第21話秋と言えば。山?
「はぁっはぁっ!!くっ!!??」
一人の男が山の中で何かに終われ進む。
そして奴に襲われた時に挫いた足が急激に痛んだ。
「うぐっ!!??」
その痛みは俺の歩行を困難にしていく。
だが。
何も無ければ俺だってこんなに走る事はない。
だけどこいつは。
◇
◇
◇
そう…俺は今日はこの山に登山に来たのだ。
天気は快晴、心地いい爽やかな風が吹く本日。
俺は山を登っていたのだ。
「おお!すっげぇいい風だな!これは絶好の登山日和とでもいえるな!」
そう。
俺はこの時とても気持ちよく登山を開始した所だった。
この季節は秋。
涼しくもなってきて登山をするには絶好の気候。
故に人があちこちにいるのかに見えたのだ。
だが。
俺はこの時まだこの後の恐ろしい事件の事などは知る由もなかったのだ。
◇
◇
◇
「うおーーーっ!!やっときたぞ頂上!!」
俺はそう叫ぶと思い切り深呼吸をする。
「すーーーーーーーーーーーーっ!!」
「はぁーーーーーーー。」
「空気が美味い!!そして今日は誰もいないから俺一人だしこの山とこの空気は俺のものって感じだな!!」
そう。
君は何を言ってるんだ??
なんて突っ込む様な人間の存在もここには無い。
俺の俺による俺だけの世界。
頂上から下の世界を見るとそこの景色の全てが俺のもの的な不思議な感覚に陥る。
そして暫く眺めた後俺は昼ご飯を準備して食べる事にする。
俺が山で食べるご飯は家で作ってきて山でコンロでお湯を沸かし食べる。
それくらいの事。
でもやはりいつ食べても美味いと思う。
そして俺は昼食を風景を味わいながら食べる。
「ふぅ……やっぱりうまい。」
俺が昼食に浸っていると。
突然後方からガサッという音が聞こえる。
(なんだ!!??)
俺は鼻に何かの息遣い…少々生臭いような匂いを感じる。
するとはぁはぁという息づかいが聞こえ俺は背筋に何か嫌な気配を感じてしまう。
「はっはっはっはっ…………」
犬のようなその息づかい。
でも犬のそれよりも明らかに感じる息遣いは少々大きい気がした。
俺は何かを察し後ろを振り返る事にしたのだ。
ゆっくり…ゆっくり俺は…振り返っていく。
すると。
そこには俺の予想していた。
やつ。
大きな熊……が四足で立ち俺を後ろから見ていたのだ。
(これは……大きい………。)
日本にいるそれ。とは見た目が違い俺はその恐ろしさに思わず唾を飲む。
(確か聞いたことがある。熊と出会ったら目を合わせ続ける…そして…そのまま後ずさりをしゆっくりと離れるといい。)
俺は何かで見たそれを実践してみる。
熊と視線を合わせ後退りをする。
ゆっくり…ゆっくりと。
離れていく。
そして。
熊と一定の距離をとり俺はふぅっと息を吐く。
「もう…大丈夫か?」
俺は安心しこのままゆっくり下山しようと考える。
そして俺はそーっと振り返っていく。
すると、目の前には。
二頭の小熊が待ち構えていた。
俺は小熊の姿に癒しを覚えてしまった。
もちろん可愛さも感じるのだが小熊になら勝てると俺は思ってしまう。
そして小熊二頭は俺に近づきじゃれ始めてくる。
「うわっ!やめろ!」
俺は二頭の小熊をおいはらいその場を去ろうと考える。
ぎゃーぎゃーと声を上げ俺の足に絡みついてくる小熊。
初めは可愛いと思いながらいなしてはいたが後ろから後ろから着いてきながらからまってくる。
そして俺の服を噛み。
ひっぱられる。
俺は徐々に鬱陶しさを感じ始める。
そして。
ガブッ!!!!!
俺の腕を思い切り噛む小熊。
「うあっ!!??」
腕に強烈な痛みを覚え俺は思い切り小熊を殴る。
ギャンっ!!!!!
そして俺は小熊をその場に叩きつけてしまう。
小熊はピクピクと震えその場に伸びてしまう。
気がつくと俺の腕からは血が滴り落ちていたんだ。
その時。
後ろからはぁはぁとでかい何かの息遣い。
俺がゆっくり後ろを振り返っていくと。
倒れた小熊の前に入り俺の目の前に立ち尽くしていた親熊の立ち姿。
俺の表情は次第に強ばり震えてくる。
そして。
「うあああっ!!!???」
バキッ!!!!!
俺が驚き走り出したその時。
鈍い音がきこえると俺の身体は地に叩きつけられる。
身体に強烈な痛み。
親熊に思い切り叩きつけられた身体はどこか骨が折れてしまった痛み。
俺は立ち上がれなくなってしまった。
「あ……あ……………。」
声も出ないその時。
ズンッと背中に強烈な痛みが!!!
熊による恐ろしい攻撃による痛みはバキバキっと音が聞こえそれにより俺の身体の骨が数本折れたのであろう。
俺は顔を持ち上げる。
「あ……あ…………。うああああああああっ!!」
俺の目に映ったのは大きく空いた熊の口。
そして。
「あああああ!!!!!!!!!!!!」
◇
◇
◇
俺は。
身体中が痛みで動かせなかった。
右手と左の足は。
もう食われた。
ドロドロと血が流れてるのが分かる。
くちゃくちゃと音を立てて何かを食ってる熊の咀嚼音。
それは俺の身体を食ってるのであろう。
俺は。
俺は…………………。
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