第15話 「白磁」について

 このエッセイは鷲生の中華ファンタジー「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」の「あとがき」です。


 拙作のURLはコチラです→https://kakuyomu.jp/works/16817330658675837815


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 今回お食事シーンが出てきます。

 中華ファンタジーをお書きになる方は食べ物の描写がお上手でいらっしゃいますが……済みません、鷲生はあまり詳しくなくて……。


 割と各国料理を作るのは好きなんですが……。

(で、料理好きな男の子が主人公の小説なんかも書いておりますw

「俺と料理と彼女と家と」https://kakuyomu.jp/works/16817139556272180772 )。


 もともと外食する習慣があまりないのと、ここ何年かはコロナ禍でしたしね……。

 お家で本山尚義さん『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』から何品かトライしておりました。


『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』というタイトルの本も購入しましたが、コチラは少し取り組みづらく感じてそのままです。


 使い勝手の良い「古代中国料理の本」があれば、購入してトライしたいと思います(現代の中華料理とはだいぶ違うんですよね、確か)。


 なお、『図説中国文明6隋唐 開かれた文明』の205頁に「工夫を凝らした料理」という項目があります。


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 中華ファンタジーでお料理を盛りつけるお皿はどんなものか。

 中国の陶磁器を思い浮かべようとすると「青磁」がぱっと出てきます。


 ところが。単なる好みの問題ですが、鷲生があまりこの色が好きではなくて……(ただの個人的な趣味です)。

「じゃあ、確か『白磁』ってのもあったからそっちにしよう」と思って、拙作では白磁の皿が並んでおります。


 ただ、後で『図説中国文明史7魏晋南北朝 融合する文明』を手に取って呼んでみますと。これで良かったようです。


 拙作の「董」王朝は、史実の「唐」がそうであるように北朝の系譜にあるとしております。


 そして『図説中国文明史5魏晋南北朝 融合する文明』140頁には「北方で出現した白磁」という小見出しがあり、以下のような記述があります。


「北方で製造されるようになった白磁は、中国陶磁器の発展の歴史のうえで、重要な意義をもっています。白磁は青磁から生まれたものですが、青磁の釉に含まれる青い発色をうながす成分である鉄が含まれていません」


「北魏の時代、南方の青磁技術が中原に伝わり、北方の製磁業は次第に盛んになりました。磁器の製作者は、焼成の段階で土や釉に色を付ける要因となる鉄や不純物をとりのぞくことに成功し、白磁をつくりだしました」


 うんうん、董の青濤宮に並んでいるのはまっ白な磁器でいいようですw


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 拙作では、南の蘇王国には羊がいないという設定です。


『図説中国文明史』の5か6で中国の南にも羊がいるような記述を見かけたような気がしたのですが、今ぱらぱらと見ていて見つけられていません。


 鷲生は単純に今羊が買われている地域が北の方であることや、あんな毛がもこもこした生き物が南方では過ごしにくいだろうと思って南の蘇にはいないだろうとしております。


 現実の中国南部にはもしかしたらいるのかもしれませんが、拙作ではいない設定なので、その前提でお読みくださいませ。

(あとあと羊の存在が話の展開にからんでまいります……)


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 今回は「この世界では徳の高い者が天から認められて統治し、その子孫が治世を引き継ぐ。しかし、子孫が必ずしも有徳者とは限らない。だから王朝が変遷する」という文言が出てきました。


 中華世界であった観念で、広く知られているかと思います。

 天から王が選ばれるのは小野不由美さんの『十二国記』でもそうですよね。


 専門家の書かれた本としては檀上寛さんの『天下と天朝の中国史』があります。

 以下の記事で紹介しております。

 ↓

 根幹の世界観の参考になるかも?『天下と天朝の中国史』

 https://kakuyomu.jp/works/16817139556995512679/episodes/16817330652344930218


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 これから南の蘇王の思惑が物語後半に大きくかかわってきます。

 どうか最後までご愛読くださいますよう。

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