第16話 22歳のファーストキス

「……胸……感じるやろ…ふふふ」


「うわ…うなづいた…。正直者め…。エロイな…キミは…」


「なぁ、そろそろ…二つ目の約束…果たさへん? 私ね、思うんよ。私も、キミも、嘘は…ついてないって…。だって、やで? 七歳の約束やで? 憶えてる方がどうかしてるし、そのどうかしてる二人が、こんな風に抱き合ってる…。それだけで、奇跡やって思うやん?」


「せやったら、信じてええと思うねん…。二つ目の…約束も…。キミは…どう…想う?」


(ぎゅぅ…強くだきしめる音)


「ふふ…、言葉で言ってよ…。キミは、あんなにはつらつとしてたのに、この十五年間で、ずいぶんシャイになったんだね…」


「じゃあ、まずは…私のほっぺにして…?」


「抱き締めてるだけじゃダメ…だよ? そんなの…ごまかしにならない…」


(ちゅっ!!)


「うわ!! 突然すぎ!! びっくりしたぁ!! なにすんねん!! もう!! ドキドキしてたまらんわ…。こんな風に…抱き合ってたら…私の…心臓の音…聴こえちゃってる?」


「ふふ…やっぱりか…。でも…キミのも、大分、大きな音、してるし、響いてるよ…。この、Gカップに…」


「いいの! 離れないで!! エッチ…なんて言わへんから…」


(むにゅ……)


「どうだ!不意打ちの、は!! お互い、22歳まで、よく、キス、しないですんだもんやな…。こんなん…すんごい…素敵なやと思わへん?」



「ここから…始めようね…」

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2人は約束を守った @m-amiya

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