ポルボロン 三度も願う 溶ける前 一緒に食べよ 自力の一歩

ポルボロン

三度も願う

溶ける前

一緒に食べよ

自力の一歩








「ポルボロン」は、スペイン・アンダルシア地方に伝わる伝統的なお菓子。

 古くは修道院で作られてきました。

 クリスマスなど年末年始に街でよく売られています。

 スペイン語で、ホロホロと崩れる粉という意味だそうです。


 薄力粉をフライパンで10分ほど、軽く薄い色がつくまで炒ります。

 小麦粉中のタンパク質が加熱で凝固させ、グルテンを出にくくさせるのです。これによって口に入れた時、ほろほろと崩れる口溶けが生まれます。

 量が多いとわりとしんどい作業です。

 

 本場のポルボロンはラードを使用するようです。

 お後の基本は砂糖、卵黄、アーモンドパウダー。

 私はバターで、さらにアレンジ、シナモンやマロンパウダーやヘーゼルナッツペースト入れたりも……


 厚さ8mm程度にのし、型で抜くのですが、ほろほろとして作業にコツがいります。

 焼いた後も焼きたては柔く崩れやすいので、

わざと天板の上で覚まします。


 口に入れて崩れる前に「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3回言えれば願いが叶うと言われています。

 それくらいの口溶けなのです。

 地味深い、心を明るく楽しくさせてくれるお菓子です。


 崩れやすい性質上、一個一個パラフィン紙みたいなので包んで売られています。ちょっと可愛くて、しゃれた装いです。


 神社さんにお参りする時も、他力本願でお願いするのではなく、「頑張りますのでどうぞ見守ってください」

 そう誓いをなされる方も多くいらっしゃると思います。


 今回の短歌は恋の歌。

 どうせ口の中でこっそり願うなら。

「珍しいお菓持ってるんだけど……」

と意中の相手を誘ってみよう、その第一歩を踏み出す勇気を詠みました。

 3度唱えられたら、さらにその先の言葉を紡ぐ後押しになるやもしれません。


 あ、肝心のポルボロン、そこは願い込めて自分で作らんでも、お取り寄せにて買ったもので大丈夫ですよ……





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る