われはMetoo

梶木冴氣

われはMetoo 


ひなかには聖母のようなひとのいた寝言に逃げて叫んで泣いて


古傷は深いものほど新しいフラッシュバックに上書きされて


爆薬を呑まさる如く辛酸ぞ 沈黙させるな魂が死ぬ


魂が腐敗するがに胸底のぬめり吐かんや 禿鷹がくる


憐れなるわれを見る眼の冷たさと嘲笑う世を思い知らさる


憎らしきおもて脳裏に浮く刹那ブチッと潰すこぶしのなかに


敵陣は裏道忖度無関心 自陣は長いトンネルのなか


漕ぎ出でぬことのできない花筏耐え忍ぶことが美しいとは


庇護の中ゆえに辛さを較べずに団結できるチンアナゴかな


LINEにてweb小説しょうせつの誤字を指しくれる友はwith youわれはmetoo


コツコツと載せたる毎に息の吸え警笛のごと吹き得るまでに


くすり屋の甲賀の里の忍術はかくに卑怯だもっての外だ


くすり屋は念には念と牢屋への片道切符を溜め込んでいる


速報で字幕のながれ芋ずるに暴かれてゆくイメージのある


くすり屋は灰にはなれずウジ虫に喰われますよに 被害者一同


路地裏に迷い込みしかふらふらとお花畑にいたはずの蝶


龍の背に乗れる者も救われる心を強く備えんとして(歌詞中島みゆき『銀の龍の背に乗って』)




強いねと言われることを糧とせん認めたくない言葉は みじめ


またひとり引き潮のごと去りゆけり裡なるわれをひらけしのちに


預かりし情報を元に引っ張れや刑法変わった手柄よ走れ

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われはMetoo 梶木冴氣 @kajikisaki_57

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