第22話オカ研!!狐狗狸さん

「皆様こんばんは!私がこの黒の怪奇譚のストーリーテーラー黒乃と申します。さて、本日の物語はあのオカ研の話。どうやらまた楽しそうな何かが起こりそうですよ?」

俺はオカルト研究会…通称オカ研に半ば強制的に入れられた最上輝也。

この物語はそんな俺が青春を謳歌する物語…だったはずなのだが!!??

「部長!!???」

俺は部室のドアをガラリと開く。

すると中では仁と部長は何かをしている模様。

「あれ??二人とも何してるの??」

二人はテーブルで何かをしてるようだ……。

俺は近づき二人の行動を見ていると。

部長はぶつぶつ語り出す。

「コックリさんコックリさん…仁の好きな人の名前を公表せよ。」

ん?なんだこれは??

いかにも怪しいこの遊びは『コックリさん』。

これは誰でも経験があるのではないだろうか?

かくゆう俺も数度は経験がある。

俺は大人しく二人の行動を大人しく見ている。

すると仁がなにか心做しか力が入ってる気がする。

すぅーっと動き出す手は文字を辿っていく。

「ふ」

「じ」

「の」

「り」

「ょ」

「う」

「こ」

「ぐはっ!!??」

「あーっはっはっはーーー!!そうか?そうだったのか??仁は私の事が好きだったのか?」

俺はその遊びに笑いが込み上げてくる。

「はっはっは!!仁!そうか?お前部長が好きだったのか??」

俺が笑っていると二人は再びコックリさんを開始する。

「ん??」

「コックリさんコックリさん…最上輝也の好きな人は誰ですか??」

部長のその言葉に俺は驚いてしまう。

「なっ!?何してるんですか??」

俺のその言葉も虚しく二人の指とコインは再びずーっと動き出す。

「ふ」

「じ」

「の」

「り」

「ょ」

「う」

「こ」

俺はやっぱりとため息をつく。

「はぁ…」

「おい!輝也…」

「はい??」

すると部長は満面の笑みを浮かべる。

「そうかそうか二人ともやっぱり私を好いていたのか…ふむ。」

「「……………………。」」

俺たちの中に時が止まる。

「お!お前達!そういえばこのコックリさんにまつわる話を知ってるか??」

「コックリさんの何か不思議な話とかですか?」

すると部長は頷きそして語り出す。

コックリさんとは「狐狗狸さん」と書く。

世界にもダウジングやらテーブルターニングやら似たようなものがある。

私達が住むこの街にもコックリさんをして奇妙な事件に巻き込まれた話が語り継がれている。

一昔前…三人の女子高生がいたのだ。

仲良しグループの彼女達はこのコックリさんをよくやって遊んでいたのだ。

そしてある時。

彼女達はオカルト的な事に興味があり…深夜の学校内に残った。

深夜の学校。

それは彼女達の興味をとてもそそったのだ。

そして彼女達は深夜までコックリさんをしながら遊んでいた。

「コックリさんコックリさん…」

そう三人はいつもの様に。

ただ遊んでいたのだ。

「ねぇねぇ!コックリさんって狐狗狸さんって書くんだって知ってた??」

「えっ??そうなんだ?狐と…狗と狸…かぁ。」

「そう!私もそれこないだ聞いた!名前には結構、奇妙な文字使われてるんだね?」

三人はコックリさんについて語り出す。

「そうそう!それでね!最近深夜にこれをしていると何かが出てきて更に強い力を手に入れる事が出来るとかって聞いたんだよね?」

「そうなんだね?だからこの企画を思いたったって事なんだね?」

「そうそう!じゃあ次は今度はコックリさんに色々質問してみようか??」

「あ!いいねいいね!」

そして三人はまたコックリさんを再開する。

「コックリさんコックリさん…ここにいらしてますか?」

するとすすすっと指は動き指は「はい」の所で停止する。

「うわっ!きたよ!」

「じゃあ次の質問いくね!」

「コックリさんコックリさん…あなたは狐ですか?」

すると指はいいえに進む。

「えっ?狐狗狸さんって狐じゃないんだ?」

そして次に進む。

「コックリさんコックリさん…あなたは狸ですか?」

またもや指はいいえに進む。

「えっ?狸でもない………じゃあ…いぬ?」

すると指はまたもやいいえに。

「えっ?えっ?じゃあ正体を…教えて!!」

そう一人の女子が言った。

指はゆっくりと動き出す。

「お」

「に」

「「えっ!!???」」

三人が次の瞬間見てしまったのは。

巨大な鬼が自分達を見下ろしていた。

そして。

「という話があったのだよ?」

俺も仁も動けなくなっていた。

「い…いやぁ……部長の話はほんとにリアリティがありますねぇ。」

「本当に!いつもやっぱりこえーな!」

「いやいや私はこの手の話がすこーし得意なだけだ!さ!そろそろ私達も帰ろうではないか?」

部長は立ち上がる。

ゴツンっと何かに頭をぶつける部長。

「いったた…誰なのだ?こんな所にこんなデカイものを……。お……おお。」

「部長?いきますよ?」

俺は仁と目を合わせ頷く。

そして部長の手を握る。

「「うわぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」」

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