ローカルアイドル振興法DE地方行財政大改革-南海地方編-

メグルハ

この国の官吏はいつの世も

「何をするにしても書類、書類、書類。役所というのは紙切れと書類と手続きでできた要塞だ。」


これはかつての北の大国の小説家の名言として知られている。


書類と紙と事務手続と、ハンコ。行政とはその要塞なのだ。


俺、天羽翔航(あもう わたる)。今日も事務手続に追われていた。上司に言われたことをとりあえずしておけばいいのだ。俺には替えはいくらでもいるのに。今日も歯車として働いていた。


頑張って働いても、頑張って働かなくても、報酬が同じなら頑張って働かない方がいい。失われた50年にこの国は突入した。まさに我が国の暗黒時代そのものだ。


世の中は危険でいっぱいだ。歩いていて服装や顔つきがおかしいやつは、たいていはひったくりやスリだと思っていたほうがいい。


逆に、やたらキャピキャピの高級スーツを身に着けて、高級時計、高級靴を履いている金ピカの男女二人組みの組み合わせはあれは詐欺師か不倫カップルだと思ったほうがいい。


先の大戦で国が荒廃したのは、人心だったのかもしれない。


我が国は先の大戦の結果、

●歴史

●地理

●哲学

の3つを必修にしてはいけないことになった。


それは戦勝国さまが命じたからだ。


科学は栄えたが、自分の顔で考えられない見た目は大人、頭は幼稚園児みたいな子ども大人が偉そうに闊歩している。


小人閑居して不善をなす。

負け犬の遠吠え。

弱い犬ほどよく吠える。


昔の人は物事をちゃんと見ている。


働かなくても生活できる社会になった。

これはロボットたちが生活を支えているからだ。


社長とロボットしかいない会社もたくさんある。


従業員に支払わず儲かった額の20%を国に支払う。

で、多くの国民はロボットが稼いできた食い扶持を分け合って生活している。


多くのお金を持っている人もいれば、

必要最低限のベーシックインカムだけで生きている多くの人たち。


たくさん恋愛をできる人もいれば、

全く恋愛をしたことがない男女が出てきたり、


たくさんセックスをしている男女もいれば、

処女も童貞もわんさかいる変な国になってしまった。



しかし、我が国は多額の債権国だ。海外の子会社が稼いだお金も立派な経常収支になる。国もそうだ。発展途上国の歳入が増えれば、我が国に利子をつけて返済する。多くの人たちは働かなくても、我が国の人という理由だけで、首輪をつけられた犬のような自由な暮らしを謳歌できていた。



時々、大雨が一気に降ってきたり、雨が全くふらなかったり、

気候はだいぶ激しくなったが、

まるで、引退後の年寄りのような穏やかな暮らしがこの国の民は過ごせるようになった。





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