第6話猫物語

「あ!皆様こんばんは!また来てくださったのですね!どうぞ…そちらへおかけください。」

男はそっとこちらへお茶を出してくれる。

「あ、少々熱いかもしれませんがどうぞごゆるりと…え?店の入り口に黒猫がいた?ふむ…ここで猫など飼っては居ませんが…あ!折角ですので猫、の話でもしましょうか?え?ペットの癒しの話?違いますよ私が話すのはもちろん……。」

そう…これは一人の少女の心温まる黒猫…との話ではなく…恐ろしい出来事。

ある所にいたのは少年Aとしよう。

彼は両親の仕事の関係でよく引越しをしていた。

小学生の彼にとってそれは楽しそうに友達からは形上遊びに誘われたりしていたけど実は一人でいる事が多く寂しいものだった。

そんなある日少年Aあきお(仮名)と呼ぼうか。

あきおが転校した学校で一人の少女と出会う。

こちらの少女Bべにこ(仮名)といった。

彼女はあきおと偶然同じクラスになりそして席も隣になりよく話すようになったんだ。

「べにこちゃん!僕昨日帰りに公園であるもの見つけたんだけどさ!よかったらいかない?」

「そうなの?分かった!いいよ!」

「うんうん!じゃあ帰りにまた!」

「うん!分かったよ!」

僕はこの時何も知らずに彼女にあるものを見せたくて誘ったのです。

そして放課後。

僕は彼女を誘い学校を出る。

「でね!僕昨日の帰りにさ!暑かったからいつもべにこちゃんと別れる公園に寄ったんだけどさ!」

「そうなんだね!その公園に何かあるってことなのかなぁ?」

べにこちゃんはふと立ち止まる。

「そうそう!あ!そういえばうちのママがその公園にはちかづいちゃだめだって私いわれたの思い出しちゃった!」

「えっ!?そうなの?僕の家では何も言われたことないなぁ。」

僕はそんな話は家族の間でも聞いた事はなかったんだ。

「そっかぁ…でも私はお母さんに言われてたんだよね!だから!今日はもう帰るね!」

べにこちゃんはそう言うと僕を置いて帰って行ったんだ。

「べにこ…ちゃん。」

僕はそのままとぼとぼと帰ることにする。

そしてべにこちゃんを連れてこようと思った公園に辿り着いたんだ。

公園のブランコに座り。一人漕ぐ。

辺りにはキィーキィーと僕の漕ぐブランコしか動いてない。

僕はべにこちゃんの事を考えてしまう。

「べにこちゃん初めは話に乗ってきたのにな…やっぱり嫌になったのかな。」

僕が呟くとふと足元に一匹の猫がまとわりついてくる。

「あ!おいで!」

僕はべにこちゃんに見せたかったその猫を抱き上げる。

真っ黒の猫だけど僕にはとても可愛らしい猫だった。

「よしよーし!」

僕は猫を撫でる。

「にゃーん!」

猫は嬉しそうに気持ち良さげな表情をしながら僕に顔をすりつけてくる。

それに可愛らしく思い僕も撫でてあげる。

「にゃん!にゃーん!」

「あはは!可愛いなおまえ!」

その時!!

ガブッ!!!!!

「いたっ!?」

僕が驚いて手を離すと猫は逃げていってしまう。

すると後ろから声をかけられる。

「あきお…君?」

「えっ?」

僕が振り返るとそこには逃げていってしまったべにこちゃんの姿があった。

気がつくと…僕の手を見ている。

「噛まれたんだ。」

そう言ったべにこちゃんの表情はとても暗く沈んだ表情をしていたんだ。

「う…うん!でも大丈夫だよ!大した事ない傷だし!」

「ちがうわ…ねぇ…私の話聞いてくれる?」

そう言うとべにこちゃんは話し始めたんだ。

この公園にある話…。

昔々の話なんだけどね。

この公園は昔から野良猫達が集まる場所だったんだって。

ここには沢山の猫が集まってて。

そして憩いの場所だった。ここを取り仕切っていたのは一匹の老猫。

でも猫達はここで楽しく暮らしていたんだって。

昔から猫が歳を重ねると不思議な力を持つと持つとも言われてて…次第にその老猫は不思議な力を持ち始めたの。

ここには人間達に飼われてて捨てられた猫の他怪我をした猫、産まれて飼えないからと捨てられた猫達が集まっていた。

でもそんな皆だからこそここで必死に生きていく為に餌をとったり頑張って生きていたの。

でもそんなある時ここの公園が人間達の野良猫狩りのターゲットにされたの。

猫達は捕まってしまったら…始末されてしまうのがほとんど。

それを知っても捕まればどうにもならない猫達。

そしてそれはいつしか怒り、恨みへと変わっていったの。

そこまで話したべにこちゃん。

そして突然彼女は質問をしてくる。

「あ!そう言えばこないだこの公園で人が何かに襲われたニュースみた?」

「えっ?いや。僕は見てないや。」

「そう。あれも…ね。」

僕は…この後……。

「昨夜のニュースですが…〇‪✕‬小学校の五年生………………君が昨日の下校時間から行方不明………今も警察関係者による必死の捜索が行われ………。」

「あ!大丈夫ですか?顔が青いようですがまずはお茶でも…あ!冷めちゃいましたか…お取り返してきますね!」

「お待たせしました…お茶を…あれ?いつの間に帰られたのでしょうか。」

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