道国制と州県制という綺麗な二重行政
この世紀の大改革のより、地方分権が進み、各地の個性化がどんどん進んでいった。
各州政府は競い合うようにAIを開発していったが、当然のこと研究成果物を他州に渡すことはしない。カリスマ通信教師はビジネスだからうちのような過疎の中学校や高校でも料金を払えば、付き合ってくれるものの、州政府は異なる。
メンツとプライドの世界だった。
だから州政府も貸してくれとは口が裂けても言えないのだった。
さらに州県制だけではなく新たに十三道と令制国が復活した。
十三道というのは、
北海道
陸奥道
出羽道
関東道
北陸道
東海道
東山道
畿内道
山陰道
山陽道
南海道
西海道
琉球道
の十三道である。
令制国とは南海道は比較的有名だからわかりやすいので列挙するが、阿波や讃岐、紀伊などのこと。新の王莽もびっくりの古典回帰の政策であった。
州県制と道国制の一国二制度が導入された。
そこには日本の責任を取りたくない風土がそのまま反映された結果だ。
一人の人に権力が集中するアメリカ式の地方分権は見直され、
フランス式の地方分権型モデルが我が日本に導入された結果に加えて、
江戸時代式の誰が権力者かわからないシステムも導入されて、
新しいのと古いもののハイブリッド地方分権がなされたのであった。
主に州県制では行政官僚が、道国制では警察官や軍事官僚が支える構図で、
「国司と郡司かよ」と導入された当時は時代錯誤だとバッシングも受けた。
ただ、行政権の肥大は昔から指摘されていたことで、
司法の独立(司法は道国制)を果たす上で、大事な世紀の大改革であった。
政府も地方振興に力を入れていたが、
結局、地方の役人は国の役人よりも学歴が低く、
そこまで勉強していない人が多かった。
そこで州県制は主に内政権を与え、
道国制は警察・監督権を与えている。
鎌倉時代で言うところの守護を道国制。
地頭を州県制が担っているのだ。
たとえば、我が南徳市は四国州の徳島県主体の内政が行われている一方で、
南海道の阿波国として衛星中継されており、警察の体制は阿波国の国府から監視されている。ちなみに部活動などは軍隊の一部であるため、道国制で行われている。
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