第2話 狐との戯れ

 寒さの中、防寒着と暖房の温もりを感じて山道を走る。

 玲子は、白河の医者の娘として生まれた。父は病院を畳み、狩人をするために北海道の東端に移住した。

学生時代は肉好きが高じて肉屋でアルバイトをしていた。玲子の川沿いの借家には肉の部位の図鑑があった。肉と服をこよなく愛していた。

部屋着が高校時代の名前入りのジャージで奏はそのような所を知って行くにつれて愛くるしさを覚えていった。

 奏は、女性を苦手と思いつつも女性に囲まれて育っていた。母や母の友人、幼稚園には、奏にちょっかいを掛けまくる幼馴染。小学校では、ななちゃんという歳の離れた近所のお姉さんとかんなちゃんという一個上のお姉ちゃん。妹とその友達の桃ちゃん。めんどくさがりの奏はそれらの女性には、女性という認知すらなかったのかもしれない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

純愛 吉木 海 @coz000

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る