第5話 ざると茶こしとさらし
音や光、感情や言葉を受け止める道具があるとします。
人によって素材も大きさもさまざま。
きれいなもの、嬉しいものはたくさん受け止めたい。
悲しいこと、傷つくことは流してしまった方がいい。
10代の娘はさらしのようにほとんどのものを受け止めてしまうみたいです。
なかなか中身を減らすことができない。
だから疲れている。
処理がおいつかない。
40代の夫はざるのようにすべてを流しているようです。
のぞきこんでも何も残ってない。
よっぽど大きな塊以外は。
私はというと、昔はやはり娘のようにすべてを受け止めようとしていっぱいいっぱいだったけど、年を取って茶こしくらいにはなった。
生きやすくするための術だったと思うけど、昔はキャッチできたものをきっとキャッチできていない。
娘の気持ちをわかるようでわからない。
そんな微妙な関係に入ったのかもしれない。
つれづれ @akari_odashima
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