香川県知事の野望・四国だけでなく近畿も

香川県知事・大平誠司は、

密かな大きな野望を持っていた。


部下との話し合いで、

ひっそりとこう言った。


「四国や、もうほとんど香川んもんやけん、次は淡路島と和歌山に上陸ちゃん?」

「うどんを例にあげたるわ。四国のうどんや、どこで食べてもほとんど讃岐うどんみたいなもんや。実質もう四国は香川のもんなんじゃわ。」


「四国は徳島はうるさいこと言うてくるけんど、高知と愛媛はほとんど香川の提案に反対することはない。あいつらはなんも考えてないからなぁ。問題は時々、徳島が邪魔してくることじゃわ。」


「まぁ、でも、今回のアイドル省の案件では、淡路島と和歌山っちゅう、徳島の半分同盟国みたいなんがおるから、いくら、愛媛と高知がこっち側や言うても、ちょっとじょんならんな。今回は。」


「とりあえず、今回は、徳島と和歌山、徳島と淡路島の分断工作が必要やろ。なんとかせんとほんまにじょんならんわ。ジョン万次郎の手も借りたい言うてな。」


「だいたい、高知とかは怒らせんかったらなんも文句言うてこんし、愛媛は昔からボケボケ都道府県やし、敵は基本的に徳島になるわな。」


「岡山にも電波を発信できてる訳やし、あとは、まぁ、言うたら悪いけんど、淡路島や和歌山なんていうもんわ、近畿に上陸するための橋頭堡にしか過ぎんのやわ。香川からしてみたらな。」


「でもな、今回は情報が命なんやわ。もっと、全国に大々的に、うちのマーケティング課が表では宣伝してもらいつつも、裏では情報工作活動もやってもらわな困るっちちゅう訳よ。」


「だいたい、他の四国なんて、香川がおらんかったら、電気も作れんし、汽車やって走らせれん訳よ。もっと、脅迫に近うてもかんまんから、強力にやっていかなあかんわ。」


「香川って言ったら、やっぱり讃岐商人よ。昔から干ばつで厳しかった土地やったから、ヨソからどなしたら人が来るか言うて昔から考えて考えてしよった訳よ。金比羅山参りやってそうやし、讃岐うどんに、和三盆やってそうや。最近やとうどん県とかなんやかんや言うて人を来さそうとしよる訳よ。」


「この大会は基本的に出て行かん大会や。せやったら、香川に有利な大会言うことや。この大会で、和歌山と淡路島にも讃岐うどんという文化そのものを輸出していかなな。それが香川人言うもんよ。徳島みたいにアホみたいにヨソへ出っしょるところとは違う言うところと違いを見せな。」


「だいたい、徳島は、讃岐男に阿波女とか言うんも、貧しい徳島から口減らしのために、香川に来たいう意味やわな。問題は徳島だけや。徳島を特に見張っとけよ。」


と、部下に長々とツッコミの暇を与えることなく、

部下に伝え、

マーケティング課という名の裏ではスパイをやっているスパイ課に頼むのだった。

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