第14話秋そしてオカ研は。
皆様こんばんは!
徐々に秋めいて来ましたがいかがお過ごしでしょうか?
こんな私でも秋というのは心寂しさを感じるもの…。
そういや歌に「うさぎおいしかのやま〜」という歌もあるくらいですし秋には兎というワードも合いますねぇ。
そう学生の彼らも秋と兎に季節を感じ始めたようで。
◇
◇
◇
「輝也!!??」
俺を呼ぶのは
「んあ?どうしたんだ?仁?」
「んん…実はな…最近誰かにつけられてる気がするんだよ?」
「ん?なんだそれ??ストーカー??」
「いや!違う!断じてそうではない!」
「じゃあなんだよ??」
「お前は何故そうやって人の幸せを聞く体勢…つまり不幸系の話ばかり聞きたがるんだ?」
俺は仁の言ってる意味がよく分からず聞き返す。
「じゃあ仁…なにがあったっていうんだ?」
「ふふん!」
ニヤニヤする仁になにか寒気を覚えたが続きを聞こうと待つ。
すると仁は一枚の封筒を俺に差し出してきたんだ。
「ん?手紙??」
「そうだ!実は昨日の帰りになんと僕の下駄箱にこれが入っててな?」
「お?おお!!」
「それでな!一度は家に持って帰ったんだがどーしてもお前に自慢がしたくてな!」
「お、おう。」
「なんだよ!その負け犬みたいな顔は!どうだ?でも無理はないか?僕はこうしてもててしまうんだからな!」
「うるせーよ!」
俺はこの時、言い返さなかった。
なぜなら俺は、よくラブレターなるものを貰うからだ。
だが言えない。
親友の笑顔とこの自慢げな話を聞くのは嬉しかったんだ。
「で?相手は誰だよ?」
「お!いい事を聞いてくれた!親友よ!それがな。」
「ああ!」
「宛名がないんだよ?」
「は??」
すると部室のドアが軽快に開く。
「お疲れ様!皆の者!何か廊下に丸聞こえで話してたみたいだがどうしたのだ??」
「えっ??部長??」
「あ!部長!お疲れ様です!」
俺達の声に反応して入ってくるや否や質問をしてくる辺り流石は部長である。
部長の名前は藤野涼子。
美しくもこのオカ研の部長であり少し変わった女子だ。
「それで??何事かね??」
「それが。」
俺と仁は経緯を話した。
ふむふむと聞く部長。
すると部長はソファーにドカりと腰掛けると。
その口を開いたのだ。
◇
◇
◇
「いいか?おまえら…よーく聞くがいい。」
実はココこの街で最近ストーカー事件の様な事が度々起こっているらしいのだ。
初めは家のポスト、もしくは学生なら下駄箱等に一通の手紙が届くらしい。
ん?俺も仁も部長の話にえっ?と。
「いいから最後までよく話を聞くのだ!」
「「あ!すみません。」」
「それでな!中身を開くと手紙の中身は我々人間には読めぬ文字らしいのだ。」
「文字が読めない手紙?」
「そうだ…そしてそれを読み内容を理解できた者だけが被害にあいその被害者が後、どうなったのかは人それぞれらしい。」
「え、それって何の事件なんですかね?」
「不思議だろ??怪奇と言えば怪奇だが被害者の中には幸せに過ごしてる人もいるらしいのだ。」
「確かに不思議な出来事だ。」
俺はそうは言ったがこの時…嫌な悪寒が走る。
「仁!!この事件はお前が幸せを掴むのかも知れぬがもしかしたら危ない橋を渡る羽目になるやもしれぬ…その手紙…開封せよ。」
「ひぃっ!やっぱりかーーーっ!!!」
こうして仁は手紙を開く。
そしてゆっくりとその手紙を開いていく。
仁は恐る恐る手紙の内容を確認する。
すると。
不思議そうな…それでいて笑顔を含めた困惑の様な顔をする。
「仁!ちょっと読ませてくれ!」
俺は手紙を奪うと部長と内容を見てみる。
「これは…。」
「分かったのか?輝也??」
「いや、全く分かりません。」
「残念ながら私にも分からない…。」
すると仁が突然席を立つ。
「どうした?仁??」
俺の声に手紙を手に握ると部室を出ていく仁。
部長と共に仁の後を追う。
「これは一体。」
「もしかしたら何か…に呼ばれてるのかもしれぬこの行動!万が一があるやもしれぬ…ついて行くぞ!」
「はい!」
こうして俺達は仁の後を追って行く。
学校を出て街を抜けるとどうやら小高い丘を目指しているようだ。
「ここって??」
「ふむ…一先ず仁が止まる所までついていこうではないか!?」
「はい。」
俺達は仁の後を追う。
仁は小高い丘の先の森へと入っていく。
そしてどんどん山に近づいていく。すると急に立ち止まる。
その先には古い祠があった。
「ほほぉ…ここは……。」
部長のその声に俺も祠を見てしまう。
祠の上にとある名前が記されていた。
「祠神兎?」
「いや、ここは昔兎が大量に食われていた土地…そしてその兎の魂を鎮めるための祠だよ。」
すると俺達の目の前から姿を消していた仁。
「あれ?仁がいない!」
「どこに行ったのだあいつは。」
俺達は辺りを見回しても仁の姿がない。
すると祠の後ろから聞こえてきた何かの音。
バリバリぽりぽり。
「なんだ??」
「何の音…ですかね?」
俺達は恐る恐る後ろに近づいていく。
バリバリ…ボリボリ。
くちゃくちゃ。
「心の準備はいいか?」
「は…はい。」
そしてそこに見たものとは!!!!!
◇
◇
◇
人参を手に取りパリボリ食べてる仁の姿が!!
「ひっ!?」
「うぉーーっ!!??」
仁は目を赤くし恍惚の表情を浮かべヨダレを垂らし、どこから持ってきたのか生の人参をぽりぽり貪る。
「仁!!??」
俺は仁に叫ぶ!!
すると部長は突然仁に走りよる!!
「部長!!??」
「ひとしーーーー!目を!さませーーー!!」
バキいいいーーーっ!!!
部長に殴られた仁は倒れそして動かなくなる。
「今だ!!仁を背負うのだ!!!」
「はい!!」
俺は仁を背負い部長とここを離れ丘を下り学校へと戻って行ったんだ。
◇
◇
◇
「はぁはぁ…はぁはぁ。」
「フゥ〜〜〜!危なかったな!」
「はい!しかしなんだったんですか?仁はどうして。」
「あれはな…ほこらに書いてあったろ?」
「祠神兎とかってあれ?」
「ああ!実はな…この祠はかつて生きる事に必死だった先住民がここで兎を大量に捕獲、そして食料として食べていたのだよ…その先住民達はある時、兎がピタリと取れなくなってしまってな…困窮した住民達は供養してなかったからバチが当たったかもとそれからはちゃんと供養と大量には取らずに兎を崇めたのだよ。それからはまた僅かな数の兎をとり住民達も兎達もパランスよく生きれたという話なのだよ。」
「なるほど!そんな事があったのですね?」
「ああ!あ!そういえば。」
「どうしたんです?部長?」
「こないだ…ここにその話を調べる為にここに仁ときたんだったっけな。」
「もしかして、部長その時に仁は何かに見られてしまっててあの手紙を貰ってしまったという訳ですかね?」
「たしかにその線もあるかもな。」
「仁に兎の霊達が思いをよせたのは兎が大好きな仁ならではだったんですかね?」
「ん?アイツ兎好きなのか??」
「はい!部長知りませんでした?」
「あ!ああ……。」
「アイツ見た目では分かりませんけど…兎形の弁当箱に兎プリントのTシャツを着て目立たない所には全部うさぎのキャラクターがいるほどの徹底ぶりですよ?」
「はぁ…兎が好きすぎたあいつが何かを呼び寄せた…のかもな?」
「かも…知れませんね…。」
「あ!そういえば!!」
「どうしました?部長?」
「あいつ私に今年のハロウィンパーティーイベントにバニーのコスプレしろとお願いしたのももしかして!?」
「「うわーーーーーーーー!!」」
俺達はあまりのある意味…恐怖のドン引きに思わずさけんだのだった。
◇
◇
◇
今回はこんな話で(笑)
皆様お読み下さりありがとうございました!
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