが…...」
「ふふ、冗談ですよ」
「ご安心ください」
「わたしの王宮内での立場はご存知でしょ?」
「誰もわたしのことなんて気にしていませんよ」
「つまらない噂が一つ増えるくらいのことです」
「なぜきみが悔しそうな表情をするんですか」
「……きみは相変わらず優しいんですね」
「こんなわたしのために怒ってくれるんですから」
「きみのそんなところが」
「大好きですよ」
「今日起こった出来事は内緒ですからね」
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