第28話部長とは!?

皆さんこんばんは!俺は最上輝也。

今日は俺達の奇妙な出来事を話そうと思う。

とは言っても俺達の周りには常に奇妙な出来事ばかりしか起きない。

そもそも俺達のリーダーがそんな話が好きだからこそなんだ。

そして今日も。

「お?輝也!?」

「ん?仁か?今日部長は居ないのか?」

「そうなんだよ…部長は今日は用事があるとかで先に帰ったらしい。」

「そうなのか?じゃあ俺達も帰るか?」

「いや…それがな…これを見てくれ。」

そう言って俺の目の前に仁が差し出した何か。

それは一通の便箋だったんだ。

「これは??」

「部長がここに置いていったらしい。」

そしてオモテ面に目をやるとそこには『輝也様…仁様へ。』と書かれた文字。

「ん??なんだ一体これは??」

「分からないけど…何かがあるのかもしれないな…開けて見てみるか??」

「ん?仁見てないのか??」

「ああ…ここに輝也の名前も書いてある以上二人で読めって事なんだろうなと思ってさ?」

「まあ…な……じゃあ見てみるか!?」

俺たちは便箋を開け中の手紙を取り出すと中身をドキドキと見てしまう。

あの部長の事だ。

きっと何かあるに違いない…。

そう…これまでそういう事に何度遭遇してきた事だろうか。

その恐怖体験により俺達の胸の鼓動は早くなる。

そして…その手紙には。

この手紙を貴様らが読む頃には…もう私は部室…いや…今日はもう学校にすらいないであろう。

そんなお前らに今日は用事を頼みたいのだ。

それは…。

俺達は部長の指示通り町外れに昔からある洋館にきてみたのだ。

「ここか??輝也?ここでいいんだよな?」

「ああ…部長の手紙では…この山の上にある家の中に飾ってある何かを取ってきて欲しいって書いてあったな?」

「何かってなんだろ?」

「さぁな…でもここの古い洋館の中の最奥の部屋に行けって書いてあるんだろ??」

「うん……でもここの洋館ってさ。」

「ああ…なにかあったのか??」

俺達は洋館の扉を開きながら中へと足を踏み入れる。

そしてゆっくりと奥へと歩き出す。

と同時に仁は語り始める。

ここは昔…とあるお金持ちが住んでいたんだよ。

そこに住んでいたのはとある政治家。

だが…その政治家は表にはいい人と評判だったが…裏では何かあるという黒い噂があったんだ。

実は当時この政治家の名もこの街でもこの国でも聞くようになっていた頃。

とある事件が世の中を騒がせた。

深夜…この街で起こった事件。

一人の女性が忽然と姿を消した失踪事件が起こる。

その女性はその春就職したばかりだった。

彼女の就職した会社はこの街でもそこそこ大きく彼女の将来も安定したかに周りからもみられていた。

彼女は人当たりもよく好かれる存在だった。

ところがそんな彼女の噂を聞きつけた会社の代表…それは会社のオーナーという立場であっただけの…あのある政治家だったのだ。

ある時その政治家は突然会社に現れ彼女に声をかけたのだ。

普段は会社にもこない政治家…ところが会社に入社したての女性を自分のものにしていたらしいのだ。

そして…彼女はこの誘い以降。

この世から消えてしまったのだ。

その黒い話は…この建物内で起こったらしいんだ…だからこの建物ではその女性が恨みを声にし、出てくるらしいんだ。

そこまで話した仁。

「おいおいマジかよ仁…」

「まあ、そんな事があってその被害者の女性の憎悪の霊が出るとかって聞いてる。」

「仁も…部長の影響うけてんな〜。」

「お?輝也…それって褒め言葉か??」

「いや…褒めてねーよ…。」

俺がそう言うと仁は突然立ち止まる。

「どうした?仁?」

「いや…輝也…なにか聞こえないか??」

すると、俺にも聞こえてきた声。

『痛いっ!!もう…やめてください!!』

「えっ!!??」

仁は俺の隣りで立ち止まり震えていた。

さらに追い打ちをかけるように。

『いやぁ!!もう、いやぁぁぁーーーーっ!』

「ひと………し……………。」

仁の顔を見ると…そこには。

立ち止まりながら気を失っている仁。

俺はその手を取り走る!!!

「やばい!!これはやばい!!!!」

仁の手を取り走る俺。

そして、なんとか入り口まで辿り着いた俺達。

しかし、そこに何者かの姿が!!??

俺の目に入り口から差し込む光に照らされたその姿は!!??

「ぶ……ちょう???」

「ふぅ……お前達……こんな所でなにしてるのだ??」

「せん……ぱい??」

「どうしたのだ??輝也??」

部長に俺達のこれまでの経緯をはなす俺。

「ん?何の話だ??手紙…とは!?」

「えっ!?」

俺達はその恐怖を改めて実感した。

その後…目を覚ました仁に問いかけてみたが…

どうやら、その話も覚えていないらしい。

お読み下さりありがとうございました!

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