第23話とある女性の場合。

この世には生ある者とそうでないものが存在する。

そして…そうでないものは命ある者が羨ましく妬ましい。


そんな奴らが今日も。。。



一人の女性は仕事からの帰り道…トボトボと歩き帰っている。

現在の時間は深夜零時を回る。

「はぁ………今日も疲れた……明日はお休みだし早く帰らないとって思っていたのに押し付け残業ってどういう事??」

そう…私は人に物を頼まれると断れないタイプなの。

そして今日もそのお陰でこんな時間になってしまっていた。

私は家路を急ぐ。


すると私はアパートの前にある橋へと差し掛かる。

「橋まで来たけどここからまだ歩いて五分くらいかかる長い橋なのよね?でももうちょっとで着くわ。」

私はそう呟くと橋を渡っていく。

この橋にはとある曰くがある。

大昔からあるこの橋。

名前は『不落橋ふらくばし

昔からこの橋では沢山の人の生命が奪われてきたらしくて落ちてはいけないという願いを込め名前は付けられたらしいのです。

私はここの渡った先のアパートにこの春から引っ越してきて一人暮らしをしてきたの。

でもこの橋の話は結構有名で毎年一人二人と飛び降りる人もいるみたいで。

とはいえ私は霊感というものも無いしこれまでもおかしなものも感じた事はなかったの。

気がつくと時間は午前一時前くらいになってしまっていた。

そして橋も半分くらいまで差し掛かる。

すると私の目の前に月明かりが橋の上を照らす。

私が見た先には…ぼや〜っとした何かが見えてくる。

「えっ!?だれ??」

私の目には幼い少年が立っているように見える。

するとその少年はこちらに気がついたかのようにして見ている。

「誰なの??」

私の声に少年は気が付き微笑む。

その表情を見ると急に悪寒が私を襲う。

「えっ!?」

そして突然目の前からその少年は姿を消したの。

「ええっ!?」

私は思わず辺りを見回しそして橋の下を覗き込む。

が。

誰も落ちたのような姿も見えない。

私は身体が震えだしそして。

気がつくと走り出していた。

(これは…危ない!!本当に危険よ!早く帰らないと!?)

胸はドキドキ鼓動も早くなる。

私の身体はいてもたってもいられない状況。

怖い。

本当に怖い。

誰か!!!!!

助けて!!!!!

走る私の目から涙がこぼれ流れていく!!!

ガチャリッ。

私が部屋のドアの鍵を開ける音。

そして私は部屋の中になだれ込むかのように靴を脱ぎ捨て倒れ込む。

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……はぁ…怖かった。」

わたしは深呼吸をしながら思わずそう呟いてしまう。

やっと息も整い私はお水を飲もうかと起き上がり台所へと向かう。

「はぁっはぁっはあっ。」

「おかえり……お姉ちゃん。」

私が向かった台所には。

先程の少年が立ちそして手には水の入ったコップを握りしめていた。

「きゃああああーーーーーーーーーーーっ。」


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