シュレディンガーの猫【短編集】

おかえり

　五ヵ月ぶりの空気を吸い込む。

　長期出張から帰ってきた俺は久しぶりの景色を見ながら伸びをする。

　疲れた疲れた……そう思いながら一人で住んでいるアパートへと足を動かす。

　寄り道もせずにまっすぐに家へと帰った俺は鍵を取り出し差し込む。

　少しドキドキしながら鍵を回し部屋に入る。

　意外にも部屋は綺麗だった。

　「新築を選んだかいがあったな……」

　そう言いながらスーツケースを放り投げ、片付けもせずにベッドに飛び込む。

　襲ってくる睡魔に身を任せ、眠りにつく。

　目を開けると、日が昇っていた。

　ゴチャゴチャ散らばっていた荷物を片付け、朝食を準備をする。

　冷蔵庫にあった物を使い、野菜炒めを作る。

　解凍したご飯と一緒に頬張りながら、ふと疑問に思う。

　あれ、そういや俺＿＿＿＿